第二十六話 ドワーフの国
ジプート王国王都を出て北へ向かう。次の国はドワーフの国。ドワーフ王国だ。大陸北は雪と山ばかりなのだが、鉱脈が多いのでドワーフが多く住みやすい。ドワーフと言えば髭を生やしたちっさいおっさんのイメージがあるのだが、こちらの世界のドワーフはどうやら、前の世界と似た感じで、見た目が少年少女のまま成人する感じのようだ。まあ、エルフと違って外見が全く変わらないわけではなく。童顔なだけである程度年齢が行くと老けているのがわかるようになるようだ。
エルフのフリースタイルとは違い、きちんと夫婦を持つのだが、第三夫人まで持つのが当たり前という一夫多妻制で、子供は妻ひとりに対して平均5人だそうな。結婚は産まれた瞬間に相手が決まっていて、成人する時に結婚式もかねて合同で行われるそうで、少子化どころかどんどん人口が増えていて、食糧問題がたびたび起こっているようだ。まあ、金属精錬や加工を中心とした工業が進んでいるため、それらの輸出で食糧を他国から買ってなんとかなっていると本に書いてあった。
蒸気機関車や自動車があるそうなので、空気汚染が若干心配だがちょっとだけ楽しみだ。日本にいた頃の技術に触れるのはかなり久しぶりになるし。
道中、エレルといちゃいちゃするだけのも何なので、常時タカの目や鑑定を発動したり、セバスチャンの作り出した亜空間でナタリアに剣術や体術を教えてもらったりしてスキルレベルを上げる事にいそしんだ。別にこれから何かしら起きると思っているわけではないのだが、上げておいて損することもないので、せっかく取ったスキルはある程度レベルを上げようと思っているだけだ。フラグかな?
何組かの盗賊やモンスターをサクッと轢きながらドワーフ王国の領内についた。この国は9割ドワーフで、奴隷制度はないようだ。犯罪者は滅多に出ないほど人柄の良い種族のようで、捕まるのはだいたいドワーフ以外の種族らしい。捕まった犯罪者は軒並み鉱山行きとなり、1年生きていれば奇跡と言われるような場所で働かされるらしい。
王都ワークについた。が、思っていたのと違った。工業が主産業と聞いていたのだが、空が澄んでいる。どうやら、電気や魔法を使った動力が使われており、工業でありがちな空気汚染がないようだ。蒸気機関車も石炭ではなく。魔力を燃料として蒸気を動力に変える機関だそうな。自動車に至っては、電気自動車である。まあ、一般用では無くて工業製品輸出用のトラックしか走っていないそうだが。一般では歩くか、電気自転車だそうだ。電気自転車も二輪ではなく四輪で、御者が運転する馬の居ない馬車と言った感じの見た目で、商人や貴族用と言われるほど高価な物だそうだ。自動車と言わないのはなぜなのだろう?制限スピードかな?
私たちの乗って来た馬車は王都入口で預けて、王城まではその電気自転車で移動することとなった。乗ってみて分かったのだが、御者が足で漕いでいた。電気モーターがついてはいるが、サポートで基本は御者が漕ぐそうだ。セバスチャンに漕がせたら、音速を超えるんだろうなぁ・・・という妄想をしながら、王城へとついた。
「・・・よくいらしたの。歓迎するぞ・・・」
謁見した王様がなんかガリガリで今にも逝ってしまいそうだ。とりあえず、今逝かれても困るので魔法で回復させてみる。
「おお!素晴らしいの!何か褒美を取らせねばな!そうじゃな。わしの側室たちでどうしゃ?」
丁重にお断りしたのだが、どうやら側室を持ち過ぎて瀕死になっていたようだ。まあ、毎日5人相手にして休みなしとか、そりゃあね?
「本当にいらんのか?皆美人揃いじゃぞ?正妻はさすがに残さないと後々問題があるから、34人どうじゃ?」
「王様。新婚の夫婦に向かって、側室をやるってどういうことでしょうか?」
あ、珍しくエレルが怒っていらっしゃる。ドワーフ王もさすがにヤバいと思ったのか慌てて冗談だったと土下座をしてきた。いや、王様。土下座はやり過ぎ。まあ、怒ったエレルが怖いのは確かだが。
とりあえず。側室はひとりずつ部下に与えるか、十分な生活費を保証して離宮を作るように進言しておいたら、「その手があったか」と喜んでいた。にしても、なんでそんなに大勢の側室を持つことになったのかと思ったら、ただのスケベ親父でした。王位継承した一年前に調子に乗ってハーレムを作ったらしい。よく一年も生きていたな・・・
その後、特にこれと言った問題は無く。食事会をして、お祝い返しの品とお土産の交換みたいなことをして、ドワーフ王国を去ろうと思ったのだが、工業が進んでいるだけあって、良い武具が売っているとのことで、買ってから帰ることにした。
最寄りの衛兵にオススメの武具屋を聞いて、私とナタリアとマーシャの武具を揃えた。ドワーフのイメージ通りミスリル製の武具があったので、性能と見た目で選んで購入した。女性用は露出多めにしなきゃね!まあ、露出と言ってもタイツ生地ほどの薄さのミスリルで覆われているんですけどね。え?セバスチャンとエレルの?セバスチャンは武具なんていらないし。エレルは戦えるようなスキル持ってないからなぁ。ああ、護身用に魔法各種のスキル石と杖を買っておくかな。
杖って、ある程度の呪文を記憶させることが出来て、詠唱短縮ができるようになる魔道具だと知ったのはその時でした・・・しかも、使っていくと詠唱短縮のスキルが身に付くって、もっと早く知りたかったよ!
そんなこんなで、貰った小遣いも使い果たしてしまったので、とっとと帝都に帰ることにした。もちろん私の転移魔法で馬車ごとである。
サクッと新婚旅行編を終わらせました。ちなみにプロットは尽きております(´・ω...:.;::..




