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いせてん!チースタ!  作者: 遊路
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第十七話 初めての討伐




 翌日、日雇いギルドに行き。討伐系の情報を魔法で記憶して、ゴブリンの森へ向かう。装備は魔法があるので、まだ大丈夫だろう。初のモンスターとの戦いではあるが、初心者向けの魔物とされているので問題ないだろう。


 森まで転移魔法を使っても良かったのだが、そんなに遠い距離でもないので、軽い準備運動のつもりで歩くことにした。


「ご主人様。改めまして、昨日は本当にありがとうございました。これでしばらくは安心してお仕えできそうです」


「気にしないで良いよ。行商でかなり儲けさせてもらったし。当面の目標もできたからねぇ~」


「目標ですか?」


「うん。錬金術のスキル石を買って、錬金術スキルを覚えたら、農作物の品種改良をしてソルベ村の食糧生産率をあげる。という目標がねぇ~」


「食糧生産率?何ですか?食糧生産まではわかるのですが・・・」


「率がわからない?簡単に言うと・・・なんだろう?パーセントとか、比率とかの話をしてもより分からなくなるよなぁ・・・」


 えーっと。平均生産量を100とした時の現在の状態を表した数字だっけ?いや、なんか違うような・・・


「あの・・・?」


「ようは、今よりもっと作物の生産量をあげていこうと思っています」


 初めからこう言えばよかったな。かしこぶって慣れない言葉を使うから、説明できない事態に陥るんだな。反省しよう。


「え?なんでそんなことを?まさか、私の為ですか?」


 ちょっと顔を赤らめているリナス。かわいいけど、肉体年齢的にちょっと年上過ぎるのよねぇ。というのは失礼なので心の中にしまっておいて。


「違うよ。単純に商売として儲かりそうだからねぇ。お金はあったほうが良いだろうし」


「儲かりそうですか?」


「そう。まあ、村の現状を知って、もう少し生活が豊かになってもいいんじゃないかなぁ。とは思うけどね。それだけじゃなくて、いま厳しい生活をしているからこそ、豊かな生活が約束されるのなら、多少の無茶も聞いてくれそうじゃない?」


「無茶?何をさせる気ですか?」


「いや。だから、さっきも言ったけど。品種改良をした作物を育ててもらって、それを優先的に私に卸してもらおうかなぁ~と」


「それのどこが無茶なんですか?」


「そうだねぇ。たぶん、豊かな村だったら、何の信頼性もない作物を育てて下さいと言われても、「はい。わかりました」なんて言わないでしょ?貧しいからこそ、出来る事があると思うのよねぇ~」


「貧しいからこそできる事ですか?」


「そう。だって、今以上生活が悪くなる事なんて、そうそうないじゃない?干ばつや大雨で作物がダメになるくらいかな?あとは、盗賊や魔物に襲われたりかな?」


「・・・」


「まあ、後者は貧しい村を襲うような事は無いと思うから、滅多にないだろうけど。底辺の生活をしているからこそ、上へあがろうとする力も強いと思ってねぇ~」


「なるほど・・・」


「つまり、品種改良した作物を育てることで安定した生産が出来て、私はそれを帝都や街に売りに行って利益を上げて、みんなの生活が向上するってことだよ」


「よくわかりませんが・・・ありがとうございます」


 よくわからなかったんだ。でも、なんか村にとってはいいことそうだから頭を下げると。リナスも村の事、悩んでいたのかねぇ。学校に通えるような環境じゃなかったから、どうしたら村を良くできるかなんて、考える暇・・・というか余裕かな?それもない人生を送って来たのかもなぁ。


 まあ、そんな話をしていたら、あっという間にゴブリンの森に着いた。その名の通り、この森にはゴブリンが多く生息している。図書館で調べた限り、ゴブリンとは子鬼のことで人型の魔物だが、魔人ではないそうだ。ただ、人族との繁殖ができるらしく。ときどき、人を攫って繁殖するらしい。てっきり、オスが人族の女性に同人誌が厚くなるような事をするのかと思ったのだが、この世界のゴブリンにはオスがいない。つまり、人族の男性が攫われて、死ぬまで絞られるらしい。こっちも厚くなりそうだが、ゴブリンの見た目は人族の老婆に近いそうなので、かなりの熟女好き以外は最悪な最後を迎えてしまうということだ。なんて恐ろしい!


 探索魔法で魔物を探せるかな?一体見つけてからじゃないと難しいかな?試しに探索魔法を使ってみる。


 なんか、他の生物も表示されてしまい、どれがゴブリンなのかさっぱりだ。やはり、一体は自力で見つける必要があるらしい。あんまり大きな音を立てて、集団で来られても困るので、なるべくゆっくりと森の中を移動することにした。


 10分ほど、森の奥に入ると何かの鳴き声が聞こえてきた。リナスに合図をして伏せてもらい、私は魔法で木の上に移動して、望遠魔法で鳴き声のほうを見てみた。リナスのタカの目で見てもらってもいいのだが、木登りをするには大変そうなので、私がやったほうが早いとの判断だ。


「ギャギャ。ギャギュギュ?」


「ギャッギャッ!ギャギュ!」


 何を言っているのかはさっぱりだが、2匹のゴブリンを発見した。人族の老婆に近いということだったが、老婆に短い一本角を生やして、爪を長くした感じだな。手足は筋張って細く、髪はぼさぼさの長髪で、牙がみえる。猫背なのか、曲がった腰が普通なのか、その姿勢も老婆めいているな。こんなのに死ぬまで絞られるって、地獄だな・・・。まあ、弱いので滅多に人族の男性が攫われるという事態にはならないが、時々薬草を取りに来た老人が攫われるらしく、ゴブリンが雌だけなのにいまだに繁殖し続けている理由だそうだ。あと、かなりの熟女好きがふらふらと森に入っていくなんてこともあるらしい・・・


 さて、どうしたものか。ああ、今なら探索魔法でゴブリンを調べられるかな?さっそく試してみる。


 おお。さっきとは違って、ある程度の数が表示される。表示されることについて詳しく言うと、目の前に森の地図が表示されて、そこに探索対象が小さい光の点で表示されるのだ。森の中心部にいくつか光が固まっている。恐らくそこがゴブリンの集落なのだろう。ここからはだいぶ離れているので、ここで大きい音を出したら、大量のゴブリンに襲われるということもないだろう。近くにもいないようだ。この2匹は食料採集にでも来たのか、手には野鼠がいくつかぶら下がっている。


 観察も済んだので、魔法でさくっとゴブリンを倒して、討伐部位である左耳をナイフで・・・って、ナイフ持って来てないな。しょうがないので風魔法で切断する。早めに最低限の装備揃えないとな・・・


 リナスのところに戻ると、なんか青い顔をしている。どうしたのだろう?


「そ、それで、いつゴブリンに攻撃をしかけるんですか?」


 もう終わったのだが、見ていなかったようだ。まあ、リナスは戦闘経験なんてないだろうし、狩りについて行ったというのも子供の頃に父親と魔物なんて出てこない浅い森だったのだろう。武器も持たない状態で魔物の近くにいるというだけで、恐怖を感じていたのかも知れない。なんか、悪いことをしたな。


「もう終わったよ。討伐部位も取って、残りは埋めておいた」


「え?終わった?あっ・・・」


 リナスがへたり込む。腰が抜けたのだろうか?あ、なんか水たまりが・・・


「す、すみません。ほっとしたら・・・」


 いい大人がおもらし。厚くなるかな?いやいや、そんなことを考えてないで、洗浄と乾燥の魔法をかけてあげる。


「今日のところは、リナスは戦闘に参加しなくても大丈夫だから。まだ装備も整えてないからね。今日は様子見をしにきたようなものだから」


「ご、ご主人様は戦闘経験があるんですか?やけに落ち着いていらっしゃいますけど・・・」


 まあ、日本にいる時は無かったが、前世では戦争に参加した経験があるからねぇ。そのことを言うことはできないので適当にごまかさないとな。


「記憶がないから、魔物の怖さがわからないのと、魔法があるからねぇ~」


「あっという間に魔物を倒せるって、ご主人様はいったい何者なんですか?」


「なんだろうね?ただの魔法が得意な青年?」


「魔力量が多すぎる気がします。さっきから、全然疲れている気配もないですし」


「ん?魔法を使うと疲れるものなの?」


「はい。普通は2、3回も魔法を使えば、休憩が必要になるくらい疲れるものだそうです」


「へ、へえぇ~。そうなんだ・・・」


 あれ?一般常識の本にはそんなこと書かれていなかったような・・・。もしかして、当たり前すぎて書かれてなかったのかな?早めに魔法系スキルを覚えて違和感のないようにしないとな・・・


 とりあえず。リナスが失禁してしまったことだし、結界魔法を張ってその場で待機してもらい。ひとりでサクッと100匹ほどゴブリンを討伐した。魔法って便利だよねぇ~。




気付いた方がいるかも知れませんが、かっこ閉じ前の句読点を前話から外すことにしました。文章的には句読点があっても良いそうなのですが、印刷関係の昔の習慣?から無い方が好ましいようです。活版印刷時代には、ハンコのようなものを並べて印刷していたそうで、その時に句読点一個でもあるとないとでは苦労が違ったからということなのですが、どうなんですかねぇ?

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