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いせてん!チースタ!  作者: 遊路
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第八話 久しぶりの空の下




 保護観察官が決まったが、手続きがあるとのことで二日待たされた。その間に、帝都のことや、法律、生活水準、一般常識など覚えることが山ほどあるのだが、正直覚えきれない。法律は騙すな・盗むな・傷つけるな・殺すなの四つでシンプルだった。世の中のほとんどのことはこの四つで賄えるらしい。複雑な場合は裁判官三人と陪審員十人で判断される。


陪審員はある程度の権威や知性が認められたものだけが入れる【有識者ギルド】というものがあり、そこのメンバーからランダムに選出されるそうな。


なんでも、初めは平民を含めた陪審員制度でスタートしたのだが、興味が無い。ただただ怯えて話を聞かない。忙しいから適当に判断する。など散々だったらしい。そこで、もともとあった有識者ギルドから陪審員を選出する現在の状態になったそうだ。


まあ、確かに。平和な日常をただ精一杯生きるだけの生活に余裕がない人間にある日突然、人の一生を大きく左右する大事な判断をしてくれと言われても困るよなぁ。


 一般常識に関しては、その時々で尋ねるしかないだろうなぁ・・・一応、これをやったらヤバい的なものが無いか、さらっと読んでおくか・・・


 そんなこんなで二日経ち。釈放されることとなった。連れて来られた時は大きな門だけ見てすぐに近くの拘置所に入れられたのだが、ここって東門だったんだねぇ。ということは、邪神教団の人たちが捕まったのは帝都の東のほうにあったのかな?結局、彼らに何があったのか直接聞くことは出来なかったが、恐らく破壊神として召喚されたんだろうねぇ。貸してもらった本の中に清らかな乙女の子宮に神を降臨させる召喚方法があるらしいと書かれているのを見つけた時は、ドン引きした。どうやら、産まれてすぐに成体に成長するところまでがこの召喚術の特徴だそうな。そして、通常は召喚された神により、母体は生贄として喰われると書かれていた。いやぁ~。たぶん性的な意味じゃないんだろうなぁ・・・


意識がちゃんとあってよかった・・・


 拘置所を出て待っていると、マーカス団長がやってきた。出る前に待つように言われていたのよね。なんでも、わざわざ団長が新しい住処や奴隷購入の付き添いをしてくれるそうな。「団長って偉いんですよね?」と聞いたら、「宮廷主席魔術師様のほうがもっと偉いんだよ。」と返された。モルガスウッド様ってそんなに偉い人だったのね。


「よう。久しぶりの空はまぶしいか?なんて、窓から見えていたか。」


「牢から見る空とは明るさが全然違いますよねぇ。それに広いですし。自由だー!なんてね。」


「さてと、とりあえず。家に案内してから、生活に必要なものと監視用の奴隷を買いに行かないとだな。」


「あの~。私、自慢じゃないですけど。お金、まったくないですよ?」


「ああ。そりゃそうだろう。捕虜だったからな。その服も、自分で魔法を使って作ったんだって?」


「ええ。魔法って便利ですよねぇ。さすがに知らない人たちの前で全裸は嫌でしたので・・・」


「目覚めたら、全裸って・・・ケツ大丈夫か?」


「たぶん大丈夫だと思います・・・近くにいたのは女性でしたし。」


「それはそれで大丈夫か?」


「記憶がないって、怖いですよね・・・」


「そうだな・・・何もなかったことを祈る。それでだ。金のことなら心配するな。モルガスウッド様から預かっている。なんと500万エルクだ!」


「えっと・・・それって凄い金額なんですかね?」


「ああそうか。記憶がないとそういうこともわからんのか。そうだなぁ。飲み物一杯で200エルク。食事だと500から800エルクで、一般人の一日の生活費が3000から5000エルクってところかな。肉体労働系の日給で10000エルクくらいだから、平民が500日間余裕で生きていけるくらいの金額ってことだな。」


「なるほど・・・って、なんでそんな大金を?」


「さあな?お前が何かしたんじゃないのか?お礼とか言っていたからな。なんでも、余ったらそのままお前の生活費として使って言いそうだ。ほら、大事に持っておけ。すられるなよ。」


 そういうと、マーカス団長は大きな革袋を渡してくる。お、重い・・・


「あの・・・これ持ち歩くんですか?」


「あ?お前、空間魔法使えるんじゃないのか?普通は空間魔法で作った倉庫にしまっておくぞ?」


「ほうほう。それって、どんな呪文ですかね?」


「そんな簡単なことも忘れているのか・・・まあいいや。こうだ。空間よ。倉庫となり、我が荷物を保管せよ!か、ただ空間倉庫と叫ぶかだな。後者は一度倉庫を開いた後に使える短縮呪文だな。」


「なるほど。やってみますね。空間よ。倉庫となり、我が荷物を保管せよ!」


 呪文を唱えると、目の前に黒い穴が開く。どうやらここに入れればいいらしい。先ほど預かった大金のつまった革袋を入れてみる。すると、黒い穴は閉じて行く。そして、目には見えないが、革袋が倉庫に保管されているという認識はある。不思議な感覚だ。


「取り出したいときは・・・空間倉庫!」


 試しに唱えてみると、また黒い穴が開いたのでそこから革袋を取り出す。特に変化はないので、そのまま戻す。


「大丈夫そうだな。それじゃあ、家まで案内するから付いて来い。人が多いからな、はぐれるなよ。」


「あの。万が一はぐれた場合は、ここに戻ってくればいいですかね?」


「ああ、それでいいが。はぐれるな。」


「は、はい。」


 マーカス団長の後姿を見失わないように、なるべくぴったりと後ろについて移動することにした。人避けにもなって便利だな。団長の背中しか見えないので、道を覚えられないのが欠点だが・・・




プロットの残りが少なくなってきたので、考えないとな・・・

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