お茶会抜け出し中
……あれはカオスよ、カオス。世の中の令嬢ってみんなあんな感じなのかしら。
王宮の広い庭園を歩いていく。
会場が遠くなり、静かな空間ができてホッとする。
……助かった。
それにしてもあの王子の人気っぷりは凄かった。
そこまで令嬢を惹きつける彼に少しばかり興味がわくけれど……。
「面倒な予感しかしないわね」
あの令嬢達の渦に自ら飛び込むような愚かな真似はしない。
変な好奇心と平穏な日々を天秤にかけたら、もちろん平穏な日々に傾くのだ。
……放置よ。放置。
そんなことを思いながらアリスはてくてくと庭園を歩いていった。
……ん?
「……バラ園?」
気づけば目の前には、立派な薔薇、薔薇、薔薇!!
いつのまにかだいぶ遠くまで来ていたらしい。
……とっても綺麗ね!!
アリスは美しい薔薇に誘われるように奥へ奥へと進んでいった。
……全部、全部綺麗に咲いているわ!
こんな広い庭、庭師が一体何人いるのかしら。
幼いアリスの探検は続いていた。
帰るときのことなど考えずに、アリスは前へ前へ進んでいく。
しばらくすると、行き止まりにぶち当たった。
緑の壁だ。
……ここで、おしまい?何とかして通れないかしら……。
ここまで来たからには満足するまで進みたい。
どうしても諦めきれなくて、壁を端から端まで観察すると、上手くカモフラージュされていたが、小さな穴を見つけた。
大人は無理だけど、私なら……。
アリスは四つん這いになって穴を通り抜けた。
「あら、可愛らしい妖精さんだわ」
透き通った美しい声がした。




