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ミニミニアメフト講座

ちょっと一休みして、アメフトのお話です。

後程、また本編も更新する予定です。

 ここまで「僕らアメフト同好会」をお読みいただいた皆様、本当にありがとうございます。

 このお話は、日本人にはあまりなじみのない「アメリカン・フットボール」の同好会が舞台となっています。

 皆さんはアメフトのことをご存知ですか? アメリカとは違い、日本ではほとんど知らないという方も多いですよね。

 実は私も、あまりよく知りません(笑)。ほんのちょっぴりかじっただけ。でもあの男らしいスポーツが大好きです。


 今回、こうして皆様とお会いできたのも何かの縁ですし、できれば皆様にも少しだけアメフトを知ってもらい、このお話をより楽しんでいただけたら嬉しいなと思ったのですが、いかがでしょうか。

 もっとも私自身が素人なので、作品中にあまり高度なアメフトの知識は出てきません。

 恋愛メインのお話なので、たまに試合や練習のシーンがでてくるだけです。

 ここで説明することも、細かいことはすべて抜きにして、アメフトの大まかなイメージを得られる程度の内容だけに止めてあります。それ以上は私も自信がないですし……。

 面倒だなという方は次話へジャンプ、読んでもいいよという方はほんの少しだけお付き合いください。


 それでは、早速いってみましょう!



【1、どんなスポーツ?】


 まず、アメフトとは……頭脳とパワーで勝負する、陣取り合戦のようなスポーツです。

 試合をするときのフィールドは、縦が約49m、横が約91mの長方形。

 どれだけ進んだか分かるよう5ヤード(約4.5m)ごとに線が引かれていて、フィールドの両端にあるのがエンドゾーンという得点が入るエリア。

 そしてそのさらに一番端のライン(エンドライン)上にゴールポストが立っています。


 一度にフィールドに入ってプレーする人数は、11人対11人。

 アメフトは野球のような攻守交代制のスポーツで、1つのチームの中に、オフェンス(攻撃担当)チームと、ディフェンス(守備担当)チームが存在しています。

 人数の少ないクラブだとその両方を一人の選手が兼任することになりますが、基本的にはオフェンスかディフェンス、どちらか一つを担当することが多いようです。


 試合中、フィールドに入ってプレーする人数は11人対11人ですので、自分たちに攻撃権がある場合、フィールド上には味方オフェンスが11人、敵ディフェンスが11人出て戦うということになります。


 オフェンス11人で協力して、ボールを持って敵陣エンドゾーンに走りこむか、エンドゾーンの中でパスをキャッチすればタッチダウン(6点ゲット)。

 エンドゾーンまでたどり着けそうにないときは、ゴールポストの2本の棒の間にボールを蹴り入れてもいいです。これをフィールドゴールといいます(3点ゲット)。


 他にも得点獲得方法はあるんですが、ややこしくなるので一旦置いておきますね。



 先ほど、一つのチームの中に、オフェンス担当チームとディフェンス担当チームがある、と言いました。

 実はその二つの他にも、スペシャルチームと言って、試合開始時のキックオフ、パント、フィールドゴールなどの時にだけ出てくる専門職チームも通常編成されてはいるのですが、この物語の中のBLACK CATSは人数不足なので、オフェンス、ディフェンスの選手たちがこのスペシャルチームを兼任しています。



【2、ゲームの流れ】


 まずは試合開始前のセレモニーでコイントスを行い、陣地をとるか、レシーブ(先攻)をとるかを選びます。

 陣地をとったほうのチームがボールを蹴り、レシーブ側はそれをキャッチして敵陣目指して走ります(リターン)。ボールを持つリターナーがタックルで倒された地点から、レシーブ側が最初の攻撃を開始します。



【3、攻撃の流れ】


 オフェンスには4回の攻撃権(4ダウン)が与えられます。

 ファーストダウン、セカンドダウン、サードダウン、そしてフォースダウンと呼ばれるのですが、この4回の攻撃の間にボールを10ヤード(約9m)以上進められれば、もう一度新しい4回の攻撃権が与えられます。(ファーストダウン獲得)

 それを繰り返して徐々に陣地を獲得していき、最初に言ったようなタッチダウンやフィールドゴールで得点を狙います。


 もしもフォースダウンまでに10ヤード進めなかったときには、その地点で攻守が交代。

 両チームともそれぞれオフェンスチームとディフェンスチームが入れ替わります。

 また攻撃中、相手ディフェンスにボールを奪われてしまった時にも、その地点で攻守交代となります。



 【4、攻撃方法】


 次に、具体的な攻撃方法を見てみましょう。

 さぁ、いよいよファーストダウンの攻撃が始まるぞ、となった場合。

 オフェンスチームは「ハドル!(作戦会議)」のかけ声で集合し、敵に聞かれないように顔を寄せ合います。

 そこでオフェンスの司令塔であるQB(クオーターバック)が、数ある作戦(攻撃パターン)の中から今の状況に一番あったものを瞬時に選び、味方に指示を出します。

(コーチからの指示が出ているときは、それに従います)


 攻撃方法は大まかに言って、パス攻撃と、ラン攻撃があります。

 パス攻撃とは、QB(クォーターバック)が、遠くまたは近くに走りこんだWR(レシーバー)などにボールをパスして前に進める攻撃。

 ラン攻撃とは、同じくQB(クォーターバック)が、RB(ランニングバック)などにボールを渡して走らせる攻撃です。


 アメフトでは敵チームを事前によく研究し、あらゆる状況に備えて沢山の作戦を用意してあります。 メンバーの一人でも間違った動きをすればそのプレーは失敗に終わることが多いので、全員が完璧に暗記して試合に臨みます。

 各作戦では、どんな隊形(フォーメーション)を組むのか、パス攻撃かラン攻撃か、パスなら誰がどの位置で受け取るか、ランなら誰がボールを持ってどこを走り抜けるかなどがあらかじめ細かく決められているようです。

 もちろん、その場の状況に応じて臨機応変に対応していくことにはなりますが。


 オフェンスメンバーは、ハドルで集合したときにQB(クォーターバック)からその作戦名を聞き、すぐに自分の配置場所に移動します。

 そしてQB(クオーターバック)の「ハットハット」の掛け声で攻撃開始。

 作戦を忠実に実行して、ボールを奪いに来るディフェンスをかわしつつ、少しでもボールを前に進めようとします。

 ディフェンス側(敵チーム)も、事前に過去の試合などを見て研究してきた成果を活かし、それを全力で阻止して攻撃権を奪おうとします。



【5、試合時間】


 アメフトの試合時間は、前半後半あわせて48分です。(大学の公式戦の場合)

 第1クォーター12分  

 第2クォーター12分

 ハーフタイム(休憩)15分

 第3クォーター12分

 第4クォーター12分

 となっています。結構短そうに感じますが、アメフトはしょっちゅう時間が止められるので、実際の試合時間は2~3時間ほどかかります。


 とってもハードなスポーツですね。暑苦しくて重たい防具をつけて取っ組み合いし、長時間走り回るのですから。

 ただ、アメフトでは何度でも自由に選手交代をすることが認められているので、ちょこちょこ選手が入れ替わります。人数の多いチームのほうが体力的に有利になりますね。


 ちなみに、時間が止まるのはどんなときかと言うと……

 ・怪我人が出たとき

 ・ファーストダウンを獲得したとき

 ・得点したとき

 ・パスが失敗したとき

 ・ボールがサイドラインから出たとき

 ・反則したとき

 ・攻守が交代するとき

 ・タイムアウトを取ったとき

 などなどです。止まりまくりです。



【6、ポジション説明 オフェンス部門】


1、QB(クオーターバック)


 いわゆる司令塔です。

 次の攻撃の指示を出し、自らボールを持って走るときもあれば、遠くにいる選手にパスをなげたりもします。

 投げるのも、走るのも、瞬時に冷静な判断を下すのも得意な人が向いています。


2、RB(ランニングバック)


 直接得点に絡む花形ポジション。

 QBから渡されたボールを抱え、エンドゾーン目指して突っ走る人です。

 アメフトではラグビーと違い、オフェンスラインの人を中心に味方のメンバーが盾となり、あらかじめ作戦で決められていた場所に通り道を作ってくれます。

 上手くそこをすり抜け、追いすがる敵ディフェンスを振り切ることができれば、エンドゾーンに駆け込んでタッチダウン!

 ディフェンスを弾き飛ばして走れるガッシリ系もいますが、ディフェンスの僅かな隙をついて走れる足が速くて身軽な人の方が多いかなと思います。


          

3、WR(ワイドレシーバー)


 ランニングバックと同じく、直接得点に絡む花形ポジション。

 QBからのパスをキャッチするのが主な役割の人たちです。

 アメフトにはパス攻撃とラン攻撃がある、とさっき言いましたが、ラン攻撃がわりと短い距離を稼ぐことが多いのに比べ、パス攻撃ではQB(クオーターバック)からのロングパスを一本キャッチするだけでぐっと前に進むことができます。

 ボールをキャッチしたあと、ディフェンスに倒されずにエンドゾーンへ駆け込むことができればタッチダウン(6点獲得)。

 もし直接エンドゾーンの中でパスキャッチすれば、それがそのままタッチダウンとして認められます。


 なお、敵ディフェンスチームは、パスをカットしようとレシーバの前に出てボールを奪おうとします(インターセプト)。もし奪われてしまえばそこで攻守が交代してしまうので、レシーバーの責任は重大です。

 ポジション的に、ディフェンスのマークを振り切れる俊足の人で、キャッチに競り勝てる長身の人が向いているのかなと思います。


4、OL(オフェンスライン)


 攻撃時、最前線に立ってディフェンスチームと衝突する人たちです。

 ボールに触らないので地味な役割のように思えますが、味方の攻撃が上手くいくかどうかのほとんどが、このオフェンスラインの人たちの頑張りによって決まってくるようです。


 敵チームのディフェンス陣は、ボールを持っている人めがけて一斉に突っ込んできます。

 それを最前列でぐっと押さえ込み、後ろにいるQB(クォーターバック)、WR(レシーバー)、RB(ランニングバック)を守らなければなりません。

 ラン攻撃の時は、ランニングバックのために通り道を作ります。

 パス攻撃の時は、WR(レシーバー)がパスを受け取る地点に向かいQB(クォーターバック)がボールを投げられるようになるまでの暫くの間、オフェンスラインを中心にひたすらQBの前で敵を押しとどめて時間稼ぎをしなくてはいけません。


 体格的には、これぞアメフト選手というようなゴツイ人が向いているかと思います。

 男のなかの男、といった感じで最高にカッコいいです。


5、TE(タイトエンド)


 簡単に言うと、オフェンスラインとレシーバー両方を組み合わせたような役割のポジションで、オフェンスラインのすぐ外側に位置しています。

 自らパスをキャッチすることもあれば、ラインのみんなと一緒に敵をブロックする時もあります。

 ちなみに、オフェンスのポジションでは唯一、このお話の中に出てきません(笑)



 さてさて、つぎはディフェンスチームの説明ですよ。

 話に出てくるのは最初のDLぐらいなので、さらりといきます。あとちょっとだけ頑張ってくださいね。



【7、ポジション説明 ディフェンス部門】


1、DL(ディフェンスライン)


 プレー開始時、ディフェンスの最前列にセットし、目の前のオフェンスラインをやっつけてボールを持っている人へと突っ込んでいきます。

 パスを投げようとしている相手オフェンスのQBを倒した時などには、ボールの位置を大きく後退させることができるので、会場がどっと盛り上がります(QBサック)。

 オフェンスライン同様、いかにもアメフト選手という感じのゴツイ人が多いです。


2、LB(ラインバッカー)


 ディフェンスの2列目あたりに位置する、ディフェンスの司令塔的な存在です。

 冷静に相手オフェンスの攻撃を読んで味方ディフェンスに指示を出したり、DL(ディフェンスライン)が開けた穴を通ってQBやRBをつぶしに行ったりします。


3、DB(ディフェンスバック)


 ディフェンスの最後尾にいる、最後の砦です。

 ランを差し止めるのはもちろん、パス攻撃をしっかり防ぐ役割を担います。


 うまくレシーバーの前に飛び出しパスをキャッチ(インターセプト)できれば、そこで攻守交代になるので、会場に「おぉーっ」という歓声が上がります。

 インターセプトした時点で攻守が交代しているので、そのボールを抱えたまま攻撃に出ることもできます。誰にも止められることなく敵陣のエンドゾーンに駆け込みタッチダウンを決めることができれば、インターセプトタッチダウンを果たした者として一躍ヒーローに。会場も大興奮です。


 レシーバーをマークする機敏さ、足の速さ、パスキャッチに競り勝つ高さが要求されるので、細めで長身の人が向いているのかもしれません。



【8、得点方法】


 最初にさらりと説明しましたが、アメフトの得点獲得方法を最後にもう一度確認しておきます。


1、タッチダウン(6点)


 相手のエンドゾーン内にボールを持ち込むか、その中でパスをキャッチすればいいです。


2、トライフォーポイント(1点か2点)


 タッチダウン後、ゴールラインの3ヤード手前から一度だけ攻撃ができます。追加点のチャンスです。

 キックしてボールがうまくゴールポストの間を通過すれば1点追加。

 ランかパス攻撃を選択して、それが成功すれば2点追加。

 大体、確実さを求めてキックで1点を狙うことが多いように思いますが、試合時間が残り少なくて僅かな点差で負けている場合などは2点を狙います。


3、フィールドゴール(3点)


 攻撃中に相手のエンドゾーンにあるゴールポストめがけてボールを蹴り、成功すれば3点が入ります。


4、セーフティ(2点)


 攻撃中、自陣のゴールゾーン内でタックルされてプレーが終了してしまった場合、相手に2点が入ります。

 めったにないことなので、覚える必要はないと思います。



 以上で説明は終わりです! 

 長い説明にお付き合いいただきまして、本当にありがとうございました。

 なんとなく、ぼやんとしたアメフトのイメージを持ってもらうことができましたでしょうか。


 では、本編の続きに戻りましょう!

 



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