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急な眠気には気を付けよう

 ーーー日曜日。今日はいつもと違って予定がある。皆でショッピングモールに出かけるって言う予定がね。

 さて、まずは沙原さんと合流して二人で待ち合わせ場所に向かうって決めたんだけど……


(沙原さんが来るまで暇だな……)


 沙原さんと話し合った結果、僕の家に彼女が来る事になった。僕が彼女の家に行っても良かったんだけど沙原さんが来たいって言ったからそうなったんだ。

 というわけで僕は家で沙原さんが来るのを大人しく待っているわけだけど……


(不味い……眠くなってきちゃった……)


 今日はいつもの日曜日より早起きしていた事もあって、眠気が襲ってきてしまった。

 ……少しくらいなら寝ても良いかな……?


(駄目だ……沙原さんが……来る……の、に……)


 ……結局睡魔に負けた僕は、目を閉じて眠りについてしまった。







 ーーーピンポーン! ピンポーン! ピンポーン!


「うるさ……」


 それから少しして、鳴りまくるチャイムの音に僕は目を覚ました。何なんだ一体


(チャイム……来客か……? 今日、誰か来る予定……って……!? ま、不味い! 沙原さん!)


 寝起きの頭が覚醒し、状況を理解すると僕は大急ぎで玄関に向かう。

 慌ててトアを開けるとそこには……


「むぅーっ! 何で全然出てくれないんですか黒木君っ!」


 ……最早見慣れてきた膨れっ面の美少女が立っていた


「ごめん! 本当にごめん沙原さん! ちょっと寝ちゃってて……」


 うっかり眠ってしまった事を沙原さんに説明して、必死に謝る。そんな僕の話を沙原さんは腕を組みながら聞いていた


「……それで気が付いたら眠っていたと。そういう事ですか」


「ごめん……これは完全に僕が悪いよ」


 今の僕は許してもらえるまで謝る事しか出来ない。そう思いながら頭を下げていると、沙原さんはため息を一つ吐いて


「分かりました。私も前に寝坊して迷惑をかけた事がありますし……許しますよ」


「沙原さん……! ありがとう!」


 許してもらえた事に安心した僕に、沙原さんが続けてこう言った


「その代わり、手を繋いで歩きましょうか。それで完全にこの話は終わりにします」


 と、唐突な提案だな。罰ゲームって事かな? 僕にとっては全然罰じゃないんだけど


「ま、待ち合わせ場所までなら……」


 古宮君と桜良さんに見られるのはちょっと恥ずかしいからね。もう既に一回見られてるけど……。

 そんな考えから沙原さんにお願いすると


「分かりました、じゃあそこまでにしましょうか。ほら、早く準備してきてください。何も持たずに出かける気ですか?」


「ああっ! ごめん!」


 慌て過ぎて手ぶらで来ちゃったみたいだ。僕は急いで家に戻って、荷物を取りに向かうのだった


「ふふっ……今日の黒木君、謝ってばっかり。ちょっと珍しいかも」


 ん? 後ろで、沙原さんが笑ったような……? いやいや! そんな事より今は急いで準備しないと!










 準備を終えて家を出た僕は、早速笑顔で手を差し出してきた沙原さんと手を繋ぎ、二人で歩き出す


「ドーナツ、楽しみですね」


「そうだね。でも、その前にお昼を食べた方が良いかな」


 時間はそろそろお昼時だ。ドーナツはデザートに回して先にランチにした方が良いだろう。

 僕がそう言うと、沙原さんはそれならと提案する


「じゃあ前に二人で行ったレストランに行きましょう!」


「お、良いね。あそこの料理は美味しかったもんね」


 前にまた行きたいって話していたしね。僕も異論無しだ。

 そして、二人で話していると待ち合わせ場所の別れ道が見えてきた


「沙原さん、そろそろ……」


「むう、仕方ないですね」


 沙原さんの手を放す。僕も少し名残惜しいけどね


「おっ、来たな二人とも」


「おはよう。黒木君、朱凛さん」


 既に古宮君と桜良さんが待っていた。僕達の方が遅かったみたいだね


「おはよう二人とも。待たせちゃったかな?」


「大丈夫よ。私達もさっき来たばかりだから」


「ああ、ドーナツが楽しみで早く着いちまってな」


「ふふ、二人とも本当にドーナツが好きなんですね」


 とりあえず、これで皆揃ったね。それじゃあ……


「じゃあ行こうか。ショッピングモールに」


 こうして、僕達四人で過ごす日曜日が始まった。

 ーーー前に行った時は二人だったけど……四人でショッピングモールを回るのも楽しみだ。いきなり失敗しちゃったけど、今日はどんな一日になるだろうか

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