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異世界転生、失敗  作者: わをんわをーん
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「田中さん、診断の結果が、出まして、すでに、ジャムに、汚染されている事が、判明、いたしました……はい……」


 タラバさんは僕に、ゆっくり落ち着かすように言った。


「……まじっすか」


「はい」


 ……次から次に……こんな事ばかり……。


「田中さん?」


 ……強気を、保たないと。


 ショックはかなりあるが、気が沈むことは許されないんだ。


 冷静に判断しろ。


「どれぐらい……侵されてるんですか?」


 ゆっくり、尋ねた。


「そこは大丈夫です」


「大丈夫……?」


「正確には分かりませんが、汚染度はかなり少ないです、最近、汚染されたんではないかと思われます」


「最近……?」


「しかし田中さん、是は急げと言いますし、もうそこに居ても未来はありません」


「……なるほど」


 ……ということは……。


「なので、今すぐにでもそこから脱出していただきたい」


「ジャムが特定されました」


「へ?」


「ジャムが特定さたって言ったんです」


 タラバさんがびっくりしていた。


「だ、誰ですか……?」


「アンさんです」


「アンさん……というと、えっと……」


 タラバさんは書類をあさる。


 僕はそれに構わず、


「駆除部隊が来る前にジャムを見つけ駆除すれば、駆除されないんではないんですよね?」


 タラバさんは訝しい目で見てくる。


「ジャムの死体を見せることで、疑いが晴れたヨオキさんとサンロさんらは街に帰れる、そうですね」


「……それは、そうなります……でもどうしてアンさんだと」


「最近触れられた、といったら、アンさんしかいません」


「ああ、そうでしたね……たしか……」


「アンさんをジャムだと証明しないと、ヨオキさんとサンロさんまで駆除部隊に殺されてしまいます、それはできない」


「待ってください、しかし田中さん、あなたは街に入れないとおもわれます。ジャム発見時から一緒に居た皆さん方が汚染されているかどうか、確かめるために拘留されるでしょう。その間に体の汚染が進み……あなたは助かりません」


「ヨオキさんとサンロさんは、このままだと、見殺しにする事になります」


 そんな事、できない。


 絶対に!


 2人を助けなくては!


「アンさんをジャムと証明し、それから逃げましょう。そして第1基地に行って、そうしましょう!」


「……そんな……なにより、それでどうやってジャムを駆除するつもりで?」


「武器は、これです」


 懐から、ここに来た時渡された短剣を取り出す。


「短剣ですか……」


 タラバさんはしばらくの沈黙の後、


「……なるほど……わかりました」


 僕を見つめて、


「では、今日中にお願いします。そして今夜にも脱出、基地に向かいますよ。宜しいですね」


「はい、今から行きましょう。今ならヨオキさんとサンロさんは外です」


 タラバさんを力強く見つめた。


 タラバさんも、それに応えるように僕をじっと見つめ返す。


「キスしないでくださいね」


「へ?」


「なんかそんな雰囲気だったので」


 何言ってんだ。


「そう言えば、タラバさん、僕がこの体……僕のせいで汚染されて――」


「――田中さん、もともとは私どものせいなんですから、田中さんが気に病むことはありませんよ」


「生き返しても、この人はもう、やっぱり……」


「あなたの命もかかっているんですよ。それはもう、仕方ない事です。どうしようもないんです……事故は……うまく処理できず失敗に終わってしまいました……」


 タラバさんは笑顔になって、僕を見た。


 何だと思っていると、


「それに、その人が死んだらちゃんと転生させますから」


 そう言って笑みを見せる。


「……タラバさん」


 僕は静かに、


「そもそもこんなことに巻き込まれているのは、あなたがたのせいなんだから、笑うのはどうかと思いますよ……」


 そう言うと、タラバさんはびっくりした顔をした。


「では、早く行かないと」


 短剣をしまう。


「相手は丸腰と言ってもジャムです。油断はできません。もしかしたら逆にやられてしまうかも知れません、そんな馬鹿なことだけは、やめてくださいね」


「はい……隙を見て一刺しするだけですから」


「……ご無事を祈ります」


「……はい……」


 急に気弱になってしまう。


 それを悟られたんだろう。


「田中さん、無理することないんですよ」


 タラバさんが優しく言ってきてくれた。


「すいません、大丈夫です」


 おかげで気を取り直せたよ。


 タラバさんがいてくれて良かった。


「私としては、してくれない方が助かります、もし田中さんが死ぬば私の家庭は終わりなんです……田中さん、やっぱやりやめましょ、見殺しにしましょ」


 謝って損した……。


 止めてくるタラバさんを無視して、部屋から出た。

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