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見たのは無限の可能性

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ルイン(所持金200万ルド 1000万エメラ)

1時間後


「大体1万ぐらいは増えたか?やっぱ俺に合うのは競馬だけだな。うん、今なら勝てる気がする。」


〈ワマグランレース・ベットゾーン 1F〉


「やっぱここにくるだけで安心するな。おっちゃん、何が当たると思う?」


近くに座る男(NPC)に聞く。顔をこちらに向け、視線が合う。


『ふっ、8番だな。あの脚は長距離に向いているだろう。それに、今回のレースは前回勝った14番が出走するが…………ことも考えるとやはり8番が勝つだろう。』


「ありがとよ」


思ったよりガチで返されたから8番に賭けることにした。うーん、おっちゃんのありがたーいお話を聞いたおかげでいつもより勝てる気がする。負けたらあいつのせいに出来るしな。


「あー、8番に1000万」


8番に1000万を賭ける。オッズは……4倍か。まぁこれはいつも通り。そのままレース場を覗く。いつもよりかなり人が多いな。そう思った瞬間ファンファーレが鳴る。


『本日最後のレースとなりました。ワマグランレース。今回のルートは2800メートル、天候は晴れ。馬場状態は稍重です。全ての馬がゲートに入りました。』


少しの静寂の後、ゲートが開き、一斉に馬が飛び出す。馬と言っても現実の馬とはかなり差がある。2800メートル程度は1分を切ることもある。


「8番はかなり後方にいるな、これいけんのか?お、動き出した」


『先頭は3番!その後ろを9番が追う。1馬身ほど離れた場所から14番が様子を窺っている。おぉ!ここで8番があがってくる!残り200メートル。8番が上がってくる!14番も負けじと食いつく。が、届かない!8番差し切ってゴール!!』


「おっ!まじで勝った!あとでおっちゃんになんか奢らねぇとな。これで4000万か、少し余裕は持てたかな」


所持金の表示が4000万になる。豪遊……は無理だが少し心に余裕が持てるぐらいの額だ。これで買える物は限られているが、可能性は無限だ。次はどの馬に賭けようか……


『そこのおにいさん。ちょっと寄らない?」


視界の中にバニースーツを着た女性が現れる。これ全年齢対象だったよな?


「なんすか」


『今日のレースはもうないし、少し私のお店で賭けて行かない?もちろんここと同じぐらいたのしいわよ。』


怪しい。レース場までわざわざ集客しに来たのか?どうせ勝った奴から巻き上げるような極悪非道な店だろう。こんな馬鹿怪しい場所に行くやつはいねぇだろ。


〈ミスティ・バー ──F〉


『店長、お客様を連れてきましたよ。』


お客様?一体誰のことだ?俺はこの子についてきただけだが。


『おう、あんた好きな場所座れや。一杯はサービスだ。好きなのを頼め。』


「は、はい」


どうやらお客様は俺のようだ。とりあえずオレンジジュースを頼む。すぐ来た。まぁ、メニューが二つしか無いからそりゃ早いな。


『あんた、この店に来たってことは賭けに来たんだよな?』


「は?」


『……もしかして、てめぇ冷やかしか?サービス分のオレンジジュース一本2億エメラ払うか?』


「店長!ここで賭けさせてください!」


これ普通に詐欺だろふざけんな











ルイン(所持金200万ルド 4000万エメラ)

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