私が守りたい君

零

私の人生はごく平凡だった。

生まれて、育てられ、母親から槍術を教わり、沢山の事を学ぶ日々。

たとえ稽古が辛くても、なにか優しい母親に触れていた事。

母は女手一つでわたしを育ててくれた。

15の時に知り合った男性と恋に落ち、18で結ばれた。

19には子供も出来た。小さな男の子だ。

もうこれほど幸せなことは無かった。

こんな毎日がずっと続いていく、と思うと、もう、なにもいらないとさえ思った。

なのに

どうして

あの日が来てしまったのだろうか。