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食事
ご飯は、宇宙に出ていても、レストランと変わらないほどのクオリティーがあった。
「昔々、人類が宇宙に出たばかりの頃には、ペースト状のものしかないっていう時代があったらしい。今じゃ、金さえあればどんな高級食材も食べれるからな」
鰆たちが食べていたのは、宇宙船で作った食べ物だった。今の時代、一般的である三次元食料製造器のおかげである。別名、3Dご飯。あらかじめ材料を一定量セットしておくことで、メニューの名前を伝えると1分ほどで作ってくれる優れものだ。さらにメニューは、すでに材料の配合量をインプットしているため、ボタンを押すだけで作ってくれるのだ。ちなみに、汁物はジュレのような、かなり強めのとろみが付けられており、無重力状態であっても水などのように浮いてしまうという心配はない。




