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エピローグ

本日、4話まとめて更新しています(こちらが最終話です)。ご注意ください。

「泰吉先輩!」

「コーチ!」

 試合後の挨拶を終えたあと。

 いつもの胴上げをしようとチームのみんなが集まり、泰吉先輩の姿を探しはじめた。


「ちょっと先輩、なに隠れてるんですか?」

「シッ! バカ、やめろって!」

「ほら、こそこそしない!」

 意外とシャイな泰吉先輩をみんなの前に押し出すと、先輩があっという間に中央へと送られていく。

「我らのコーチに、感謝をこめて!!」

 章吾先輩の声を合図に、小柄な泰吉先輩が高々と空を舞った。


「酒ばっか飲んでんじゃねーぞ!」

「次こそ卒業しろよ!」

 どさくさに紛れて叫んだのは、応援に来たOBか、現役部員の誰かなのか。

「あんまり後輩をパシってんじゃねぇーぞー」

 男のふりして叫んでみる。

 空飛ぶ泰吉先輩とばっちり目があい、慌てて頭を引っ込めた。


 章吾先輩、司先輩と次々に4年の先輩たちが胴上げされていく。

 だれもがみな最高の笑顔。その姿を少し離れたところから眺めながら、あらためて優勝の喜びをかみしめていた。


 本当に良かった。こんな最高の終わり方で送り出すことができて。

 先輩たちがいなくなっちゃうのはすごく寂しいけれど、思い残すことはきっと何もないよね。


 最後の四年生が胴上げされる。

 もうこれで終わりかな? さぁ、さっさと片付けて、みんなで楽しく飲みに行こう。

 今日ぐらいはちょっぴり酔っぱらったって許されるよね。

 そういえば、司先輩が引退した後って、私はずっとお酒禁止なんだろうか……?


 そんなことを考えながらベンチへ向かおうとした、ちょうどその時。

「「「香奈!!」」」

 複数の声に名前を呼ばれ、慌てて振り向いた。


「おいコラ、まだ終わってねぇぞ!」

 章吾先輩が笑顔で声を張り上げる。

「次はお前だ! さっさとこい、ブース!」

 泰吉先輩が、やたらとブスを強調する。

「香奈先輩!」

「香奈ちゃん!」

「香奈!」


 ど、どうしよう! 四年生じゃないのに、また私まで胴上げされちゃっていいの!?

 うろたえながら目を向けた先にあったのは――大好きな人の、晴れやかな笑顔。

「早く来い! 香奈!」

 司先輩の声に、迷いなんて一瞬で吹き飛んだ。


 持っていた荷物をすべて放り出し、みんなが開けてくれた中央への道を全力で走り出す。

「うおっ、マジか!」

「あぶねっ!」

「このバカッ!」

 みんなが慌てて手を差し出してくれる。

 その真ん中へ、両手を広げて思いっきりダイブした。



僕らアメフト同好会をお読みくださった皆様、本当にありがとうございました。

香奈と司、そして仲間たちのドタバタ青春ラブコメディ、楽しんでいただけましたでしょうか。


この話はもちろんフィクションで、実在のチーム、選手などとは一切関係ありません。

アメフトに関してはルールブック等で少ない知識を補いつつ書いたつもりですが、おかしな点も多々あるかもしれません。もし何かあれば、優しくご指導いただけたら助かります。

文章の書き方についても勉強中なので、アドバイスなどいただけたら嬉しいです。


今後は引き続き番外編を何本か掲載させていただく予定です。

もしよろしければ、このままもうしばらくお付き合いくださいね。


最後に。この数か月間、「僕らアメフト同好会」を通じて感想欄やブログでたくさんの読者様にお声をかけていただき、とても幸せな時間を過ごすことができました。

心から感謝しています。ありがとうございました。


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