表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/6

6. 《チート・シングル》の新たなる力(12月24日22時)

「ニコラス、美味しいねこれ」


 俺は今、護衛任務の最中だ。


「ニコラスって好きな食べ物とかあるの?」


 繰り返す。護衛任務の最中だ。


「あ、このハンバーグ見て! すごい肉汁!」


 肉汁のナイアガラや!


 ――って、俺は今、護衛任務の最中だ!


「ねぇニコラス……楽しく、ない……?」


「いやいやいや、そんなことないですよ! すごく楽しいです! ただ、まさか皇女様と食事をすることになるだなんて、思ってもいなくて」


「そうなんです? 私は、いつかしたいと思ってましたけど」


「えっ……?」


「あ、いや、ちがっ……! 今のは忘れて! いや、その、あんなに有能な書類を提出する人ってどんな人なんだろう、って興味を持っただけで!」


「あぁ、なるほど!」


 そういうことか!


 一瞬ドキッとしてしまった……。


「ねえ、デザートは何頼む?私は――」


 ドンッ。


「きゃっ!」

「おい、テメェどこ見てんだよ」


 見ると、カップルの男がぶつかったらしい。


「うわ、私のダーリンにぶつかるとか最低~!」

「待っててくれよなハニー、こいつちょっと分からせるから」


 男の手がマリーに伸びる


「そこまでだ」


「あ? お前何者だ?」


「この人の――」


 護衛だ、とは言ってはいけないのか。


 じゃあ、俺とマリーの関係は、一体なんと説明すればいいんだ……


「――友達だ」


「はあ? 友達が俺らラブラブカップルに敵うと思ってんのか? なーハニー?」

「そうよダーリン、こんなやつなんかやっちゃいなよ!」


 ……なんだこいつら。


「あ? 何とか言えよ?」


 ……ったく。


「友達を守っちゃ悪いか? 大事な友達なんだよ」


「っ――!」

 マリーがなぜか嬉しそうな顔をしたが、今は後だ


「あぁ、何だテメェ! やろうってんのか? ボコボコにしてやんよ!」

「ニコラス危ない!」


 相手のパンチを躱す。

 ったく、ここは店内だぞ……!


 ……喧嘩は嫌いなんだけどな。


「《チート・シングル》。攻撃力上昇」


 攻撃力上昇は、攻撃力がわずかに上がるというものだ。


 わずかに上がる程度なので、きっと殴るだけなら問題ないだろう。


 相手のパンチを掻い潜ってお腹に一発お見舞いする。


「うああああぁぁぁぁ!」

 バコン!

 バコン!


 天井を突き抜けて飛んでいく男。


 天井を突き抜けて飛んでいく男、だと?


 いや、ちょっと殴っただけなのに……


「ぁぁぁぁああああ!」


 やばい、この高さから落ちると大怪我だ!


「《チート・シングル》!回復!」


 落下して床にぶつかった直後の男に回復魔法を使う。


「貴様この野郎! 痛ってぇじゃねぇか! 痛った……くない?」


 見ると、男には傷一つない。


「お、お、お、お前、何なんだよ! 何なんだよぉぉぉぉ!」

「待ってダーリン!」


 店から逃げ出した男を追うように、女性も店を出る。


「……えっと」


 俺は困惑するばかりだった。


「いやあ、助かりましたよ! あの客は、よくうちに来て他の客にイチャモンを付けてたんです。追い出そうにも、男の方のパンチが強くて。ぎゃふんと言わせられたみたいで、こっちまでスッキリしましたよ!」


 店の奥から店長と思しき人が出てくる。


「すみません、天井を壊してしまって。店の評判も、もしかしたら……」


「まさか! 天井が壊れたことくらい、あの客を追い払えたことに比べれば軽いものですよ。あの客がいなくなったことで、この店の評判も上がるでしょうし!」


 むしろサービスしますよ、と言われてしまった。


「ねぇニコラス、今何やったの? 天井を突き破るなんて……」


「攻撃力をわずかに上げただけだけど……」


「あれだけの高さから落ちて無傷だったのは」


「わずかに回復しただけだけど……」


 ……これ、思った以上にえげつないスキルなのかもしれないな。


 俺は一人そう思ったのだった。

 初投稿の作品にも関わらず読んでいただき、本当にありがとうございます!

 楽しんでいただければ嬉しいです!

 皆様のブックマーク登録や評価が、大変励みになります!


――――――――――――


読者の皆様に大切なお願い


――――――――――――


・面白かった

・続きが気になる


などと少しでも思ってくださった方はブックマーク登録、そして広告下の☆☆☆☆☆をタップorクリックして評価を頂けますと、作者のモチベーションが上がります!


 これからも面白い作品を投稿していくので、何卒よろしくお願い申し上げます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ