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5-4 ジャイアントオーク再び!

 「くっ、数が多い……!」


 (タケシ)は棺桶とコアである釜のような機械をつなぐチューブを、デュアルロッドブレードで切断しながら、スケルトンタイプも切り倒していく。しかしスケルトンタイプは無数に発生する。この『霧』のせいだろう。これも不思議な魔法的なものだろうか?


 「コアを破壊すれば爆発の危険がある……七式・バードモード!」


 武は七式をバードモードに変形させて放った。スケルトンの相手とチューブの切断を同時に行うのは難しい。不安定な精神エネルギーが充満している釜を壊せば爆発の危険がある。そこで武は、チューブの切断を七式に任せ、自身はスケルトンタイプの相手を引き受けることにした。


 「とうっ! こっちだ、スケルトンタイプ!」


 武は転がりながらスケルトンタイプの大群の中から抜け出す。幸いにも地下の実験場はトンネルのように長く掘られていた。武はデュアルマグナムを撃ってスケルトンたちを実験場の奥の方へと誘導する。

 知能を持たないスケルトンタイプは、簡単に武の誘導に引っかかった。大きな塊になって、実験場の奥の方へ誘導されていく。


 「よし、ここまで来れば……うわあっ!」


 ソウルボム精製機械とスケルトンタイプを引き離したと思ったその時だった。突然、床を突き破って巨大な腕が現れた。床は崩れ、武はスケルトンタイプと共にさらに地下深くへと落下してしまう。


 「コンバットシステム起動! 電装!」

 

 武は落ちながらすばやく✕コマンダーの丸ダイヤルを回し、イグニッションレバーを押す。武の全身は銀色の光に包まれ、そのまま地下のさらに深くへと落下。


 「次元機動ディメンダーX!」


 同時に落下してきたスケルトンタイプが落下による衝撃でバラバラに砕け散る。

 衝撃と共に着地すると同時に光が晴れ、銀色の戦士・次元機動ディメンダーⅩの姿が現れる。右手を大きく振るってXの字を描き、巨大な腕の主、地下深くに潜む巨大な「何者か」に向けて名乗りを上げた。


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 「コンバットシステム、起動!」

 「電装!」


 久保田武は左腕のメインコントロールブレス・Xコマンダーの丸ダイヤルを回すことでディメンダーXのコンバットシステムを起動させ、イグニッションレバーを押すことでディメンダースーツを展開、0.07秒で『電装』し、ディメンダーXに変身する。

 ディメンダースーツは武の体に合わせて作られているため、いつ、いかなる状況でもほぼ一瞬で電装することが可能なのだ。

 

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 「グオオオオオオ!」

 「これは……ジャイアントオークか!」


 武を――ディメンダーXを地面深くに突き落とした巨大な腕の主、それは以前トゥーリー村を襲ったものと同じタイプの巨大なオーク、ジャイアントオークだった。ディメンダーXの何倍もの巨体で、石の棍棒を振り回してくる。


 「危ない!」


 地面を転がりながら、ディメンダーXは攻撃を回避する。しかしそこに、横からの巨大が衝撃が襲い掛かってきた。


 「ぐわあああああああ!」


 ディメンダーXは大きく横に吹っ飛ばされる。暗闇の中、石の壁に叩きつけられ、さらに上から何かに凄まじい力で押し潰される。


 「レ、レーダーデバイス、確認……」


 ディメンダーXはすぐさま左肩のレーダーデバイスで周囲の状況を確認する。

 ディメンダーXのゴーグルモニターに表示されたのは、驚くべき結果だった。


 「じゅ、10体!? ジャイアントオークが10体も飼われているのか!」


 ディメンダーXを取り囲むのは、合計10体のジャイアントオーク。ディメンダーXはそのうちの1体に踏み潰された状態だった。今の形態――ディメンダーXの基本形態・シルバーファイターではそう長くはもたない。デュアルマグナムとデュアルロッドは落下の際に遠くに落ちてしまって手が届かない。まさに絶体絶命。


 「ならば……第二電装!」

 <アディション・ブルーマジシャン!>


 ディメンダーXはぐりぐりと踏み潰される体をずらしながら、バックルケースからブルーマジシャンプレートを取り出し、Xコマンダーに装填、イグニッションレバーを押した。

青いブルーマジシャンのアーマーが実体化し、ディメンダーXは青い装甲に覆われ、手にはマジシャンシャフトが装備される。


 「行くぞ!」


 ディメンダーXはマジシャンシャフトの先端をクレーンに切り替え、反対側の壁に向かってフックを発射した。フックは壁に食い込み、固定される。


 「うおおおお!」


 ディメンダーXはフックが固定されたことを確認すると、高速で巻き上げる。固定されたフック側にディメンダーXの体が引っ張られ、どうにかジャイアントオークの踏み潰しから脱出することに成功した。


 「よし、ここから仕切り直しだ!」


 起き上がったディメンダーXはブルーマジシャンのプレートをXコマンダーから引き抜き、元のシルバーファイターに戻る。そして右手で地面を強くたたくと、ジャイアントオークたちに向かって走り出した。


 「うおおおおおおお!」


 ゆっくりと巨体で押し潰そうとするジャイアントオークたちの間をすり抜け、ディメンダーXは突っ走る。そして遠くに落ちたデュアルマグナムとデュアルロッドを回収した。ここからディメンダーXの反撃が始まる。


 「デュアルマグナム!」


 ジャイアントオークに向かってデュアルマグナムを乱射。ジャイアントオークの動きをけん制する。


 「デュアルロッド!」


 続いてデュアルロッドを構えて突撃。ひるんだジャイアントオークたちの足に電撃をまとったデュアルロッドを打ちつけ、強力な電流でその動きを止める。


 「ようし、とどめだ! デュアルロッドブレード!」

 <フィニッシュモード・スタンバイ>


 デュアルロッドをブレードモードに変形させ、×ボタンを押す。

 全身のパラドックスエンジンがフル稼働し、ブレードに電子エネルギーが集束する。

  

 「ブレード・フィニッシュ!」

 <フルバースト!>


 イグニッションレバーを押し、ディメンダーXは再び超高速でジャイアントオークたちの間を駆け抜ける。すれ違いざまにすばやくジャイアントオークたちを斬りつけた。

 傷口から強力な電子エネルギーがジャイアントオークの全身をむしばんでいく。

 そして、大爆発。


 「ギャアアアアアア!」


 10体のジャイアントオークたちは断末魔と共に一網打尽にされた。

 ディメンダーXはジャイアントオークたちの爆発を背後に、デュアルロッドを腰のホルダーに戻した。


 「ふう……戻るか」


 ジャイアントオークを倒し、ほっと一息ついたディメンダーX。ジャンドール砦の兵士たちを助けに戻ろうとした、その時だった。


 <超重力反応! キケン! キケン!>

 「なにっ!? うわあああああ!」


 レーダーデバイスが警報を発した次の瞬間、後ろからものすごい力で引っ張られる。

 ダークゾーンだ。ディメンダーXは突如後方に発生したダークゾーンに吸い込まれてしまった。


 「ワープスライダー!」


 ディメンダーXはすぐさまワープスライダーを実体化し、飛び乗った。そして強力な引力に引き寄せられるまま、ダークゾーン内に突入した。




 今回のダークゾーン内部は地面や天井のない、宇宙のような空間だった。別次元とつながっている亜空間のような物だろう。

 そしてそこには、ジャイアントオークのさらに10倍近くの大きさを誇る巨大なジャイアントオーク――スーパージャイアントオークが浮かんでいた。ディメンダーXも以前元の世界で1度しか戦ったことない珍しいタイプのインベーダーだ。

 スーパージャイアントオークは器用に重心を移動させ、浮遊しつつも素早いスピードで殴りかかってくる。


 「うわあああああ!」


 巨大な拳を叩きこまれ、ディメンダーXは吹き飛ばされてしまう。今回のダークゾーン内には重力が存在しない。そのため、下手をすれば永遠にこのただっぴろい空間をさまようことになってしまう。


 「ディーフェニックス! ディードラゴン!」


 ディメンダーXはディーフェニックスとディードラゴンを実体化し、吹き飛ばされながらもディーフェニックスに乗り込む。


 <残り時間10分> 

 「フェニックス・レーザー! ディードラゴン、ボンバー!」

 

 次元艇ディーフェニックスと次元戦艦ディードラゴンのビーム砲が火を噴く。だがスーパージャイアントオークには、空中を飛び回るような動きで回避されてしまう。


 「グアアアアア!」


 さらにスーパージャイアントオークの体当たり。ディーフェニックスとディードラゴンは大きなダメージを受けてしまう。


 <損傷拡大。残り時間5分>

 「やむを得ん……合体! グレートフォーメーション!」


 追い込まれてしまったディメンダーXはコントロールパネルを操作し、合体態勢に入る。

 ディードラゴンが両足と胴体に変形し、ディーフェニックスが背部の翼と胸部装甲、両腕に展開する。2つは合体し、最後に胸部のプレートが開き、頭が出現して合体が完了する。

 背中に大きな翼、全身に火砲を満載した巨大な鋼鉄の巨人が出現した。


 「完成、グレートディメンダー!」


 グレートディメンダーにスーパージャイアントオークが襲い掛かってくる。 


 「ウガアアアアア!」

 「うおおおおおお!」


 グレートディメンダーとスーパージャイアントオークはがっつりと組み合う。互いに一歩もゆずらない。時間だけが過ぎてゆく。


 <残り時間3分>

 「一か八かだ、一気に決めるぞ!」


 ディメンダーXはバックルケースからレッドブレイカープレートを取り出すと、コントロールパネルの専用スロットに差し込んだ。


 「プラスパワー!」

 <アディション・レッドブレイカー!>


 グレートディメンダーの全身各部に、赤いレッドブレイカーの装甲が50mサイズに合わせて巨大化してマテリアライズされ、グレートディメンダーに装着された。

 グレートディメンダー・レッドブレイカーの完成である。


 「ブレイカーソード!」


 グレートディメンダーは背部の2枚のブレイカーソードを切り離すと、両手に装備しスーパージャイアントオークを斬りつけた。今度はスーパージャイアントオークが大きく後ろに吹っ飛ばされる。


 <フィニッシュモード・スタンバイ……フルバースト!>


 スーパージャイアントオークと距離を取ったところで、グレートディメンダーはブレイカーソードを両肩にセットし、ブレイカーキャノンにする。

 

 <残り時間1分>

 「ブレイカーフィニッシュ!」


 両肩のブレイカーキャノンから、赤い電子エネルギービームが発射された。スーパージャイアントオークはその凄まじいエネルギーの激流に全身を焼かれ、大爆発を起こして消滅した。


 <活動時間……緊急脱出シマス>

 「うわあああああ!」


 活動限界を迎え、ディメンダーXはいつものようにグレートディメンダーから強制排出された。そしてダークゾーン内に浮かんでいたワープスライダーに飛び乗った。

 

 「脱出!」

 

 ダークゾーンが収縮を始める。ディメンダーXは空間に押し潰される前に、ダークゾーン内から脱出した。 

このあと、アダムVSブラフ

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