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アケルナル
アケルナルは、40歳とは思えない雰囲気であった。見た目は20代、それも前半で大学生と言っても、まだ通用しそうな風貌をしている。しかしながら、それのおかげで、居酒屋などで飲酒する際に年齢証明をする必要があるとか、不便ではあるらしい。そして、鰆と並ぶと、先輩と後輩が逆転してしまうという点も問題だった。もっとも、二人は気にしていないが。
さて、アケルナルに、ジェニーを預かっていて、発掘の手伝いをしてもらっているということを、鰆が伝えた。アケルナルは、そうかとだけ言って、ジェニーの頭をなでる。
「こいつなら信頼できるから、大丈夫だ。発掘作業は楽しいか?」
「うんっ」
ジェニーは、心からの笑顔と声で、その気持ちを表現していた。それを見て、アケルナルは安心したようだ。
「それじゃ、これからも頼むぞ」
「分かってるさ」
俺はアケルナルにちゃんと伝え、そして補給を済ませるまで、雑談をするために近くの椅子を引いてきた。




