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10話

興味を持ってくださりありがとうございます!


 ノインは立ち上がり、額に青筋を浮かべて怒りのままに声を上げた。


「お前如きが俺を見下すな!!」


 沸騰した蒸気のように鼻息を噴かし、眉間に皺を寄せるノイン。


「お前は今まで通り俺の言うことだけ聞いてれば良いんだ! 俺の方がお前より何もかも優れてるんだ!」

「ノイン、もう負けを認めてほしい。 これ以上やっても意味はないよ」

「負けを認めろだと? 何ふざけたこと言ってやがる! 俺はまだ負けてねぇ……負けてねぇんだ!」


 ノインは先ほどよりも大きな魔法陣を展開した。 


「俺の本気を見せてやる!」


 顕現した炎を剣に纏わせ、刃を形作っていく。


 炎の刃は、本来の剣の刀身よりも長く、そして大きく形成され、家を一刀両断出来そうなほどノインの体躯を遥かに超える剣となった。


 熱風を巻き起こし、火花が訓練場を踊るように舞う。


 リゼルは息を吐き捨て、剣を握り直す。 この一撃で終わりにすると意志を込めて。


「どうだリゼル!! お前には到底出来ない技だ!

今更後悔してももう遅え! これで終わりだ!」


 食らえぇ! とノインは炎の剣を振り下ろした。


 リゼルは炎の剣へと駆け出した。


 今までの村の生活が頭の中で高速で流れていく。 数々の嫌がらせやイジメの情景が浮かび、リゼルはそれを振り払った。


 今の自分はもうあの頃とは違う。


 縛られていた鎖を断ち切るように、正面から対峙した。


 その刹那、硬質な音が響き、ノインの剣が砕かれた。


「──なっ!?」


 そして、リゼルはノインの首元で剣を止めた。


 ノインは声にもならない悲鳴を漏らし、腰を抜かした。


 青ざめた表情でリゼルを見上げ、カタカタと歯を鳴らした。


「どうして…‥俺が……お前なんかに……」


 勝敗を確認した審判が声を上げる。


「──勝者、リゼル!!」


 

 一方その頃、とある玉座にて。


 一人の兵士が緊張した面持ちで、鎧の男の前に立った。


 臣下の礼を取り、深く息を吸ってから告げた。


「聖騎士様、ご報告いたします。 隣国の洞窟にてクリスタルドラゴンが討伐されたとの報告が入りました。 なんでも、頭部は強力なエネルギーによって消し飛ばされ、その断面は高温の熱で焼き焦げていたとのことです」


 男が傍に置いてあった真っ赤な林檎を一つ掴むと、一瞬にして水分が奪われ、枯れ枝のような状態になった。


 干からびた林檎を握りつぶし、男は静かな笑みを浮かべた。


「見つけた……」


 灰色の前髪が揺れる奥で、猛禽類の様な鋭い同色の瞳を輝かせた。


「出立の準備を整えろ。 魔獣狩りだ」

お読み頂き、ありがとうございます。

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