表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

 二カ月後。

 大阪市中央区淡路町。

 堺筋の淡路町一丁目の交差点。

 信号待ちするアウトランダーの助手席で、実紅は不機嫌そうにフロントグラスを叩く雨粒を見ている。

 ハンドルを握るリュドミラは。


「分隊長、なんか引継ぎの時から不機嫌そうですね。なんか合ったんですか?」


 信号が青に変わり、北上するため車は前進する。

 座席に押し付けられる感覚に身を任せつつ実紅は。


「コウ君と、ちょっと・・・・・・」


「ふ~ん」とだけ言って、それ以上はきかないリュドミラ。その代り。


「分隊長の機嫌が良くなる話をを一発」

「何なん?」

「撃たれたピロシキ屋のおっちゃん、退院しまして」


 リュドミラに向けた実紅の顔には明るい表情が。


「ホンマに?!良かったぁ」

「ええ、二十二口径で本当に良かったですよ。後遺症も無く、近々店もやるそうで」

「また屋台?」 


 アウトランダーは道修一の交差点に差し掛かる。


「いや、今度はちゃんとした店舗、営業許可も取って、宝塚でやるそうですよ」 

「管轄外かぁ、買い食いはでけへんね」

「非番か明け番で買いに行きゃ良いじゃ無いですか」

「それもそやわ」


『プリースト』が指令を飛ばして来たのは、実紅がそうつぶやいたタイミングだった。 


『CISAIより各局、中央区淡路町三丁目より『夫が撃たれた。頭から血を流している』とのマル電(一一〇番)淡路町三丁目、近い局は急行されたし』


 との音声が『INCSM』と繋がるイヤホンから流れ、同時にアイウエア型デバイスに文字情報と地図が表示される。

 逆三角形のアイコンが点灯する地点には『ビーンストーク淀屋橋』との別の表示。ワンフロアー数億はするタワーマンション。

 つづいてカーロケーターの表示に視線を飛ばし画面に表示されたパトカーや覆面パトカーの位置を確認する。


「アタシらが一番近いですね」


 画面を横目でにらみ、そう言いながらリュドミラはすでにハンドルを切っていた。

 頷きつつ竜児は、イヤホンに組み込まれた骨伝導マイクを意識しつつ。 


「機特一〇一、道修一から」

『機特一〇一、道修一から了解願います。一一〇番、淡路町三丁目〇号〇番地のマンション『ビーンストーク淀屋橋』より男性一名が頭部を撃たれ意識がないとの、同人の妻と称する女生からの通報。整理番号二一八どうぞ』

「機特一〇一、了解」

『なお、通報内容から銃器使用の事案である事から、本時刻を持って特別指定重要事件に認定、火器の使用制限を解除。対処にあたっては受傷事故に十分留意し対処してください』 

「機特一〇一、了解」


 実紅が通信を終わる寸前、リュドミラはコンソールのタッチパネルを操作しルーフに赤色灯を展開し点灯させつつ、左右のボディ貼られたシート状のモニターに『緊急車両が通過します』の文字を日本語、簡体字、ハングル、キリル文字で表示させると苦笑を浮かべながら。


「さてさて、楽しい一日の始まりだ。Хорошо(素敵だ)!」


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ