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おーっほ(以下略)シリーズ

おーっほっほっほ、完・全・勝・利で、す、わぁっ!!

リハビリがてら、流行に乗りがてら書いてみました。


 

 その日、アルドア学園中等部では卒業式が行われていた。


 貴族の令息、令嬢、そして平民たちはこの(のち)自らの領地に帰り親から領地経営を学ぶか、結婚相手を探す為に夜会巡りに精を出すか、高等部へ進学するか、そのどれかの道に進む筈であった。


 アドリアナ・ピスタリオ・ロンドベルも、押しも押されぬ公爵家令嬢として高等部への進学が決定していた。


 枝毛など一度も出来た事がないといわれる艶やかな黒髪にシミや出来物もない肌艶、そしてややツリ目がちではあるが、他を圧倒するだけの美しさを持つ美少女である。


 幼い頃から神童といわれ、国王からも彼女が幼い頃からぜひ将来の国王を支えて欲しいと請われて第一王子の婚約者になった彼女は、学院長から卒業証書を受け取ると壇上から降りようと振り返った。


 だがその時、思わぬ人物たちが乱入してきた。


「…まぁ殿下に皆様方、今は卒業式の最中ですのに、そんなに大勢で何か御用なのでしょうか?」


 卒業証書を小脇に挟んで小首を傾げ微笑む様はとても似合っていたが、乱入して来た者たちは意に介さず声高に声を上げた。


「白々しい、今日は貴様に引導を渡しに来たのだ、アドリアナ・ピスタリオ・ロンドベル!!」


 そう声を上げたのは、この国の第一王子アーサー。


 アドリアナの婚約者である。


 透き通った金髪と整った鼻梁、そして彼特有の傲慢さが隠し切れておらず、嘲笑交じりの声に間近にいた学園長が不快そうな表情を隠さないが、辛うじて口を開くのは控えた。


 学園でも指折りの『問題児』である彼に、何を言っても無駄だと理解しているからだ。


 晴れの卒業式に常識や立場、そして周囲の目なども考えず壇上に上がってきた彼らにただ学院長はこの嵐が過ぎ去るのを待つのだった。


「引導…ですか?

 まぁ、何の事でしょうか?

 私が、殿下や王族の方々に何かご迷惑をおかけしたのでしょうか?」


 心当たりがないのか、精一杯心当たりを探しているアドリアナだが、アーサー以外の乱入者が声を上げた。


「…姉上、まさか貴女がこんな卑劣な手段を講じて来るとは思いませんでした。

 父上からは既に事情を説明して手紙を預かっています、覚悟なされるといい」


 アドリアナに侮蔑の目を向け吐き捨てるように手紙を投げつけたのは、アドリアナの実の()弟であるイーリスであった。


 アドリアナと同じく艶やかな黒髪と並みの美女では歯が立たない怜悧な美貌を持つ彼は射殺さんばかりの視線を実の姉であるアドリアナに向けた。


「まぁイーリス、貴方まで…事情が分からないので説明してくださる?

 私は一体、何をしたのかしら?」


 実の弟の向ける視線に全く堪えていないのか、アドリアナは他の面々、そしてその中心にいる少女を眺める。


 アドリアナにただ視線を向けただけなので飛び跳ねたように驚き、そして怯えた少女を庇う様に2人の青年たちが前に立った。


「アドリアナ嬢、しらばっくれるのは()して欲しい。

 他の生徒たちを使ってヒロインに酷い嫌がらせをして裏で手を引いていたのが君だという証言がある。

 観念するんだね」

「神童と呼ばれていたあんたがこういう事をするとは思えないんだが…証拠がある以上はなぁ」


 貴公子然とした青髪の青年はヴァリス、侯爵家の嫡男でもある彼は恋多き人と言われ女泣かせのルックスと泣き黒子(ボクロ)を武器にして学園でも絶大な人気を誇る。


 そしてもう1人の大柄で茶髪の青年はオルドレイ、子爵家の嫡男であり近衛騎士団団長の父を持つ近衛騎士志望の青年だ。


「ヒロイン…ああ、そこにいるのが誰かと思えば平民の小娘ではありませんか?

 また分不相応にも殿下の側にいるのですね。

 まったく、以前にも言ったと思うのだけど身の程を知りなさい?

 平民が貴族や王族の隣に立とうなどありえないのですよ?」


 小さくため息をついたアドリアナはアーサーたちの中心にいる少女、『ヒロイン』に冷めた視線を向ける。


 彼女は学園の特待生でヒロインと呼ばれている少女だ。


 アドリアナには劣るが学芸に秀でている彼女は学園でも有名な彼らを取り巻きのようにしていると学園でも有名な話であった。


 アドリアナを上回るほどの美少女と言うわけではないが、中の上程度の桃色の髪色をした少女は両手を胸に当ててアーサーとアドリアナの会話を取り巻き立ちの中心で見守っていた。。


 アーサーにアドリアナという婚約者がいるように、イーリスやヴァリス、オルドレイにもしっかりとした、貴族の令嬢の婚約者がいる。


 しかし、彼らは彼女たち婚約者よりもヒロインを優先しているのである。


 貴族社会でも有名であり、事情通の商会の会頭や一部の平民でも知っている『醜聞(スキャンダル)』であった。


 だが、その中心にいる彼らはその事を知らない。


 ざわついている壇上下の学園生やその保護者たちの大半は冷めた視線を向けていた。


 一部の貴族は警備員を呼んで何か指示を出してもいる。


「身の程を知るのは貴様だアドリアナっ!!

 貴様の様な心根の醜い女よりも、ヒロインの方が我が(きさき)に相応しい!!

 よって、貴様との婚約はこの場で解消する!!

 そして未来の王太子妃に悪意を向けた罪、その身で贖え!!」


 アドリアナに向け指差すアーサーはヒロインを取り巻きたちの中心から強引に引き寄せると力強く抱いた。


 アドリアナは見た。


 ヒロインがアーサーに抱き寄せられた瞬間、勝ち誇ったような笑みを浮かべた事に。


 思わず顔を背けたくなるような、自分に酔った醜悪な顔を晒した事に。


 その瞬間、アドリアナの目つきに剣呑なものが宿った。


「―――そう、ですか。

 分かりましたわ殿下、そのお言葉、確かにこの場でお聞きしましたわ。

 貴方様にその決定権があるかはさておき、聞き捨てなら無い事を耳にしました。

 よもや…本気、いえ、正気ですか?

 正気でそこにいる平民の女を妻に…妃にするつもりなのです?

 公爵家の私を差し置いて?」


 通常、王族と平民の間に関係が出来る筈がない。


 唯一の例外である学園においても、普通の平民ならば貴族や王族といった階級の者たちとは積極的に(・・・・)接触を控えているのだ。


 特に厳格な身分制度を敷いているこの国において、物語でもない限り王族と平民が婚約し、王族の一員になどなれる筈がない。


 疑いの目をアーサーに向けたアドリアナだが、向けられたアーサーは意に介さず更に声高に、会場にいる全員に向けて分かるように大声を上げる。


「そうだっ、貴様のような情の欠片も無い女よりも、他者に共感し、癒し、想ってくれるヒロインにこそ王妃に相応しいのだっ!!

 その彼女を前に、身分など何の障害にもならんっ!!」


 厳格な身分制度を敷いている王国の、しかも王族のアーサーが口にした瞬間、会場が一気に騒がしくなった。


 当然だ、今彼が口走った言葉は、王国の、そして諸外国にも影響を及ぼしかねない『問題発言』だったからだ。


「アーサー様…そこまで…分かりましたわ」

「そうか、分かったか―――」


 観念したと思ったのか、アドリアナの言葉に満足そうに肯こうとしたアーサーは次の瞬間目を見開いた。


 アドリアナの目が、剣呑さを越し、底冷えするイーリスの視線をも圧倒し、全てが侮蔑で構成された視線をアーサーをはじめ取り巻き、そしてヒロインたちに向けたのである。


 アーサーがアドリアナと婚約して以来、何度も夜会を一緒にした時や、学園生活を過ごしてきた彼女の普段の態度からは有り得ないような様に、思わずたじろいだ。


「―――貴方様が、ここまで酷い(・・)とは思ってもいませんでした」

「なん…だと?」

「酷いと申し上げたのです。

 というよりも…最悪、ですか?

 最悪以上です、吐き気を催すほど、眩暈を起こして倒れ当分の間起き上がれないほどに最悪。

 頭の悪さに失望し、後先考えない発言に幻滅し、周りの目が見えていない不注意さに呆れを通り越していっそ感心しました。

 それが一度に4人…いえ5人も!!

 しかも一部は殿下と違って将来を嘱望された優秀だった者たちでさえこの体たらく…いえ、所詮はその程度だったという事でしょう。

 むしろこの場ではっきりしたので差し引いてゼロですわ」


 近くでただ嵐が通り過ぎるのを待っていた学園長ですら呆気にとられた。


 あのアドリアナが、貴族の中の貴族とされるロンドベル公爵家の令嬢が大勢の観衆がいる中で、王族をはじめとした乱入者たちをつらつらと罵倒し始めたのだ。


 普段以上に吊り上った目はこれで殺意が混じっていないのが不思議なほどに痛烈で、苛烈で、倒れ込んでしまいそうな怒気で満ちていたが、それすらも許さない彼女の圧倒的存在感は二の句も告がせずその場に縛り付けた。


「そこにいる平民を苛めた?

 バカバカしい、なんでそんな事をしなければならないのですか。

 普段から学園と公爵領を行き来している私にそんな時間はありませんし、する必要性を感じません。

 私が命令したですって?

 有り得ませんわ、先ほどの命令されたという令嬢たちですけど、学園や夜会でも話したことなど一度だってありませんもの。

 しかも、そんな決定的な証拠が何一つ無いと言うのに、私たち公爵家がこれまで積み上げてきた実績を無視して、ロンドベル公爵にしてこの国の宰相である父を持つ、このアドリアナ・ピスタリオ・ロンドベルと王家が取り決めた婚約を一方的に、勝手に破棄するですって?」


 ロンドベル公爵家の始まりは建国した国王の兄弟だったとされている。


 王位を求めず、弟に王位を譲ったとされる兄に対して王となった弟が始めてした仕事は兄である彼に公爵の地位と、そして国で最も広い領地を与えることだった史実に記されている。


 建国の最重要功労者にして準王族といっても過言で無い、それが公式見解として記されている公爵家に対して、この大衆の中で婚約を解消し、しかもその場で平民の少女との婚約をほのめかす発言をしたアーサーに、殆どの者は感じただろう。


『王家は公爵家の功績を蔑ろにし踏み躙った』と。


 公爵家の令嬢の対面を地に落とし、あまつさえその代わりが平民の少女だというのはアーサーと取り巻きたちを除く貴族、そして平民たちもその異常さに『有り得ないだろう』と内心で感じていた。


「けど…構いませんわ。

 この婚約破棄、お受けいたしましょう。

 陛下(・・)からも、殿下から私に対して婚約破棄のお話が出た際には受けても構わないと申し付かっておりますから」

「なんだと、どういうことだ!?」

「どうしたもこうしたも、言葉通りでございます。

 事前に掴んだ情報通りの行動を殿下方が起こした場合、陛下からこうせよというお達しを勅令(・・)としてお受けいたしました」


 その言葉を聞いて、今度はアーサーたちを始め、アドリアナ以外の全てが驚愕の表情を浮かべた。


 勅令とは国王が発した法令に匹敵する権力行使である。


 その法的効力は下手をすれば通常の法を上回ってしまいかねないほどに強力で、歴代の王でも勅令を発令した者は少ないほどだ。


 しかも、その歴代の王たちが発した勅令といえば緊急勅令であり、平時の、しかもここ100年以上戦争の無かったこの国で発されることなど誰も予想していなかったほどである。


 そして、一部の回転の速い者たちはこの場における自体がどういった『結末』を迎えるのかを悟った。


 アーサーたちは未だ理解が追いついていない、本来は彼らがアドリアナを断罪する為の舞台が、いつの間にか『自分たちが断罪される場』になっているなど考えもしないのだろう。


「そして重ねて殿下方にお渡しするものがございますわ。

 陛下からの御璽入りの手紙(・・・・・・・)でございます」


 もう何度目か分からないほどのどよめきが会場に襲来する。


 御璽入りの手紙、つまり国王の名で署名、捺印された手紙をアドリアナが所持していたのだ。


 しかも、その数は全部で5通だ。


 それは、壇上にいる乱入者たちの数と符合するものだった。


「ち、父上からの手紙だと…?

 一体何を…」


 アーサーはアドリアナから手紙を受け取ると、御璽を傷つけないように丁寧に手紙を開けるとやや焦りを見せる顔をしながらその内容を一読し、目をこれでもかと見開いた。


「な…なんだと、俺が…追放っ!?

 継承権を剥奪された上に、国外追放だと!?」


 ありえないと叫びながら、アーサーは手紙を落としてしまう。


 ヒロインがその落ちた手紙に視線を向けると、そこには確かにアーサーの『処分』が記載されていた。


 アーサーは継承権を白紙にされたうえに王籍を抜かれた上に、北方の国ノーストエンドと呼ばれる隣国に追放するというものだった。


 ヒロインはその手紙を見るなり小さく悲鳴を上げる。


 アドリアナから渡された御璽入りの手紙に皺が出来る。


 そして、それはアーサー以外の取り巻きたちも似たような処分を受けていた。


「そ、そんな…この私が、公爵家を離籍された上にサウスザスターに、あの砂しか無い国に追放されるだと!?

 あ、ありえない!!

 ならば、父上から渡されたこの手紙は一体…!!」

「開けても構わないわよイーリス、むしろこの状況で父上から渡された手紙の内容がどういうものなのか気になるでしょう?」


 怒気を押さえたアドリアナがイーリスに向けて安心させるかのような笑みを浮かべる。


 その言葉にすぐに反応したイーリスは懐から公爵でもある父からの手紙を慌てて開いた。


 ―――お前には失望した、次期公爵はアドリアナがなるので、安心して南でその一生を終えるがいい。


 それは事前に国王からイーリスに向けた手紙の内容を知らなければ知りようの無い、この上なくイーリスにとって最悪の追い討ちであった。


「そんなバカな…父上が、この私を?」

「ねぇ、どんな気分かしらイーリス?

 目の上のタんコブだった私を都合よく消し去れる筈だったのに、頼みの綱だったお父様からはそんな手紙を受けて、どんな気分かしら?

 …不様ね」

「きさまっ!?」


 侮蔑の混じった本音がイーリスの耳に届くと、そこには明らかに勝ち誇っている(・・・・・・・)アドリアナが嗤っていた。


 いきり立つイーリスを無視し、項垂れているヴァリス、オルドレイにも嘲りの声を向ける。


「正直他の2人はどうでもいいです、別に真実の愛(笑)とやらに気付いたとかいうヴァリス様や平民の娘だけの騎士になるなんて寝言をほざいたオルドレイ様に興味なんてありませんし。

 …まぁ私の()になった以上、見逃すほど優しくないのでキッチリ仕留めましたが。

 そうそう、財務大臣のヴァリス様のお父上や近衛騎士団長をされているオルドレイ様のお父上は今回の件でその立場を退かれる事となりましたわ。

『身内の恥の所為で陛下とアドリアナ嬢にご迷惑をおかけして大変申し訳ない』と謝罪を受けたので、これ以上貴方方のご実家を追及することはございません。

 どうか東方のイストリアと西方のウェスタンスでその一生をお過ごしくださいな」


 くすくすと笑うアドリアナはまるでその状況と合っていない、不気味なほどに上機嫌だった。


 そう、アドリアナはアーサーたちの処罰が如何なるものかを知っていた。


 この厳格な身分社会の中で、真実の愛とやらに出会えたとして、問題となってくるのはやはり身分である。


 片や国の要職に就く名門侯爵家の嫡男と、片や特筆する点の見受けられない平凡な少女。


 身分という高く厚く隔絶した壁は、2人を巡り合わせる事はない。


 将来王国の騎士となるべき人間が平民の娘だけの騎士になるなどという非常識な発言をした時点で、近衛騎士として失格であるし、何より王に仕える貴族家の一員として不適切である。


 そして、問題を大きくした事で要職に就いていた2人の人間が責任を取りその地位を去った。


 財務大臣は王国から徴収した税金の運営を任されている要職だ。


 近衛騎士団団長は国王を、そして王族の身辺警護を任されている名誉ある騎士たちの頂点である。


 その2人が同時にその地位から退いたのだ、既に始まっているが、その座に座ろうと一時期王宮が騒がしくなるのは間違いない。


 そんな自分の父たちが要職を退いた事で、自分たちの仕出かした事にようやく思い立ったのだろう。


 ヴァリスとオルドレイはアドリアナに弁明しようとするが、先を制したのはアドリアナだ。


「ああ、私は貴方方の言い訳に何の興味もありませんの。

 ですのでもう黙っていただけるかしら」


 次期(・・)女公爵の言葉にヴァリスとオルドレイは黙って俯いたのだった。


 もはや先程までの威勢などなく、ただ刑の執行を待つ罪人の面持ちとなった2人に、アーサーたちは戦慄する。


「…さてと、最後に貴女ですわねヒロイン。

 さぁ、貴女の分もちゃんと陛下から受け取っていますの。

 だからほら、その手紙を呼んで見なさいな。

 きっと素敵なことが書かれているわよ?」

「そんな…まさか」


 ヒロインはアドリアナの言葉に従い、気にならずにはいられなかったのかどこか慌てながら乱雑に御璽印の押された手紙を開けた。


 そしてヒロインは内容を一瞥し、手紙を取り落とす。


「良かったわねヒロイン、貴女本当は断頭台(ギロチン)送りだったのよ?

 だってそうでしょう?

 貴族の男子、果ては王族であらせられる殿下に近付き言葉巧みに篭絡し、あまつさえ次期公爵である私を無実の罪を着せようとしたのだもの、当然の罰でしょう?

 しかも、調べてみればその無実の罪の全てが自作自演(・・・・)

 噂を流して私の、公爵家の評判を落とそうとしたりと、何から何までしてくれたわね。

 けど、それも許すわ。

 だって未遂だったし、この程度の噂で失墜するほど公爵家は失墜しないしさせないもの。

 だから、陛下にお願いしたのよ、『命だけは助けてあげてほしい』って」


 アドリアナは全て知っていた。


 アドリアナが行ったとされる証言や証拠の全てがヒロインの手による捏造された代物であることを。


 アドリアナの評判を貶め、更には公爵家にも被害を及ぼそうと噂を広めようとした事、その全てを知っていたのだ。


「…いや、いやよ、そんなのいやぁ」


 頭を抱え、泣き言を上げ始めるヒロインに、アドリアナはその体たらくに嗤う。


 先程までアーサーの胸でアドリアナを嘲笑い、勝利を確信していたヒロインの栄華は呆気なく潰えた。


 アーサーはヒロインが取り落とした手紙を広い一読すると、目を見開いて声を上げる。


「な、なんだと…ヒロインを、あのバスタード修道院にと送るだと!?」


『バスタード修道院』という名を聞いて、一部の観衆から悲鳴が上がった。


 バスタード修道院とは、厳格な戒律と共に世俗と一切関わらない一種の聖域である。


 そこに住んでいるのは総じて国内である事情から罰として送り込まれる乙女たちばかりで、修道院に3日もいれば既にいる彼女たちと同じ、『聖女のような凄惨な笑み』を浮かべるようになるまで教育を施されるという。


 そう、バスタード修道院とは、そういう場所なのである。


「さてと、ではもうよろしいでしょうか?

 私はこれから王城へと出向かなければなりませんの。

 事の次第を陛下に申し上げなければなりませんから」

「まっ、まてアドリアナっ!!」

「待ちませんわ()殿下。

 王族でなくなった、平民でしかない貴方に呼び止められる筋合いなどございませんもの」


 つかつかと壇上から降り、会場を出ようとするアドリアナ。


 その歩みを止めるものなど誰もいない。


 だが諦めのつかないアーサーが慌てて追いかけ方に手をかけようとすると、勢い良く跳ね上げられた。


「なっ、何をする貴様!?」

「アドリアナお嬢様に触れようとした不埒な輩を振り払っただけですが、何か?」


 がなり立てるアーサーに執事服を着た青年が粛々と告げる。


 淡い金髪とまるで人形のような作り物と勘違いしてしまいそうなほど精緻な造詣をした彼の表情は意味深な笑顔で塗り固められていた。


 アドリアナが青年に声をかけた。


 もはやアーサーに見向きもしない彼女は、既に終わった案件(・・・・・・)など興味の欠片もないのだろう。


「エヴァンス、馬車の用意は出来ていて?」

「もちろんですお嬢様。

 正門の前に馬車を待機させております。

 ちょうど近衛騎士団の方々もご一緒しまして、この場まで案内してきた次第でございます」

「お久しぶりですね、アドリアナ嬢」


 そう声をかけたのは、騎士甲冑をつけた金髪の青年である。


 近衛騎士団副団長、カリギュスト。


 次期近衛騎士団長に最も近いとされる人物である。


「あらカリギュスト様、お久しぶりですね。

 彼らの護送、面倒でしょうが頑張ってくださいね、応援していますわ」

「ええ、すでに5つの部隊が学園に到着しています。

 すぐさま予定されている地へと彼らを送り届ける任務に就かせていただきます」

「なっ、今すぐだと!?

 ばかなっ、父上は我らを殺す気なのか!?」


 着の身着のまま、カリギュストはアーサーたち5人を各地へと送り込もうとしているのだと声を震わせながら怒鳴りつけるが、カリギュストはまるで意に介した様子もなく、淡々とアーサーに告げた。


「…必要最低限の物資に関しては既に済ませております、アーサー元第一王子殿。

 その後の生活は我らは与り知らぬ事、我らはただ、王命に従うのみです。

 …総員、かくほぉっ!!」

「「「「―――おおっ!!」」」」


 雪崩れ込んできたのは30人ほどの騎士甲冑をした騎士たちだ。


 全員が近衛騎士団の団員たちで、アーサー、イーリス、ヴァリス、オルドレイ、そしてヒロインを捕らえにやってきた。


 彼らを、通達された地へと送り込むために。


「くっ、離せっ!!

 私を誰だと思っている!?」

「やめろ、僕に触れるなっ!!」

「……ちくしょうが」


 その捕縛劇をアドリアナは冷ややかな目で一瞥し、会場を去った。


 遠くから、『(シナリオ)が違うじゃないっ、運営は何をしているのよ!?』という意味不明な言葉と共に、アドリアナたちの視界から退場した。



 ×××



 成し遂げた、成し遂げましたわ。


 苦節10年、ようやく肩の荷が下りましたわ。


「おーっほっほっほ、完・全・勝・利で、す、わぁっ!!」


 思わずガッツポーズという淑女にあるまじき仕草をしようと、見ているのは執事のエヴァンスだけなので気にしません。


「…お嬢様、周囲の目が無いからといってそう淑女にあるまじき…」

「聞こえませんわよエヴァンス、何か言ったかしら?」


 今乗っているこの馬車は公爵家の技術力と私の知識を元に作り出された完全防音が施された最新式の馬車なのです。


 少々叫んだところで外にいる者たちは誰も気付きませんし、窓を閉め切ってしまえば完全な密閉空間の出来上がりですの。


 そしてエヴァンスのお小言も聞こえませんわ。


「…それにしても、お嬢様の言っていた通りの未来(・・)となりましたね。

 これも、『モジョ』とやらの力の一旦なのですか?」


 エヴァンスの問いに、私は悩みながらも答えた。


「…そうね、これも彼女のおかげよ。

 彼女の力がなければ、私はあの場で本当に裁かれる未来が待っていたのでしょうね」


 実は私には不思議な力があるのです。


 それは、どこかの誰か、自らを『モジョ』と名乗る女性の持つ記憶を所持しているという事でした。


 モジョの転生体ではなく、所持という所がミソでしてよ。


 その記憶を知ったのは、私がまだ5歳の時でしたわ。


 エヴァンスが公爵家にやってきて始めての面通しの時、彼女の記憶が私の中に流れ込んできたの。


 その記憶によると、エヴァンスは『カクレキャラ』と呼ばれていて、今でこそ執事なんてしていますが、その出自は政争に破れた辺境伯の嫡男でしたの。


『逆ハーレム+断罪イベント』における決定的な証拠を提示され、私を公爵家から追い出す1人とあったわ。


 見知らぬ場所で、成長されたアーサー殿下にイーリス、そしてエヴァンス、後の2人が成長した私を壇上で攻め立て近衛騎士たちに連行されていく様子が脳裏に流れ込んで、あまりの衝撃に私はその場で気絶してしまいました。


 お父様には大変驚かれました、何せ生まれてこの方大きな病気や怪我をしてこなかった私が突然倒れたのですもの、陛下に無理を言って宮廷薬師長を引き連れてきましたわ。


 目を覚ました私はすぐに宮廷薬師長を王宮へと送り返し、お父様に謝罪をして目の前にいるエヴァンスを懐柔しなければという気持ちでいっぱいでした。


 何せエヴァンスは公爵家に入り込み、虎視眈々と公爵家の秘密を探し出し貴族に返り咲こうと企んでいたのです。


 お父様に引き取られていなければ、どこぞのスラムで野垂れ死にしていたかもしれないのに、なんて卑劣な…と思いましたが、当時のエヴァンスの心境を考えれば、無理もありません。


 最愛の家族を貴族に奪われ、引き取られたのはその貴族の中の貴族とも呼ばれていたロンドベル公爵家。


 貴族全てが憎かったエヴァンスにとって、その懐に入り込めたのは千載一遇のチャンスだったのでしょうから。


 とはいえ、事情を知ってしまえばむざむざ放っておく訳にもいきません。


 お父様におねだりしてエヴァンスを私付きの執事にすると、すぐさま行動を開始しました。


 そう、来るべき未来、私が断罪され国を追放されるまであと10年しかありません。


 その間に、何としてもその未来を変えなければと思い、私は全てに励みました。


 淑女として、将来の王妃となるため恥にならないよう勉学に励み、マナーを覚え、命の危機から身を守る為に護身術も覚えました。


 お父様に勧められて、領地の運営にもその頃から口を出していた気がします。


 何せ、私には彼女の記憶がありますから。


 なんでも彼女は『ケイジバン』と呼ばれる会合場所で知識人たちとの交流が多く、たくさんの知識を有していました。


 なので、その中から実現出来そうな技術や政策を取り入れ、公爵領をより良くしていったのです。


 おかげで『神童』なんて呼ばれてしまう羽目になりましたが、まぁ公爵家が良くなったのですから気にしていません。


 エヴァンスには私と同じ教育を施し、そして私と同じものを見て生活していました。


 おかげで、公爵家が悪の貴族の親玉でないと納得してもらった後はチョロ…いえ、公爵家の為にその身を捧げてもらいました。


「…殿下やイーリス様は、残念でございましたね」

「そうね、イーリスは私の所為でもあるから申し訳ない気持ちが欠片ほどあるけど、殿下については残念だとは思わないわよ?」


 イーリスは私の弟ではあるけど貴族社会では通常男子が爵位を継ぐものとされているの。


 だから、そのイーリスよりも幼い頃から実績を上げ、お父様から大層可愛がられた私に劣等感を抱くようになっていったのは、正直誤算だったわ。


 何とか誤解を解こうとしたけど、イーリスの耳には届いていなくて、あの未来にならないよう誘導していたつもりだったけど、結局ダメだった。


 まぁ、途中からその誘導すらもしなくなったのだけど。


 イーリスは優秀だったけど視野が狭かった、狭すぎた。


 私は爵位なんて継ぐ訳がなく、殿下の婚約者であることが発表されているのに、私がいつか公爵になろうと、自分を蹴落とそうと企んでいるという被害妄想を膨らませていった。


 私が公爵領をより良くしようとしていたのは、殿下と結婚をするまでの期限があったからこそ頑張っていたからなのに、それを言ってもイーリスは信じてくれなかった。


 だから、あの結末になったのは私の所為じゃない。


 そしてそれは殿下も同様ね。


 あの2人は接点が学園からになるから未来を変えようがなかったけど、私は殿下の婚約者という事もあって頻繁に王宮へと上がっていた。


 彼女いわく『オレ様』を矯正すれば未来を変えられるのではという情報があったから王族に対して非礼にならないよう細心の注意を払いながら殿下の性格を矯正しようと試みたの。


 だけど、生来の『オレ様』だった殿下には何を言ってもヌカに釘。


 むしろ私が何か言えば殿下は余計に頑なになって、彼女の記憶にあった殿下の性格より更に『オレ様』になってしまったわ。


 まるで効果が得られずただ無駄に時間が過ぎしまった。


 陛下も殿下の将来に不安を覚えていらしたので私に一任していただいたのだけど、殿下の学園卒業を間近にして弟君のザックス第二王子殿下の教育に熱を入れ始めていたと耳にし、私も殿下の矯正を諦めた。


 だって、かれこれ10年もアーサー殿下の矯正をしてきたのに、何の成果も挙げられなかったのだもの。


 これだけやってダメなのなら、更に10年やったところで時間の無駄でしょう。


 幸い陛下からお叱りは受けなかったし、むしろ謝罪されたくらいよ。


「そういう星の生まれだったと、諦めるしかないわ。

 私が何か言えば怒鳴るし暴力は振るうし逃げるしで、むしろあんな男が王位についていたらと思うとぞっとするわね」

「確かに、目の前の問題に対して現実逃避しかしない王を戴くとなると、どうあっても待っているのは滅亡でしょう。

 …ではお嬢様、これからどういたしますか?」

「どうって…何が?」

「これからとはこれからですよお嬢様。

 いいですか、お嬢様は年頃の乙女で、公爵家のご令嬢、しかも次期公爵なんですよ?

 なのに今回の件で婚約者のいない身となってしまって…婚期も無限じゃないんですよ?」


 何かしら、心配されているようで実は貶されている様な気がしてならないのだけど…気のせいよね?


 そうね、私ももう15歳で世間一般でいうところの年頃の乙女なのよ。


 この年になると大抵の男女は貴族社会では既に結婚しているか、婚約者のいるもの位ね。


 なのに、私には婚約者がいない。


 次期公爵になるということは、他家から婿をとるという事になる。


 けど、そうなると釣り合った爵位を持つ貴族の子弟から婿を取らなければならないのだけど…困ったことに身分が釣り合いそうな男子はあのヒロインの取り巻きのヴァリスくらいなのよね。


 他にはいない事もないけど、年上過ぎたり年下過ぎたりと将来的な不安が残るから難しいのよね。


 はぁ、どこかに身分と年齢と能力が私に見合う殿方はいないものかしら。


「……どこかに都合のいい婿がいないものかしらね」


 私はエヴァンスの質問にそう答えるしかなかった。


 現実が見えていないと言われるかもしれないけど、私は最近まで肩書きを除けば人間性最悪の男と婚約関係にあったのだもの。


 別に彼に恋していた訳じゃないけど、少しくらい夢を見たっていいじゃない。


「…そうですね、僭越ながら自分も出来る限りお嬢様に見合う殿方を草の根分けても探しましょう。

 ………見つかるといいですね、お嬢様」

「…何よエヴァンス、その胡散臭い笑顔は、また何か企んでいるわね?」


 キラキラとした笑顔を張り付かせるエヴァンスに私は胡散臭いものを見るような目で見た。


 この笑顔、彼女の記憶にあったエヴァンスが良からぬ事を企てている時にしていた表情そっくりである。


 この表情をする時は必ずといっていいほど驚くから、あんまり見たくないのよね。


「…もう、いいわよ。

 この話は一旦終わりよ。

 どうせ高等部に進学するのだもの。

 ギリギリだけど、まだ時間はあるわ」


 いざとなったら分家にいる6歳年下の男の子もいるし、最悪彼で手を打ちましょうか。


 …けど、何か引っかかるのよねぇ。


「……そうですね、それだけあればきっと…自分も…」


 エヴァンスの怪しい言葉をしっかりと聞いた私だったけど、その時は何の事なのかまるで気付いていなかった。


 そして3年後、高等部を卒業した私はついに卒業までに婚約者が出来なかったのだけど、さる辺境伯の子息が見つかりその彼が私の婚約者候補に上がったと知った。


 その人物の名前は、エヴァンス・アルレド・デリティス。


 卒業式の日、執事服ではなく煌びやかな貴族の服を着ていたエヴァンスを見た時、思わず胸が高鳴ったのは一生の秘密である。








*末路表

第一王子(オレ様系?)アーサー、継承権破棄+王籍離籍+国外追放(北方)

公爵家嫡男(冷徹男)イーリス、公爵家離籍+国外追放(南方)⇒主人公次期当主に

侯爵家嫡男(チャラ男)ヴァリス、侯爵家離籍+国外追放(西方)

子爵家嫡男オルドレイ、子爵家離籍+国外追放(東方)

ヒロイン(正主人公)、ギロチン…ではなく修道院送り


登場人物


アドリアナ・ピスタリオ・ロンドベル(15)

公爵家ロンドベル家の長女にして『ファン&ラブ(ファンタジー&ラヴァー)』における悪役令嬢。

第一王子の婚約者だった。

『ファン&ラブ』の主人公ヒロインを執拗に苛めた事で公爵家から追放され更には国外追放に遭うという運命にあった少女。

が、5歳の際に前世の記憶を持つ女性の記録で自分の末路を知り、その運命を変えようと努力した結果、誰もが認めるスーパー令嬢になった。

厳密には転生したのではなく前世の記憶を持つ女性の記録を引き出せる、影響を全くとは言い切れないが受けていない。

本人はいたって優秀なだけだが、記憶を十二分に引き出し公爵家を盛り上げていくという意気は宰相でもある父も押されて学院の傍らで公爵家の代理領主を10歳から任されるほどには天才的な才覚を持っている。

プライドは悪役令嬢並みに高く高慢でもあるが、貴族の生き方としてはある意味では当然といえる為、ヒロインの取り巻きたちに失望して国から追放した。

別に死んで欲しいとまでは思っていないが、二度と会いたくないと思うほどには嫌っていた模様。

趣味は記録を引き出してはその考察、そして記憶の持ち主である女性『モジョ』の失敗記録を見て笑うこと。

その際アドリアナは突然笑い出す為、それを見た周囲からは恐れられていた。


エヴァンス(17)

公爵家に仕えるアドリアナの従者

実はヒロインを斬首台へと送ろうとした人物。

アドリアナは『ざまぁ』がしたかっただけなのでヒロインの死までは望んでいなかったので、修道院行きとなった経緯があった。

実はヒロインも知らない隠れキャラで、かつて政争でとばっちりを受けた辺境伯爵家唯一の生き残り。

本来はアドリアナの理不尽な我が侭の被害者だったが、アドリアナの未来を見越した教育によって忠実な従者と生まれ変わった。

高慢にも見え誇り高いアドリアナに惚れ込んだエヴァンスが実はアドリアナの父であり、この国の宰相でもあるアリストに伯爵家再興を願い出て婿になろうとしているのを、まだアドリアナは知らない。


ヒロイン(15)

『ファン&ラブ(ファンタジー&ラヴァー)』における主人公だった少女。

ヒロインらしく攻略対象である男性たちの心の琴線に触れまくって落としまくり、逆ハーエンドを向かえる予定だった。

前世の記憶を持った女性でシナリオ通りに動かないアドリアナを陥れようと自作自演でイベントを起こしたりしたが証拠をすべてアドリアナに握られているのに全く気づかなかった。

ラストの卒業式で悪役令嬢の断罪イベントの筈が、どういう訳か逆に断罪を受ける事となり、最終的に公爵家の次期当主を無実の罪を擦り付けようとした罪でギロチンに…の筈が厳しい修道院に。

一種の卒業、『ゲームオーバー』を迎える。



読んで頂き、ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 面白いので読み返し中、連投になるとは申し訳ない。 1 文中、  アドリアナは見た。  ヒロインがアーサーに抱き寄せられた瞬間、勝ち誇ったような笑みを浮かべた事に。  思わず顔を背けたくな…
2017/06/20 17:33 退会済み
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[一言] 文中の台詞 この程度の噂で失墜するほど公爵家は失墜しないしさせないもの。 失墜するほど公爵家は『甘くありませんもの』とか『伊達ではなくってよ』のようにするか、『この程度の噂で公爵家は失墜し…
2017/04/28 03:33 退会済み
管理
[一言] 普通は高校(相当)卒業のイベントなのに 中卒時で起きたのはめずらしい 厨二病真っ最中ですねw
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