第二十八話 アメリア大陸
この世界の大陸は3つしかない。北半球をユグドラシル大陸がほとんどを占め、南半球の東側にアメリア大陸。西側にアトルティア大陸がある。ユグドラシル大陸の東側は山岳地帯で紛争地域が多いので行けないとして、アトルティア大陸は国が存在しない。村はいくつかあるのだが、大陸の全土が樹海でモンスターや魔物を狩る者たちと彼らが捕って来たモンスターや魔物の死骸を買い取る商人たちしかいないので、正直行く意味はあまりない。まあ、魔王がいる可能性が高い大陸ではあるので、アメリア大陸を見て回ってから寄るかなぁ。
アメリア大陸は、海岸沿い以外は荒野と砂漠の大陸だ。その荒野と砂漠の大陸中央には鉱脈帯が多いので、荒野や砂漠のど真ん中に街があるらしい。大陸全土をひとつの国が支配していて、アメリア教国という宗教国家だ。アメリアと言う女神を信仰しているという話だが詳しくはわからない。
とりあえず人の少ない荒野と砂漠に転移してから、探索魔法で街の位置を調べて移動かなぁ。ちなみに大陸間の交流はないので、入国審査の必要は無い。というか、他に大陸があると確認できていないようだ。なら、なぜ私が大陸のことやそこにある国を把握しているかと言うと・・・探索魔法である。探索魔法のスキルを極めると惑星全体を探索することが可能で、だいたいの陸地の形や国の有無がわかる。ただ、探索範囲を絞らないと詳細がわからない。なので、大陸についたら再度探索魔法を使って街の位置を把握しないといけない。言葉通じるのかな?行く前に念の為、精神魔法のスキル石を買ってレベルを上げといたほうが良いかな?たしか、精神魔法のスキルレベルが高ければ、相手の記憶を読み取ることが可能になるので、言語中枢をコピペすれば向こうの言葉の読み書きがばっちりになるはずだ。
準備が出来たと思ったら、出来ていなかったので出発を一ヶ月遅らせて、盗賊狩りやモンスター退治をしつつレベル上げとスキルレベル上げをしておいた。なんか、ソヴェンテ帝国の治安がめちゃくちゃ良くなったと皇帝陛下に褒められた。やり過ぎたかな?
一カ月後。改めてアメリア大陸に出発だ!まあ、転移魔法で一瞬なんですけどね。通貨が違うと思うので、モンスターの死体をアイテムボックスに詰め込んでおいた。現地のギルドか何かに登録すれば売れるはずだ。街に入るのにもお金がかかる可能性があるので、宝石類も用意しておいた。探索魔法を使うと、どうやら着いたのは大陸中央部の荒野のようで、東に10kmくらいのところに街があるようだ。私とエレル。セバスチャンにナタリアとマーシャの5人が馬車に乗って荒野を走る。外は砂埃が凄そうなので、風魔法で馬車の周りに風の結界を張っておいた。傍から見ると、馬車の周りを円形に砂埃が避けるように見える。魔法を知らない場合はかなりやばいかも知れない。まあ、街の近くで解いておくか。いざとなればセバスチャンにお任せである。きっと何とかしてくれる。
10分ほどで街についた。街の周りには木の柵があるくらいで防御はスカスカだ。大丈夫なのかね?街の入り口にも兵士がいる様子が無い。出入り自由って事かな?馬車でそのまま街に入っても良いが、止める場所があるかわからない事や慣れない街での運転は事故の元なので街の入り口で馬車から降り、馬車をアイテムボックスに収容する。馬ごと入れられるうえに入れている間は馬の世話をする必要ないので便利である。まあ、宿についたら、宿の馬小屋で体を拭いてあげたり、餌をあげたりするのだが。
街に入ると人通りが少ない。時間帯のせいなのかな?とりあえず探索魔法で街の地図を作製して宿を探す。転移魔法で帰っても良いんだが、せっかくなので何泊かしてから帰ろうかなと思っている。どのみち周辺の調査もしたいからねぇ。ああ、その前にお金を確保しないといけないのか・・・となると、日雇いギルド的な場所は・・・街の中央に各ギルドがあるみたいだな。とりあえずそこに行ってみるか。
「なんだか貧相な街ですわね」
「奥様。そういうことは言ってはいけませんよ」
「あら、マーシャ。いいじゃない。事実なんだもの」
「事実でもです。皆頑張ってこの地で生きているのですから」
砂漠の街で生きてきたマーシャはこの街に対して感じるものがあるのかも知れない。さて、ギルドの前についたと思うのだが・・・やっぱり字が読めないな・・・アメリア語なのかね?よし、その辺にいる人の・・・おっさんはやめといて、あのお嬢さんにしておこう。精神魔法で言語中枢をコピペっと。いや~魔法って便利ですねぇ~。あっという間に外国語を習得ですわ。ついでに、セバスチャンは・・・あ、大丈夫なんだ・・・なんでだろう?まあ、セバスチャンだからいいか。他の三人にもコピペしてアメリア語をマスターさせる。
「えっと。冒険者ギルド・・・はないよねぇ~。帝国にもなかったし。そもそも冒険者なんて職業は・・・」
「その話。長くなりそうですか?」
ナタリアが脱線しそうな私を止める。いい仕事をするようになったな・・・
「日雇いギルドもないのですわね」
「この街には日雇いの仕事がないのでしょうか?」
「その辺の人に聞いてみるかな?あの、そこの綺麗なお姉さん。ちょっといいですか?」
「はい?え?あたしのこと?やだねぇ。お姉さんだなんて。それで、なんだい?」
「この街でモンスターの死体や宝石類を売るとしたら、どこのギルドが良いんでしょうか?」
「モンスター?なんだいそれは?狼の仲間かい?」
おっと、この大陸にはモンスターがいないのかな?それとも、この街の周辺にはいないのかな?まあ、あとで探索魔法を使って調べてみるか。
「う~ん。それでは、お仕事を紹介してくれるギルドはありますか?」
「仕事かい?それなら、そこの魔術師ギルドが請け負っているね。魔術師様は何でもできるから、困ったことはみんなあそこに相談するからね。いつの間にか炭鉱夫以外の仕事の紹介はあそこで請け負うようになったんだよ」
「なるほど、ありがとうございます。助かりました」
「いいえ。何か困ったことがあったら、いつでもおばちゃんに聞きな。この街のことなら大体は知っているからさ」
良いおばちゃんに声をかけたな。最初にお姉さんと言ったのが抜群の効果を生んだのかも知れないが。まあ、魔術師ギルドに行ってみますか。
魔術師ギルドに入ると、中は帝国での日雇いギルドのような状態だった。掲示板に採取と討伐の張り紙がされており、他の仕事はランクに応じての紹介制。受け付けも日雇いギルドとほぼ変わらないなぁ。魔術師ギルドらしいのは右奥にあるスキル石屋くらいだな。さて、とりあえずは登録かな?
「すみません。こちらで登録すれば宝石類や素材の買い取りをしてもらえるのでしょうか?」
「はい。そうです。この用紙に必要事項を記入して、犯罪歴がないか賞罰の水晶に手を置いてもらえばすぐにギルド証が発行されて、そのギルド証があればそちらの買い取りカウンターが使えるようになります」
犯罪歴か。たぶん大丈夫だよな?盗賊狩りと言っても、生け捕りにして奴隷商人に売り払っただけだし。ささっと記入して提出する。
「出身地がソヴェンテ帝国?どこの国だ?この大陸周辺にそんな国あったかな?」
ああ、思わず正直に書いてしまった。まあ、首をひねりながらも受理されたので、出身地がどうので拒否されることはないようだ。
「それでは、こちらの賞罰の水晶に手を置いてください」
水晶に手を置くと、水晶が光る。こちら側では特に何も見えないが、向こう側では何か表示されているのだろうか?
「はい。犯罪歴はなしですね。それではこちらがギルド証です。これが一枚あれば、そちらのお連れ様も仲間として有効ですので」
どうやら、ギルド証の発行は代表だけが持っていれば良いようだ。賞罰の確認も代表だけで良いのか・・・ゆるい気がするのだが大丈夫かね?まあいいか。とりあえず宝石類を買い取ってもらってこちらのお金を手に入れなくては。ついでに、採取と討伐の情報を脳に入れておくか。
さて、どこまで続けるべきか・・・それが問題だ・・・
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