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婚約破棄された侯爵令嬢は、元敵国の人質になったかと思ったら、獣人騎士に溺愛されているようです  作者: ゴルゴンゾーラ三国


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 気になったわたしは、本を数冊抱えているシオンハイトに声をかけた。すると、まあ、なんとも拍子抜けする言葉が返ってきた。


「あれ、人間だとそういう言い方しないのかな。獣人は国とか団体とか、不特定多数の人が集まって形成させているものは複数形を使うんだよ」


「――なるほど」


 びっくりした、わたしの早とちりだったか。

 まあ、そうだよね。まさかこの両国の戦争に、実は最初から関わっていた国が他にもありましたー、とか、ないよね。


「たぶん、このあたりは戦争初期のことが書かれている本だと思ったんだけど……」


 そう言いながら、シオンハイトがペラペラとページをめくって、該当箇所を探している。シオンハイトが持ってきたのは、一冊や二冊ではないので、わたしも本を手に取って探す。

 どれもこれも獣人の言葉遣いで書かれているから、シオンハイトほとスラスラと読めはしないだろうけど、読むこと自体は可能なので、探すことはできるだろう。


 ――……?

 ペラペラとページをめくりながら、原因が書かれているであろう場所を探す。なんとなく、違和感を覚えながら。


 しばらくして、シオンハイトが「ないな」と声を上げた。どうやら、彼が見た本の中に、戦争の直接的な原因は書かれていなかったらしい。

 ちなみに、わたしの方もない。ただ、気になることが一つ。


「なんか……そこまでオアセマーレと変わらないことが書かれているような……」


 戦争をどちらからふっかけたか、という大事なところが食い違っているから、てっきりわたしがオアセマーレで学んだ内容とだいぶ食い違っているのかと思ったら……全然そんなことはなかった。

 どちらが戦争を始めたか、というところ以外は大きな違いはない。些細な部分では勿論違いはあるけれど、あくまで誤差の範囲だと感じてしまう。


「オアセマーレのものと見比べられたらいいのに」


 思わずぽつりと呟いてしまった。そんなことできるわけないのに。本を送ってくれ、と頼んで送ってくれるようなお母様ではないことは、わたしが一番よく知っている。

 なんなら、そもそもわたしの私物が家に残っているのかすら怪しいくらいだ。わたしが家を出て行ったことにより、あの家の子供はスノーティアしかいなかったかのように振る舞われていても、そうだろうな、としか思わない。


 というか、大前提としてお母様が手紙を受け取って読む光景すら想像できない。

 オアセマーレに期待できないのなら、『中央』に尋ねるしかないけれど、何かちょっと気になる、というレベルで行ける場所ではないんだよな、あそこ。


 ――しかし、わたしの呟きに、シオンハイトは「じゃあ、オアセマーレ行ってみる?」となんてことないように、軽い口調で提案してきた。

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