ついきゃす
「じゃ……じゃあ!」
……?
「なんですか?うんこま……いえ 山田くん」
おっと いけね。 つい口が滑ってしまいました。気づいていないですよ……ね?
容姿端麗 スポーツ万能 成績優秀の私は 棘のある言い方なんてしてはいけません。
「付き合うのは……無理でも……友達からじゃ駄目ですか?」
「は?無理ですよというか今どんな状況かわかってます?告白して振られてあなたは今脱糞してるんですよ?」
…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………あ
やべ。やばい。やばいです。 やべーですよ!
にゃぁああああああ
は?とか言ってしまった……は?とか。
ま、いっか。 悪いのは私じゃなくてこの ウンコマンですしね。そう悪いのはこいつ。笑われるのもこの子。
多分今、みんな盛り上がってるに違いない。
画面の向こうで。ね。
「そ、そっか……ごめん……」
あーあ……なんか謝っちゃってますし 駄目ですよ 男の子がそんな簡単に謝っちゃ。
むしろ謝らないといけないのはこっちかもしれないのに。ウフフ。
「いえ」
「山田くん」
「勇気を出して告白してきてくれてありがとう」
「やっぱり私 山田くんのこと」
山田くんの目に光が宿ります。希望が湧いたのでしょう。もしかしたらと思ったのでしょう。
ですが、
あめーんだよ
「すごく面白いウンコマンだとおもっています」
「……え?」
山田は何が何だかわからないという顔をしてました。
私は制服の胸ポケットからスマホを取り出します。
「うわっ 合計閲覧数5000人!?」
私はスマホを山田の方に見せます。
「ほら 今日の配信 私がツイキャス始めて1番多く来てくれました!」
いまだに閲覧数は1人また1人と増えていきます。
「え……これって……」
山田は どうやらまだ理解できてないようです。
「ツイキャスって知ってます?つ い き ゃ す」
「あなたには悪いですけど 放送させて頂いてました」
「まあ音声だけですけど 皆さん聞いてますぅ?」
私のスマホの画面には みんなからのコメントがバンバン書かれます。
もち。
いえーい脱糞やろーくんみてるー?
なんかここ臭くない?
ウンコマンに告白される柚木さん可哀想
などなど 。
「みんな山田の顔みたいですかー?」
みたい!
みたいけど臭そう
「あはは、臭いですよ実際」
「じゃあアンケートとりましょうか 山田の顔を移すか 移さないか」
私はススっとスマホを弄りアンケートを取ります。