第四話 ピンチかな?
騎士が魔術師を連れて戻ってきた。警戒されているのかな?と思ったら、部屋の検査をしている。
「魔法封じの印が割れていますね。恐らく耐久年数が過ぎた状態で魔法を使ったからだと思います。」
「なんだ、ただの故障ってことか。人騒がせな。」
騎士と魔術師でなんか納得したようだ。だが、魔術師が念のためと持って来ていた本をめくり始める。どうやら魔法封じの印の管理記録を調べてみるようだ。すると驚いた顔で私の顔を見てくる。
「去年の夏頃に印が新しく施されています・・・」
「・・・ということは?」
「魔法封じの印を破るほどの魔力の持ち主なんじゃないかと・・・」
「それって、どれくらいヤバいんだ?」
「魔王クラスとはさすがに行かないけど、魔人クラスなら破れないはずですね・・・」
「じゃあ、こいつ魔人なの?」
騎士がこっちを指さしてくるので、私は全力で首を横に振る。
「いやいや。私人族ですよー!」
「怪しいな・・・。おい。ステータス確認の魔法を頼む。」
「わかりました。でも、この人が魔人を超えるような化物なら、とっくに牢を破って逃げ出していると思いますよ?」
「ああ。そうか、大人しく待っている必要ないもんな・・・。でも、一応調べておこうぜ。ひょっとしたら、隊長か副隊長を狙っている刺客かも知れないし。取調室に連れて行ったら大暴れなんてことになったら、俺は確実にクビだよ・・・」
「それ、私もクビになりそうですね・・・。じゃあ、ステータス確認しますので、抵抗しないでください。」
魔術師が私に向かって、杖を向けながらそういうので、大人しく従う。
「神の御名において。彼の者の能力を見せたまえ!ステータスオープン!」
あれ?私が使ったのと、呪文が違うな。もしかして、言葉が足りなかったから、ちゃんとステータスの確認ができなかったのかな?
「う~ん。名前はユーロ。平民かな?二十歳の人族と・・・」
つぶやきながらメモを取る魔術師。名字が無いと平民というのは前の世界と一緒かぁ。
「こんな感じですね。見た感じおかしなところは無いようですね。」
「確かに・・・。というか、スキルが全くないということはあるのか?」
「たまにいますよ。平民の若者は特に、スキルが身につくほどやり込まないことが多いですからねぇ。」
「ああ、でも特殊スキルなら確認できないんじゃないのか?」
「まあ、そうですけど。特殊スキル持ちなら、そもそもこんなところにはいないと思いますよ?人に従うこともあり得ないので、刺客の可能性も無いですね。」
「じゃあ、なんで魔法封じの印が壊れたんだ?」
「う~ん。新しく施し直す時に何かミスしたんじゃないですかね?」
「じゃあ。こいつ、このまま取調室に連れ行っても大丈夫という事で良いの?」
「はい。問題ないかと。」
良く分からんが、セーフだったらしい。あとで、さっきの呪文で確認してみるかな。と思ったら、魔術師がこっちに向いて先ほどのメモ紙を差し出してきた。
「これ。自分でも確認してみて、変なことや間違いがあるなら、取り調べの時に申告すると良いよ。」
「・・・はい。ありがとうございます。」
貰ったメモ紙には自分で確認したステータスとほとんど変わらない。せいぜいスキルの項目があるくらいだが、スキルの項目には何も書かれていなかった。おかしいなぁ。何かしら持っているはずなんだけどな。確か、天使の奴が楽しみにしといてと言っていたし。やはり、あとでもう一回ステータス確認をしてみよう。
簡単にノリで書いたプロットなので、割と変な方向に書かれていた・・・。書きながらこれは無いなとプロットのほうを修正しながら書いています(´∀`; )