0.俺四十歳になるけど、どう思う?
本能のままに書きました。
本編開始です。よろしくお願い致します。
0.俺四十歳になるけど、どう思う?
どう思われようと勝手だが。
俺、春巻 蜥蜴は、今年四十歳になる。
ぼさぼさの寝起きの髪の毛をちょっとずつ直しながら、冴えない無精ひげの顔をまじまじと見る誕生日。鏡という文化、滅べ。
「といっても、身だしなみきちんとしとかねえとうるさいからな……」
一人ごちりながら何とか髪の毛だけは整える。
寝起きの野暮ったい目についた目やにをとり、ややつぶれ気味の鼻の頭にちょっとデキモノがあるのを発見。イケメンという文化、滅べ。
あー、あー、ちなみになんですが。
ちなみにここは、異世界ダンバルジュというところらしい。
…………、…………。
…………、いや、わかるぞ、言いたいことは。
別に夢見がちってわけじゃねーよ! ちげーし! 妄想癖でもねーしっ! キまってないから! 変なもんキまってねーから!
……というか、だな。
夢だったらどんなによかったことか。
俺がこの異世界とやらに転移させられて、十五年。……十五年も経つのか。マジか。二十五のときからだから……、うん、マジっぽいわ。うーわ。
時の流れというものに軽くドン引きしながら、棚からフレークのようなものを食す。十五年も生活してるが、ここで食ってるものの成分とか、未だに分かっていないな。……と思ったが、それは向こうの世界でも同じだったか。冷静に考えれば、動物の死骸を焼いて食うということは、ただ栄養が有るか無いかの違いでしかないのだ。
「……小学生かな?」
四十にもなろうという大人が、今更食物連鎖のこととか栄養のこととか考えてどうするんだ。もっとこう……、そう、現実を見なければならない。
もう一度言う。
ここは異世界ダンバルジュ。
つまりは、現代日本ではないところ。
俺は正真正銘、日本人で。ただの冴えないフリーター『だった』者だ。
コンビニの裏手口で煙草をふかしていたところ、不思議なゲートが現れて、こちらの世界へと引きずり込まれた。
「まぁもう、現実世界に帰るとかは諦めたから良いんだけどな」
帰れればどんなに楽だったか。
俺が転移した場所。
そこは、異世界の中でも――――『異界』。
周囲にドラゴンが飛び回り、オーガは散歩し、明らかに上位の精霊みたいなのが舞う――――通常の人間種が近づける場所ではなかったのである。
「今日もとりあえず……、生き延びるか……」
改めて。俺の名前は春巻 蜥蜴。こっちの世界での名前はリザード。
名前がちょっとだけシャレオツ(古)な、冴えない中年男性である。
俺の本領はまだ発揮されてないから。
出入口 迷子




