双子の呪われた姉
突然の出来事に私は何もすることが出来ず、気がつけば自室にいた。
「さっきの人たちはだれ?」
側についているメイドに聞いた。
「スペンサー公爵の当主様、奥方様、ご息女様です」
「それじゃぁ、私のお父様とお母様と妹ね」
「はい」
「双子の呪われた姉ってなぁに?」
「それはお答えできません。」
即答だった。どうにか、聞き出せないかと思い、彼女の顔を見て、諦める。
あの顔はもう何も言わないとの意思表示であった。
ふぅ、と大きく息を吐きながら、アリスはそっとソファにもたれかかった。
正直に言えば、ショックだった。
あの人たちが、赤の他人ならまだしも、自分の家族だったのだ。妹にはあんなに優しそうだったのに。
……あの子のドレス、可愛かったなぁ。
双子なのに、姉妹なのに。
どうしてあれほどまでに私を嫌悪するのか、全く分からなかった。
理由があるとすれば……
……双子の呪われた姉
私の父親であるあの男性が最後に呟いたあの言葉。
……私は呪われているのかしら。
その夜、アリスは部屋で1人、泣いていた。
家族から疎まれることは、幼い子供にとって、この上ないほど悲しいことだった。