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曳航漁の短所
鰆は、残念そうな顔をしつつも、作業を止めようとはしない。
「でもな、この曳航漁は、とても残念な点もあるんだ」
「残念な点?」
ジェニーが不思議そうな顔をしながら鰆に尋ねる。わずかな振動が、ジェニーが掴んでいる手すりから感じられる。まだ重力装置を復帰させていないため、何もしないとふわふわと浮かんでしまうのだ。鰆は、シートベルトを着けたうえで、操作を行っていた。
「実は、これ一つでだいたい貨物量をオーバーするから、この後は資源回収所へと持って帰る必要があるんだ」
そう言いながらも、鰆はあるスイッチを押した。




