第三十一話 強制イベント
「と、言うわけで。わたくしアメリアはユーロ・ソヴェンテの第二夫人にこの度就任いたしました。どうぞよろしくお願いします。つきましては、エレルライン第一夫人!」
「は、はい?」
「月水金は第一夫人。火木土は第二夫人で日曜日は休日ということでいかがでしょう?」
「はい・・・それでいいですけど・・・あの、本当に女神様なのですか?」
「まあねぇ~。ちょっと~、前の旦那がアホだったから?嫌気がさしてこっちに来たんだけど~。あなたの旦那様と運命的な出会い?をしちゃったからしょうがないよねぇ~」
「あなた・・・いいの?」
「いや。拒否権ないみたい。助けたのが運の尽きみたいね。完全に罠でしたよ。まさかツッコミ待ちとは思わないじゃない?100年も自分で作ったゾンビに追われる設定で助けを待つとか、壮大な計画なのか、アホな計画なのか・・・」
「あほで壮大な計画ですね」
「いや~。それほどでも~?」
「「褒めてないです」」
「「「・・・」」」
あ、セバスチャンとナタリアとマーシャはなんか意識が遠くなっているね。女神の存在に圧倒されて意識を遠くしているのか、創造主がこんな感じで絶望して意識が遠くなっているのか・・・
「それで?これからどこに向かうの?出来れば初夜は良い宿にして欲しいなぁ~くねくね」
う~ん。どうしよう。教都に行っても女神と会っちゃったから、だいたいのことは何とかなりそうだからなぁ・・・アメリア教国の動向なんかも筒抜けだろうし・・・一旦帰るかな?
「じゃあ。帝都に一旦帰りますか。アメリア教国についてはアメリア様に聞けば大丈夫ですよね?」
「ん?ああ、あいつらね。最近では私の存在を信じていないくせに私を使って甘い汁を吸う寄生虫どものことなら。いちいち女神像の前で報告してくるからわかるわよぉ~」
大丈夫そうだな。女神の存在を信じなくなったのって、ずっと茶番で遊んでいたからではないだろうかというのは言っても仕方がない気がする。さて、帰りますか。
「ふーん。ここがソヴェンテ帝国の帝都ねぇ。良い感じじゃない。少なくともアメリア教国の教都にあるような巨大な女神像がないだけマシだわ」
「当然ですわ。女神様のお姿を勝手に想像して偶像崇拝するなんて、あってはなりません」
「そうそう。顔がブスだったり、胸が小さ過ぎたりして本当に最悪だわ」
「女神様のこの美しさを人が表現しようなどと出来もしない事をするくらいなら。と、わたくしのご先祖様は法律で偶像崇拝を禁止しましたの」
「いい仕事するじゃな~い。ご褒美に子宝チャンスを与えちゃう!今日の夜。仕込んでおくと確実に子宝に恵まれます!」
「本当ですか!?」
女神様がさらっととんでもない事を言い出したと思ったら、エレルが私の手をガシリと捕まえた。
「さあ、参りますわよ!」
「え?え?」
「セバスチャン。床の準備をお願い!世継ぎを確実にゲットするわよ!」
「かしこまりました」
「いってらっしゃ~い。その代わり、明日は丸一日ユーロを借りるわよ~」
「はい。それでは女神様。失礼します」
「あ~れ~~~~~~!!!」
そして私は、エレルによって寝室に連れ去られたのであった。
さて、どこに着陸すべきなのか・・・




