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BitBattler.それは、過酷な運命に立ち向かう小人である。

作者が絵を描く片手間で書いた、小説です。なので、読むときはご容赦ねがいたい。

アドバイスや感想は随時お待ちしております。

絵を見たい場合は、Pixivまたは検索で「いぬこんぎーく。」という作者のページまでぜひ、お越しください。

*運命の交差点


バーチャルビーストが普及した未来。

日本の紅葉都若葉町に住む彩芽ルナ(さいがるな)は

ある日、通学路の途中にある、ほこらの裏手で

黒くうごめくものを目撃する。「猫かな...?あっ!ケガしてる!」

ルナは、衰弱している黒猫に簡単ながらも手当をしてあげた。


数日後、あの猫が気になり、

同じ道を通る。するとあの猫がいた。猫はルナを見かけるや否や、

お礼とばかりに首輪についていた幾何学模様が刻まれたクリスタルを

おいてそそくさとその場を後にした。

「あっ!ちょっと待って!.....くれるのかな...?まあ、でも綺麗だから持っておこうっと。」

ルナはいいことをしたと、心がくすぐったくなり、笑みがこぼれそうになりながらも、

通学路を再び駆けていった。



*可能性の閃光は何よりもまばゆい


放課後ルナは頼まれごとを受けて、職員室へ向かう途中だった。しかし、

「ここどこだっけ...」

これは決してルナが方向音痴なワケではない。増築を重ね、その結果、複雑に入り組み、迷宮まがいになった学校のせいなのだ。

そんな時は取り合えず、位置を確かめる為に高いところにのぼらなくてはならない。


しぶしぶ位置を確認し、戻ってきたルナを嫌な静けさが襲う。こんな時は、恒例行事の

ように、後ろを振り向いて確認するのが当たり前である。

「あ、そうだ。今日職員会議で部活休みだったんだよねーいやー通りで静かなわけだ!」

モチロン周りには誰もいない。ルナの声だけが誰もいない入り組んだ校舎の中にこだまする。その直後、金属のきしむような嫌な音がルナの後ろ側で鳴った。当たり前のように振り向いてみると、そこには長細くて白いゴミ箱のような姿のロボットが立っていた。


「なーんだ。また工学部のいたずらかーそこにいるのはわかってるよ出てきなさい。」

しかし、音沙汰無い。ルナが待ちきれなくなりロボットのほうへ向かおうとした

次の瞬間。ルナの左ほほを閃光がかすめた。一瞬何が起こったかわからなかった。

閃光がたどった経路を目で追っていくと古めの鉄でできている防火扉があり、鉛の弾がもともと扉の一部であるかのようにめり込んでいた。

「嘘でしょ!?」ルナは一目散に、誰が見ても危険対象だとわかるロボットから逃げることにした。


全力で逃げてきた結果、また場所が分からなくなっていた。

そしてそこには見覚えがあるような無いような、埃をかぶった機械が規則正しく並んでいた。

ルナは衝動からかスイッチを押してしまう。


「へ?」


すると部屋の機械すべてのファンが勢いよく回り、

スイッチを押して五秒もしないうちに辺りは埃の霧に包まれてしまった。

「ゴホッゴホッ...なにこれえ...」

数分後、

埃の霧が晴れてくると、そこにはさっきの見覚えのある影が並んでいた。

よく見るとこっちを狙っている。


ルナは米国のアクション映画よろしく、素早く、頼りがいのある壁の陰へと隠れた。

しかし、激しく動いたからか、光るものが肩にかけてあったバックからこぼれ落ちた。

それはあの時の猫がおいていったクリスタルであった。

そしてどこからかとんできた閃光が、そのクリスタルにあたり、まばゆい光を放ったと

思ったら、ある声が聞こえてきた。「君に未来を変える勇気はあるかい?」

その声は優しく、危機的な今の状況を考えれば、クモの糸であり、天使の声だった。

「誰かいるの!?誰でもいいから助けて!」

「落ち着いて!君は大丈夫だ。きっと助かる。」

「もしも君の助かりたいという意思が強いのなら、もう一度、あのクリスタルに触れてほしい。」


「そんなこと!できるわけない!」

そう言うのも無理はない。クリスタルとは自分の身長の倍以上離れているし、物陰から飛び出せば

ほかに防ぐものなどほとんどない状態だ。

そんな中、ルナは父親の言葉を思い出した。


「やらないよりやる勇気。自分を変えれば結果は意外と早く出る。それは折れることではなく、

生物として環境に順応することだ。」


「環境に順応する....」

そのとき、窓の外を見ると鳥がとまっていた。

ルナはついに決意した。

3.2.1....

壁から勢いよく飛び出した。


パンッと乾いた音とともに、あの閃光が近くをかすめた。しかし一発も当たる気配がない。

涙をぬぐいながら、やっとクリスタルに触れたとき、さらにまばゆい光がルナを覆った。

その光の奥から純白の雲のような毛皮をまとい、もうすぐ夏だというのに、コートを

着ている猫の獣人が現れてこう言いはなった。

「君は何も考えなくていい。ただ、ありったけの思いを込めて目の前を薙ぎ払って。」

ルナは涙でくしゃくしゃになりながら小さく頷いた。


「ーーーーーーー!!」


ルナは声にならないような思いをぶつけた。

よくは見えなかったが、次に目を開けたときには、さっきまでの敵は微塵も残っていなかった。

そして安堵のあまり、がくりとその場に崩れ落ちた。

「それが君のチカラだよ。」

「私のチカラ...」

「ねえ、あなたは?ー」

先ほどの戦いで消耗したのか、さっきの猫の獣人は寝てしまっていた。

「さすがはネコさん...気まぐれね...」


「あっ!あと鳥さんごめんなさいね。」

「?」

さっきまで窓際にとまっていた鳥は鉛の弾で穴が開いた、

窓ガラスの外の同じところに、何事も無かったかのようにとまっていた。

何とも名状しがたい気持ちにさいなまれる中、

初めての勝利に彼女は喜びを噛みしめていた。


「僕はゼタ。よろしくね。ムニャムニャ...」

「えっ」


ー次回に続くー

作者のツタナイ文章でも最後まで読んでくださり、感謝いたします。以下、語録と登場人物です。


・語録


マザーシステムズ

日本の紅葉都紅葉市中央区に本社を置く、

大企業。

世界各国にも支店があり、現在、25ヵ国で

営業している。

主力はバーチャルビースト関係と

データセンター事業などで、独自の研究機関を持っている。


バーチャルビースト

正式名称、AIIS。先進統合型知能系

(Advanced integrate Intelligence System)

マザーシステムズが開発した日本発の

新世代型AI。

環境下で姿カタチを変え、高い汎用性、

優れた人間性をもち、機械の中にいるという

ことと、姿が動物の要素を含んでいることを

除けば、知能的には人間と同等か、

それ以上である。

この革新的な技術は欧米諸国の研究機関を

震撼させるほどの発明だったが、

誕生にはいろいろと謎が多いらしい。

日本では人が誕生すると同時に、

バーチャルビーストが与えられる。


ビットバトラー

バーチャルビーストを操り、バトルをする人を指す言葉。子供からお年寄りまで幅広い

年齢層に人気がある。


中央政府

世界各国に設置されている行政機関。

国によって個性様々なバーチャルビーストが

働いている。また、導入により、

御荷物政治家の削減に成功。

中心的な仕事の6割は

バーチャルビーストが担っている。

今は緊急事態により軍人や研究者が

頻繁に出入りしている。



・人物


彩芽ルナ(さいがるな) 15才 女性


本作の第1主人公。

紅葉都若葉町旧居住区D-03に住む

高校1年生。

面倒見がよく、ややひかえめで明るい性格。

バーチャルビーストはゼタを所持しており

姉妹のような関係。

静かに怒り、考え込むことも多い。

将来の夢はモデルらしく、ゼタの作った

本人曰く、「恥ずかしい服」

をいやいやながら着ていることがある。


ゼタ 10才 ♀ ネコ系 Fバリアブル型


本作の第2主人公。

突如現れた謎のバーチャルビースト。

彼女はあらゆる絵を実体化させる特殊な能力

イマジナを持っている。ただし体力を

使うため、使ったあとは大抵、

疲れて眠ってしまう。

どうしてか最初から、かなり頭が良く、

わからないものはとことん自分の興味本位で

探り回る。周りが巻き込まれることも

しばしば。

イタズラが大好きでよくこかげと行動を共に

していることもある。

奇想天外でユニークな戦い方で、

装備はイマジネという筆を使って戦う。

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