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いせてん!チースタ!  作者: 遊路
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第二十九話 炭鉱の街 セントール




 魔術師ギルドには図書館もあったので、採取や討伐をこなしてお金を稼いでから入ってみた。補償金が1万ダラもした。ダラとはこの国の通貨だ。薬草が一束100ダラしたので、物価は帝国の二倍くらいなのかな?まあ、交流が無いのでエルクとダラを比べる意味は無いのだが。


 討伐の仕事には、モンスター討伐は一切なく。盗賊や山賊退治ばかりだった。どうやら、この街周辺にはモンスターはいないらしい。と思ったのだが、図書館で調べた限り、この大陸自体にモンスターや魔物と呼ばれる生き物がいないようだ。狼や熊はいるようだが、モンスターや魔物は空想上の生き物として物語に登場するレベルのようだ。なんだろう?もしかして、この大陸で信仰されている女神アメリアの加護なのかな?でも、図書館で調べた限りだと、天上の城とやらにいるそうなので、実際にこの大陸を保護するような存在がいるのかはわからない。そのうち、教都と呼ばれるこの国の首都に行ってみるかな?


 そうそう、この大陸には人族しかおらず。ドワーフやエルフは空想上の妖精として物語に出てくるだけだそうだ。セバスチャンは見た目が人族に見るので問題なかったが、マーシャの肌の色が珍しがられた。どうやら褐色の肌は南部地域にしかいないようで、この街では初めて見る人がほとんどだそうだ。何人かにナンパされていたが、丁重にお断りしていた。モテモテな状況が初めてなのかマーシャは終始困った顔をしていたが、なんかグッと来た。


 この街の名はセントールと言い。炭鉱採掘の為に作られた街だそうだ。人通りが少なかったのはこの時間、炭鉱に仕事に出ているためのようだ。この街の7割が炭鉱夫だそうなので、そりゃ人通りが寂しくもなるよね。


 それなりにお金が貯まったので、宿屋に行って部屋を借りて休憩することにした。


「モンスターの死体が売れないとは思わなかったなぁ。まさかモンスターの存在が全くない大陸があるとは・・・」


「そうですわねぇ。でも、盗賊や山賊のような輩はどこにでもいるみたいですわね」


「貯め込んでいるうえに生け捕りにしたら、奴隷商人に売れるからかなり儲かりましたね」


「マーシャにだけ男が言い寄って来たのが、なんか悔しいです!」


「ナタリア。あなたは鎧をがっちり着込み過ぎでどこから見ても騎士にしか見えないところが男達の寄りつかない理由ですよ?」


 セバスチャンがナタリアに見た目についての問題点を指摘した。まあ、確かに男か女かわからないくらいのレベルのフル装備だからなぁ・・・


「そ、そうだったんですか!?」


「「「気が付いていなかったの!?」」」


 思わず私とエレルとマーシャがハモる。


「実力はあるのですから、あえて布地の服を着て、下にチェーンメイルを着ると良いですよ」


「なるほど・・・で、でも、それだと体のラインがっ!」


「チェーンメイルにもフィットタイプがありますので、それならば体のラインが寸胴になりませんから大丈夫です」


「い、いえ。そういうことではなくてですね。ラインを見られるのが恥ずかしいです・・・」


 なんか後半がとても小さな声でつぶやいたので私には聞き取れなかった。


「体のラインは男に見せてこそ、引き締まっていくというものなのですよ?」


 エレル。聞こえていたのか、そして君のその服は男に見せるためにそんなにエロティックだったのか・・・


「私は旦那様に見て頂くためにこの格好をしているのですけどね」


 顔を赤らめながら私にアピールをしてくる。今夜は頑張っちゃうぞ!


「むむ。ご主人様に見られる・・・それはそれで・・・」


 何かを悩むナタリア。私に見られるのが嫌なのだろうか?


「わかりました。ご主人様の為に装備を変えます!」


「あら、旦那様は渡さなくってよ?」


「い、いえ!そういうことでは無くてですね!そ、その・・・ご主人様の目の保養になればいいかなぁ~なんて・・・ダメでしょうか?」


「いじらしいわね。その可愛さに免じて許しましょう!さあ、装備を買いに行くわよ!」


 良く分からんが、嫌で悩んでいるわけではないようなので良かったです。とりあえず買い物に行くそうなので10万ダラをエレルに預けたら、女性三人で出かけて行った。まあ、女性の買い物は時間がかかるものだからいいんだけどね・・・


 なんとなくセバスチャンと目があったので、ふたりで微笑みあっていた。


 帰ってくる気配がないので、夕食を済ませた後に洗浄魔法で体を綺麗にしてから先に寝ることにした。セバスチャンが起きて帰りを待ってくれるので問題ない。


 途中で起こされるかと思ったが、目が覚めると朝になっていた。隣を見るとエレルが眠っているので問題なかったようだが、昨夜は起こさないように配慮してくれたのかな?


 エレルを起こさないようにそっとベッドを出て、食堂に向かうとセバスチャンが洗顔用のタオルを持って控えていた。


「ありがとう。昨日は何時くらいに帰って来たの?」


「22時前に帰ってきました。外で食事をしていたのでその時間になったようですが、買い物も無事に済んで問題なかったようです」


「てっきり起こしてファッションショーでも始まるかと思ったんだけどね」


「はい。されようとなさいましたので、止めておきました。せっかくなら日が明るいうちにされたほうが見栄えが良いと教えましたので、特に不満なく就寝されました」


「そう。ありがとう。途中で起こされると、翌朝辛いからねぇ」


 前に行われたファッションショーは朝方まで無駄に続いたからな・・・


「それじゃあ。朝ご飯食べてくるね」


「いってらっしゃいませ。オススメは焼き魚定食でございます。川魚なのですが、骨まで軟らかくて味付けも良い感じでございました」


「うん。それを食べるよ」


 セバスチャンのいうことに従っていれば間違いない。きっと、先に起きて全メニューをチェック済みのはずだ。執事として常に完璧であるセバスチャンは一家にひとり欲しいですよね。


 朝食の後は昨日スキル石屋で買っておいたゴーレム創造を試してみるかなぁ。レベルが低いうちは手だけなのだが、スキルレベルが上がるにつれて人型になってくれるそうだ。極めると人間とほとんど変わらない見た目で、えげつない強さのゴーレムが作れるようになるので楽しみである。


 そういえば、鑑定を極めて気が付いたのだが、マーシャが特殊スキル持ちだった。本人も気が付いていなかったようなのだが、砂魔人使役という砂漠に生息するモンスターである砂魔人を使役出来るスキルだ。砂魔人は確か物理軽減のスキルを持っていて、なかなか強いはずだ。まあ、マーシャは街から出たことが無いので、砂魔人と遭遇することもなかったそうだ。つまり、下手したら一生特殊スキルを持っていることに気が付かなかっただろう。そのうち使役させるために砂漠に行かないとなぁ。


 焼き魚定食。間違いなかったな。




物語の着地点をどうするべきか・・・まだ決まっていません・・・

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