プロローグ
はじめまして!れもんです。初めての執筆、初めての投稿、初めての作品…。ということで、初めてだらけでまだまだ未熟な点が多いかとは思いますが、最後まで読んで頂けたなら幸いです。気が向いたときに執筆しようと思っているので、次回作までどれくらいかかるかわかりませんが…(笑)マイペースに頑張りたいと思っています。どうぞ宜しくお願い致します。
感想、アドバイス等あれば、そちらも是非よろしくお願いします。
暗黒の闇が広がっていた。月の淡い光だけが、微かに揺れている。周囲には黒々とした幹をもつ木々が、この闇の中でさえもその威厳を示すかのようにそびえ立っている。冷えきった大地、乾いた大気、そして刺すように吹き付ける風。ここにあるのはそれだけだ。他には何もない。動物達の息の音や、虫達の鳴き声さえも聞こえない。音のない世界。
そんな闇夜の中に、一人の少女が立っていた。ゆらゆらと揺れ動く水面に黄金色の月影を浮かべた小さな美しい湖を前にして、風の吹くままに銀色の髪をなびかせ、真っ黒な服とは対照的な、真っ白な細い手を胸に当てながら、立っているのだ。少女はしばらく無言で目を閉じていた。しかし、何やらぶつぶつと呟いたかと思うと、それからゆっくりと瞼を上げ始めた。すると、月明かりに煌めく銀色の髪と長いまつ毛の間から、深い海のような、なんとも美しい色をした瞳が覗いた。そして少女が目を開ききったその時、彼女の手から溢れんばかりの青い光が放たれ始めた。その光は少女を、湖を、森を突き抜け、そして包み込んだ。静寂の中で静かに、しかし勢いよく光は駆け抜け、まるで地上の花火かのように一瞬にして消え去ってしまった。その光景を見た者がいたならば、きっと息をするのも忘れてしまったであろう。いや、実際、そうなのである。そう、この光景を見ていた少年が一人、いたのであった―。




