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「たとえば」
一つ掲載。多様な死の形の一考察。
シビトが動かないのは
死んだからではない
動けば切り刻まれるから
それが怖くて止まるのだ
そう きっと
彼らが横たわっているのは
安穏とした布団ではなく
数限りない刃の上
死を迎えた者は死と生の切り替わりと共に
自分が横たわるものの本質を知り
怯えて動けなくなるのだ
少しの筋肉も動かせない
全ては微妙なバランスの上に成り立っている
だから
声も出せないし
鼓動も止まる
だから
シビトは動かない
今度シビトに出会ったら
その胸に手を置いて
心に寄り添ってごらんなさい
きっと
恐怖の震えに絡めとられて
あなたも動けなくなれますよ




