第2.5話「崩れた道と、ふたりの記憶」
〈ノア・シェル〉の廃墟を後にしたユウとリナは、次なる目的地〈シェル・ポイント〉へ向かっていた。
道中、かつて都市だった場所は、腐敗した空気と崩れた建造物に覆われていた。
「ここ…昔は商業区だったんだよね」 リナが瓦礫の中から、錆びた看板を拾い上げる。
「“未来を運ぶ物流都市”って書いてある。皮肉だね」
ユウは黙っていた。彼の目には、かつて父と歩いた街の面影が重なっていた。
「ぼくの父は、記憶の水を研究してた。崩壊の直前に旅に出て…それっきり」
「…あたしの家族は、崩壊の日に消えた。研究所にいたから助かったけど…それが良かったのかは、わからない」
ふたりは、互いの過去を語りながら、瓦礫の道を進んでいく。 空は灰色に染まり、風は腐敗した匂いを運んでくる。
そのとき、瓦礫の影から異形の魔獣が姿を現した。
魔獣:スモッグ・ハウラー(腐食型)
ステータス数値
筋力15
体力14
俊敏12
魔力10
知力6
運8
特性:腐食の息(近距離範囲攻撃・防具耐久減少)
「腐食型…!近づかれると厄介よ!」 リナが叫ぶ。
「リナ、援護して!ぼくが前に出る!」
ユウは鉄パイプを構え、スモッグ・ハウラーの動きを見極める。 リナは魔力を集中し、手製の魔力矢を生成する。
「魔力矢、発射!」
矢が魔獣の脚を貫き、動きが鈍る。 ユウは跳躍し、“残響解析”で見えた急所に一撃を加える。
魔獣が崩れ落ちると、ふたりの体に光が走った。
ユウ:経験値上昇(次回レベルアップに近づく)
リナ:レベルアップ! → Lv.3
ステータス数値
リナ(Lv.2)
筋力12
体力14
俊敏18
魔力16
知力17
運10
新スキル:魔力矢(Mana Arrow)
魔力を矢に変換し、遠距離から精密攻撃可能
「ふたりで戦えるって…すごいことだね」 ユウが息を整えながら言う。
「うん。あたし、誰かと並んで戦うの…初めてかも」
ふたりは瓦礫の丘に登り、遠くに見える〈シェル・ポイント〉の青い光を見つめた。
「行こう。次は、記憶の水の本当の力に触れる番だ」
風が吹き抜ける。 腐敗した世界の中で、ふたりの絆だけが、確かに輝いていた。




