第一話 二度目の異世界転生
プロットはまだ書いてないですけど、とりあえずスタートさせてみました。
もともとは日本人だった。名前も覚えていないし、どうやって死んだのかも分らないが、気が付いたら真っ暗な闇の中にいて何もできないまま漂っていた。だが、ある日誰かに呼ばれるようにしてとある世界に赤ん坊として生まれ、人生をもう一度初めから生きることとなった。統一帝国と呼ばれる国でユーロという名前を付けられて育った私は、祖母の勧めで軍に入隊し、古代遺跡で発見された少女エイムと結婚し、子供をたくさん作って、孫が生まれて、天寿をまっとうしたはずだった。
そして、気が付くと今度は真っ白い部屋に座っていて、目の前にはチャラそうな白い羽の生えた男の子がいた。天使アリエルというそうだ。なんでも、神様に使える者で、次の転生についての説明をしてくれるそうな。
次の世界は女神が作った新しい世界で、人類が誕生して500年そこらだそうだ。文明レベルは剣と魔法と戦争と。という感じで、まあまあ発展しているらしい。詳しくは現地で確かめてね。とのことだ。全部説明すると一年くらいかかると言われたので、重要なことだけまとめて説明してもらうこととした。
始めに次の世界はエデンと呼ばれる太陽系に似た星系の第四惑星で天球と呼ばれる予定の場所だそうだ。なぜ予定かというと、まだ惑星というものが認識されていないそうだ。大地は平たく、亀の上に乗っていて、太陽や星や月が大地の周りを回っているとかいうやつだ。わりと同でも良いので、飛ばしてもらうことにした。
次の説明してもらったのは種族。人間以外にも色々いるそうだ。動物と人間を足して二で割ったような獣人族をはじめとして、エルフやドワーフなんかもいて、ついでに魔人と呼ばれる種族もいるそうな。「魔王もいるよ!やったね!」と言われたが、喜ぶ意味がわからない。「私は戦わないぞ?」と言ったら、「ワンパンで行けるから大丈夫大丈夫。」と言われた。意味がわからない。まあ、その辺も実際に行ってからのお楽しみにしたほうが良さそうなので、飛ばしてもらった。
三番目の説明は魔法について。この部屋でもお試しで使えるのでやってみようか。と言われて、天使アリエルの言う言葉を繰り返して言ってみた。
「光よ。この部屋を照らせ!」
すると、白い部屋がさらに真っ白になるほどの光に包まれた。まぶしいので慌てて解除する。
「光よ。この部屋を照らすのを止めよ!」
部屋は元の明るさに戻る。最初の説明でだいたいわかった。まず何かしらの物体や気体などの名称を言って、それをどうしたいか叫べばいいらしい。もちろん、魔力が無いとただの中二病である。この部屋と次の世界には前の世界と同じように魔力が存在するそうだ。前の世界ではその正体はわらなかったが、世界樹が光合成する時に吐き出す魔素という元素が魔力の基だそうな。空気中に魔素が存在する限り、何もしなくても体に取り込まれて蓄積されるとのこと。スキルによっては、回復量を増幅させたり、必要魔力量を減らせたりできるそうだ。
四番目の説明はスキル。次の世界ではスキルというものがあり、それを習得してレベルをあげれば、知識や技術がスキルレベル次第で色々できちゃうそうだ。ざっくりとした説明で終りやがった。まあ、だいたいふたつ前の世界でのゲームと同じらしい。つか、どのゲームだよ!ポイント制?経験制?ああ、経験制ね。とりあえずスキルを使っていればレベルがあがると。さらにはレベルが上がればスキルレベルも上がりやすくなると。うん。良く分からん。え?現地で覚えろ?了解。
五番目の説明は魔物がいるよ!だけだった。へぇ~そうなんだぁ。って、詳しく説明しろよ!!え?面倒?動物が狂暴化して目が赤いのが特徴とだけ教えてもらった。
六番目の説明に入るかと思ったら、「もうそろそろ行かない?」とか言われた。どうやら、説明するのに飽きたらしい。
しょうがない。まあ、あれこれ説明されても覚えていられるかわからんし。転生ということは誰かの子供として生まれ変わるわけだから、きっとゆっくり慣れる時間があるだろう。そう思って、転生することとした。
「じゃあ。最後に今回の転生の目的を言っておくね。」
「それって初めに言うものじゃない?」
「はいはい。そうですね。じゃあ、目的は世界をぶっ壊しても良いから好きに暴れろ!です。」
「はい?」
「だからぁ~。次の世界は女神様が耐久度テストしたいって言うから、ぶち壊しちゃっても良いから好きに遊んでもらえってさ。あ、ちなみにだけど。天寿を全うする以外死ねません。寿命は1000年くらいだったかな?まあ、頑張ってねぇ~!」
「え?おい!1000年って長過ぎ・・・」
私の抗議を無視して、天使アリエルは私に手をかざした。その瞬間、私の意識は飛んで暗闇に包まれた。
目が覚めると、股をおっぴろげた少女がこちらを見て手を差し伸べながら何かをつぶやいていた。注意して聞いてみると。
「私の・・・かわいい・・・赤ちゃん・・・」
と言っていた。え?こんな少女が私の新しいお母さん?どう見ても十五歳前後じゃね?あ、でも、あそこから何か出ていて、それを目でたどると私のへそに繋がっている。へその緒?今産まれたばかりなのは確かなようだが、何かがおかしい。
「おおー!破壊神様の降臨に成功したぞぉぉぉぉ!!」
突然、少し離れたところから大声がした。そちらを見てみると、目線の少し下のほうに誰かいる。暗いので良く見えないが、目を凝らしてみるとなんだかいっぱい人が集まっている。ん?あれ?ここって祭壇ってやつじゃね?
「ここどこ?」
思わず声に出してみたら、普通に喋れる。あれ?赤ん坊からのスタートじゃあ・・・って、何これ?手をみたら大きいんですけど!自分の体を触って確かめてみても、明らかに産まれたばかりの赤ん坊のサイズではない。なんだかわからないが、すでに大人になっているようだ。自分の股間を見て確信した。でも、へその緒ついているんだけど。どういうこと?このサイズで少女から生まれたわけないよね?
「あの~。どういうことですかね?」
なんとなく、下のほうの人たちに大きい声で尋ねにくかったので、側にいた少女に小声で訊いてみる。
「私の・・・あかちゃん・・・」
あ。なんか目が逝ってらっしゃる。これは話しかけてもダメそうだな。えっと、こういう場合はどうすればいいんだろう?丸裸の状態で同じく丸裸な少女と並んで祭壇にいるというこの状況。絶対何かおかしいよね?
周りを見渡してみても、なんか下の人たちは土下座して喜んでいたり、泣いていたりするので頼り辛い。よし!しょうがない。自力で何とかするか。
「風よ。へその緒を断て!」
とりあえず魔法でへその緒を切る。そして、次にやる事は・・・。
「草よ。わが身を包む衣となれ!」
近くに草が生えているかわからなかったけど、とりあえずボロそうな場所なので、草くらい生えているだろうと思い、その草で着るものを魔法で作ろうと思って唱えてみたら、上手い事いったようだ。緑色のローブのようなものが出来上がり、私の体を包んだ。
「草よ。彼の者の身を包む衣となれ!」
魔法が上手くいったので、ついでに隣の少女にも着るものを作ってあげる。あと、正気に戻さないとなぁ。目が逝っちゃっているし。え~と。こうかな?
「精神よ。正常な状態に戻れ!」
そう唱えると、少女の目が正気に戻って周りをきょろきょろ見回した後に叫んだ。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
あれ?もしかして、望まない感じの状態なのかな?まあ、どういった経緯でこの場所にいるのかはわからないけど、さっきの状態からすると、本人の意思でここにいるわけじゃないだろうね。しょうがないので、とっとと彼女を安全な場所に移してあげることにした。
「空間よ。彼の者をあるべき場所に運べ!」
なんとなくこれでイケるんじゃね?という感覚だけで魔法を唱えたが、上手くいったようで少女の姿は丸い球体のような物が包んだと思ったら、小さくなって消えた。
何が起きたのかわからない状態で自分の家に戻ったかも知れないけれど、知らないほうがたぶん幸せだろう。さてと。これからどうしましょ?なんか、下の人たちは私の魔法をみてさらに平伏している。さっき、破壊神様とか言っていたと思うんだけど。私のことなのかな?
プロット作成の為に時々間が空くかもしれません。あらかじめご了承ください。