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清楚な雰囲気の彼女と出会った日

 突然だけど、僕の通っている高校には有名な美少女が二年生にいる。

 彼女ーー沙原(さいはら)朱凛(あかり)はとても社交的で礼儀正しい。男女問わず、更に学年も関係なくどんな相手にも笑顔で愛想良く接している姿が良く見られる。

 それに加えて容姿も良い。美しい黒い髪、可愛らしい笑顔、更に抜群のプロポーション。彼女に好意を抱く男子は沢山いるだろう。

 そんな沙原さんは学校の人気者だ。常に優しく、清楚な雰囲気で、おまけに可愛い。当然だろう。

 そう、彼女はまさに例えるなら清楚な優等生だーーー










 

 僕が彼女と接点を持つようになったのは二年生に進学したその日だ。同じクラスにいたんだ、彼女……沙原さんが


「朱凛~! また同じクラスだね!」


「はい、私も嬉しいです。またよろしくお願いしますね」


「わ、私も入れてっ! 沙原さんと話してみたくて……!」


「勿論、良いですよ。はじめまして、沙原朱凛です。これからよろしくお願いします」 


「あっ、私は……!」


 流石は沙原さん。早速クラスの女子達と仲良く話している。初めて同じクラスになったけど、やっぱり人気者なんだなぁ


(話しかけてはいないけど、男子も沙原さんをチラチラ見てるね)


 まぁあんな美少女がクラスにいたら気になるのも当然だよね、僕もつい視線を向けちゃったし。

 ……と、クラスの男子の様子を見ていると、後ろの席に座っていた男子と目が合ってしまった


「ごめん、じろじろ見ちゃって」


 失礼だったかと思い、謝ると彼は首を振りながら笑い返してきた


「いや、気にすんな。それより折角だし話しようぜ、どうせ先生が来るまで暇だしな」


 おお、なんて感じの良い人なんだ。こんなに話しやすい人が近くにいてくれて良かった


「うん、そうだね。あ、僕は黒木(くろき)(れん)だよ、よろしくね」


「おう、俺は古宮(こみや)秋斗(あきと)ってもんだ」


 自己紹介をお互い終わらせて、僕は古宮君と話をする


「黒木も沙原さんが気になってんのか? さっき見てたよな」


「そりゃね。同じクラスになったのは初めてだから気になってね」


「まぁ可愛いもんな~。おまけにあんな清楚な女子、他にいないよな」


「高嶺の花ってやつだね。沙原さんに釣り合うような人っているのかな?」


 そういえば、あんなに容姿が良いのに告白されたとか誰かと付き合ってるとかって話は聞かないな。案外、皆も高嶺の花過ぎて手を出しにくいのかもね、沙原さんは


「お、じゃあ黒木が狙ってみたらどうだ?」


「いやいや、僕が釣り合うわけないって。今まで話したこともないのに」


「はは、そりゃそうか」


 そんな風にダラダラと駄弁っていると、担任の先生が入ってきた。


 その後、先生から色々と連絡事項が告げられ、二年生になって最初の学校が終わろうとしていた時だった


「じゃあ最後に席替えをするぞー。くじ引きするから出席番号順に前に来てくれ」


 なるほど、席替えか。今の僕達の席順は出演番号順になってるから古宮君とも出会えたんだけど……離れる事になっちゃうかな


「じゃあ次、前に来てくれ」


「あ、はい」


 おっと、呼ばれたか。考え事を中断して、僕は前に出てくじを引く。さて、僕の席は……


(左端の1つ隣。そこの一番後ろか。まぁ良くも悪くもないかな)


 と、何とも平凡な席を引いた僕は、先生の指示で新しい席に向かう。


 席にたどり着き、他の人達の移動を待っていた時だった。左から声が聞こえた


「えっと、左端の一番後ろ……ここですね」


 その声に驚き、左を見ると……沙原さんがいた


(さ、沙原さん……隣の席なのか……)


 なんて事だ。さっきまで平凡だったこの席が一瞬で特等席になってしまった。クラスの男子全員がこの席を羨ましがるだろう。

 と、内心思いながら沙原さんの方を見ていたら……彼女と目が合った


「はじめまして。沙原朱凛です、よろしくお願いしますね」


 おお……! 初めて近くで見たけどやっぱり可愛いなぁ。

 初対面の僕に笑顔で挨拶してくれた沙原さんに感動しながらも、僕も笑顔を返す


「うん、はじめまして。黒木廉だよ、よろしくね」


「はい、黒木君ですね。せっかくお隣さんになったんですから仲良くできたら嬉しいです」


「はは、そうだね。これからよろしく、沙原さん」


 そう言って笑い合う僕と沙原さん。ちょっと緊張するけど……話しやすいかも。これなら仲良くやれそうだ。



 ーーーこれが、僕と沙原朱凛さんの初めての出会いだった。ここから、僕達の関係は急速に変わっていったんだ

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