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[プロローグ]-最終決戦-

※この話は「転生魔王は青春がしたい!!」の[プロローグ]と8割方同じ内容です。大枠は変わらないので読み飛ばして頂いても構いません。(逆に残りの2割は変わってるから見て欲しい感はありますが....)

風が優しく吹き、月明かりに照らされる城。そこは一見、鳥のさえずりさえ聞こえそうなほど穏やかだが、ピンと張り詰めた空気がかすかに漂っていた。1日中歩いても網羅できないほど広い城にはもはや人影はなく、花だけが生を懇願している。

そんな城の1番大きな一室にたった2つ、影が睨み合っていた。一方は、美しい容姿をもち、羊の角のようなものを頭から生やした女性。もう一方は、よくあるRPGゲームに出てきそうな装備に身を包み、背中に剣を背負っている男性。それぞれ、魔王と勇者である。

今にも窒息しそうな静寂の中、魔王が静かにその静寂を破る。

「最後にひとつ、お話をしませんか?勇者殿」

そんな優しい声に驚きながらも勇者も言葉をかえす

「今更、言うことは無い。あとは剣を交えるだけだ。」

「まぁそう焦らず、時間ならいくらでもあるんです。最後の会話になるかもしれないのだからいいじゃないですか。」

「...少しだけだぞ」

「貴方は異世界からの転移者でしたよね元はどんな世界にいたのですか?」

「そこは────」

勇者にとっては当たり前で、退屈だった話の数々。だが、ふと魔王の方を見てみるととても充実した目をしていて、少しだけこの剣に躊躇いを見せた。勇者が話終わると魔王は口を開く

「是非とも1度経験してみたいものですね...」

「そういいものじゃなかったさ...さて、もうそろそろいいか?」

「.....分かりました」

一気に空気が重くなる。

「....!?」

勇者は思わず1歩引いた。怯みながらも、なんとか剣を鞘から抜く。さっきの躊躇いは今の"危機感"で吹っ飛んだ。鞘と金属が擦れる音が静寂の中に静かに響く。いよいよ、最後の戦いが始まるのである。1度深呼吸して、魔王は言葉を放つ

「....はじめましょう」

それは、先程まであんなに穏やかに喋っていた者と同じ人だとは思えないほどの圧で、思わず吹き飛ばされそうなほどであった。

魔王が手を振るう。すると無数の赤い魔法陣が展開された。勇者が驚くまもなく魔法陣から炎が飛び出す。勇者は剣を駆使しながら炎をいなし、なんとか距離を詰める。

(間合いに入った。これで....)

パキィィィィィン

剣が折れた。勇者が持つのは人間界での最高傑作と言っていいほど素晴らしい剣だ。しかし、魔王が使ったのは、剣士の勇者でもできるくらいの一般的な防御魔法だ。最高傑作の剣が、いや人類が一般防御魔法に敗れたのだ。

(ありえない。考えられない。息が上がる。心臓が五月蝿い。......怖い───)



俺は、もとはそこら辺にいるただのしがない大学生だった。何不自由なく暮らし、彼女も出来ていた。どちらかと言うと、勝ち組だと自分でも思ってた。転移時も舞い上がってたのだろう。急に足元に魔法陣ができて、転移された。困惑はいたけどみんなによいしょされて、成り行きで勇者になった。そんなに努力もしてない。研鑽も積んでない。ただ、己の元々の強さと運だけでここまで来た。それが祟ったのだ。それだけの話...死んで当然だよな....こんな内面ゴミ人間.....


嫌だ!嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ死にたくなんてない。普通に考えておかしいだろ。なんだよ勇者って。急に呼び出して、世界を救え?ばっっっかじゃないの?こんなとこで死んでたまるかよ。王様ぶん殴るまでは絶対に終われねぇ、おわらせねぇ....

「熱くなってきたなぁァァアアア!!」

魔王が戸惑いの表情を見せたが、もう関係ない。俺はこの時点で綺麗な勇者像を投げ捨てたのだ。

「おれは勇者なんだよ!つまり主人公なんだ!何やってもいいよなぁ!」

突如、勇者の手が光り出す...

(あれは...)

「スキル!『創造(クリエイト)』!」

光が集まり、顕現したのはなんとガトリングガン。スキル:創造(クリエイト)は原則、その世界のものしか顕現させることが出来ない。しかし、勇者はそれを突破したのだ。なんてったって主人公なのだから。

「くらえぇぇぇ」

勇者がガトリングガンをぶっぱなす。魔王は、見たこともない新兵器に戸惑い、ダメージを負ってしまったがなんとか防御する。しかし、ガトリングガンは半永久的に撃つことができる。このままだと魔王が負けるのも時間の問題だろう。

「くそ、私も負ける訳にはいかないのだ!皆の未来のために!」

「うるさい!こっちが正義なんだ!正義が必ず勝つ!」

「「うおおおおぉぉぉぉおおおおおおお!!!」」

耐えかねてガトリングガンがオーバーヒートした

(煙で見えない今のうちに剣を再生させる!)

すかさず魔王が防御をとき、攻撃をしかける。雨を降らせ、それを凍らせて勇者を固定。仕上げに正面から雷撃を放つ。これは...いける!剣の再生は終わった。突っ込めば油断してる魔王を突破できる!!

「スキル、『神速』!」

ものすごいスピードで拘束をとき、魔王に近づく。スキル『神速』で乗ったこのスピードで魔王の腰を真っ二つに切る!もういい!死んでもいい!だけど、魔王だけは冥土に連れてく!!

腰に刃が当たる。魔王は決死の覚悟で手をかざし、魔法陣を展開する。無色の魔法陣である。つまり、単純な魔力の弾丸。弱そうだが、魔王のものとなると人1人殺すのには十分すぎるほどだ。魔力弾を放つ。勇者の左胸が一瞬として消え失せた。剣の進みも少しは遅くなった。しかし、もう遅い。剣は手製であるが、紛れもない勇者の剣であり、それには魔王に特攻がある。剣によって傷つけられた箇所は、治癒魔法が効かない。じきに出血多量で死に至るだろう。勇者のほうは...いうまでもないだろう。

2人は同時に倒れた。最終決戦。最後に立ったものは誰1人いない。月は何事もないかのように、他人の力を借りながら、自分が一番美しいと叫んでいる。

魔王が口を開く。

「最後のスキル...あれはとても素晴らしいものでした。私でも追うことができなかったのですから....」

「アンタも充分凄いさ。さすが魔を統べる王といったところか...」

「...あぁ、死んだらどうなるのでしょう。この世界の一番の謎ですわ。」

「すぐにわかるさ、アンタも俺も。そう焦らなくてもいい。」

「もし転生するなら、あなたが言っていた世界に行きたいものです...」

「...行けると..いい...な」

勇者が息絶える。しかし、意識だけはその場に留まっていた。もし、この声が神に届いているならば私は最強になりたい。どんな悪でも懲らしめられるようなそんな力。そして...大切な"あの人"を........





「いいでしょう。その願い聞き届けました。」

こんな声が響いたあと、俺の意識は途絶えた。

お疲れ様です。夜月です。世界観の共有って面白いですよね!そんな"面白い"、実現しない訳には行きませんよね。もし借したら転生後は別の世界かな?まぁそんなのただのうさぎさんには関係の無い話なのですが...え?そっちが何かしてるんじゃないのかって?そんなわけないでしょ〜私もただの1〈読者〉なんですから、そんな先読みみたいなことしたら"面白くない"じゃないですか〜。まぁ話はここら辺にして...最後に、この話がイイ!と思ったら、良さげな評価を残して行ってくださると、大変励みになります!! また会えることを楽しみにしていますよ!それでは、お休みなさい。こちら、月夜見放送局からでした〜。

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