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泉の女神

作者: 馬戸 正棋

 やってしまった…。斧を泉に落としてしまった。

 なんてことだー!一か月前に買ったやつを!

 …新品というには古いし、かといって愛着がわくほどは使ってないな。

 そう思うとなんか気が楽になってきた。悔やむ気にもならない。

 うん、帰ろう。新しいのが家にあるかもしれないし、古いやつもあるだろう。

 なんて踵を返そうとしたら、どこかから声が聞こえてきた。…泉の方か?

「あなたが落としたのは、この金の斧?銀の斧?普通の斧?Wiiリモコン?」

 これはあれだ。そう、あれ。…なんだっけ?

「いや分かるでしょ。わたしの立場そんなにマイナーじゃないでしょ」

「待て…名前が出てこない。知らないのかもしれない」

「…正直者ね」

 なんなん。煽ってるのか、こいつ。

「わかる?わたしは泉の女神なの!さすがに知ってるでしょ」

「スマン、そういうのはトイレとカスタネットの奴しかわからない」

「えー、教養浅すぎー。正直者すぎるでしょ。…カスタネット?」

 やっぱり俺のことを煽ってるのか?

「カスタネットの女神なんて知らないわよ!あのね、わたしだって怒るときは怒るのよ!ほらね、この斧でパカってやるよ?剣道の達人の如く。せいぜい無防備なあなたは真剣白刃取り~斧ヴァージョン~でもしなさい。」

「なにこいつ…もしかして、斧の女神?」

「違うわよ!なんで!わたしは斧の中からニュインって出てきたわけじゃないでしょ!」

「出できた場所に住んでるのか?待て、それだとトイレのあいつはトイレから出てきて『あなたが流したのは忘れられない過去?それとも目障りな栄光?』って聞くのか?」

「どんな女神よ!というかそれわたしの泉の女神と混じってるよ!そして何を聞いてるのよソイツ!」

「案外トイレットペーパーのみって答えるかもな」

「意図が読めない迷惑客だ…」

「ていうか何なんだよお前!誰だお前!」

「泉の女神よ!知ってるでしょ!昔話でも読みなさい。あと場の空気とか、大手企業のホームページも読みなさい」

「大手企業そんなイメージないんだけど」

「そう?結構載ってるよ、わたし達の事」

「あるんだ…たち?複数人いるの?」

「そりゃそうでしょ。逆立ちの女神とか載ってるよ」

「やけにピンポイントだな…」

「後、他にも吸血鬼の後遺症持ちの兄とか、自称参謀ポジの妹とか」

「…なんか聞き覚えあるんだけど」

「もしかして、イヤヤギさんのこと?」

「他人の苗字を嫌そうに言うんじゃない」

「失礼、噛みました」

「違う、わざとだ」

「かみまみた」

「わざとじゃない⁈」

「あんまりだ…」

「こっちのセリフだよ…てか、他人様のネタ勝手に使っちゃダメだろ。特にかかわりもないのに」

「何よ。行間も読みなさい!原作の」

「な、何の?」

「かいけつゾロリ」

「何でだよ!」

 ゾロリははちゃんとイラストもあるから読みやすいかもしれないけど。

「さて、のども乾いてきたから本題に入るわよ。どれを落としたの」

「どんな理由だ…落としたのって、そりゃ一か月使ったやつだけど」

「え、このWiiリモコンのこと?」

「なわけ…Wiiリモコン?なんで?」

「あー、ちゃんと言ってなかったけどこれ全部一か月しか使われてないんだよね」

「なんでそんな…」

 それだと金銀のやつも中古になるな…

「で、わたしの話を知ってる人なら知ってるだろうけど、ここで正直者はいいものを得られるけど、噓つきはパクられて終わりよ」

「自分でやってることを悪事みたいに言ってる…」

「さぁ言いなさい。何を落としたの?」

「俺は…一か月前から、落ちてた木の枝五本と石一個をDIYして作った斧の次に使い始めた斧を落とした」

「落とした斧の方を言いなさいよ!てかそれあつ森やん!あつ森の斧の作り方!」

「思ってたよりうまくできたけど、斧と言うにはふさわしくなかった」

「…そうなのね」

 泉の女神(自称)は深呼吸をし、こう言った。

「あなたは正直者すぎるから、わたしもついてきます。あなたを見守らないと心配だから」

「うわあ、迷惑」

「やめてよ、泣くよ?」

「だいたい俺のこともよく知らないだろ」

「いや、結構わかるよ?名前は『パラリンピックの審判の親戚』でしょ?」

「どんなやつだよ…俺の名前は湯西究明だ。」

「いい名前ね。『パラリンピックの審判の親戚』の方がいいけど」

「どんなセンスだよ…」

「一応、人間用の名前を用意しないと」

「なんか怖いから俺が決める。今日からお前は」

 栄森冬子だ。

「無難な名前ね。『二月ってなんか短い』よりも」

「そりゃそうだろ…」


「これがね、わたしと究明との最初の出会いだったの」

「冬子ちゃん?さすがに嘘よね?なんで究明は斧持ってるの?怖いよ」

「さあ?信じるか信じるしかないかは、久琵ちゃん、あなた次第です!」

「無理やり信じ込ませようとしてる…」

 本当の話は、いつか究明から聞くとしよう。覚えているかは分からないけど。

 私、島戸久琵のお話も。湯西究明や栄森冬子とのお話がいつか語られるように。

初めまして。馬戸です。本当に適当に書きました。今後のことは何も考えていません。ただ、今後もしかしたら今回のこの三人をメインの登場人物として書くお話を投稿するかもしれません。それはその時書く自分次第でしょうし、仮に書いたとしても、もしかしたらこの三人は出てこないかもしれません。それに、多分そのお話にこの三人はそれぞれ違う性格、特技、過去を持っているでしょう。だから、もしそのようなお話が読みたいと思っても期待しないでください。出たらラッキーってぐらいの気持ちでおねがいします。少なくとも、こっちにもやるべきことがあるので、約一年は無理でしょう。約一年後にもし自分が覚えていて、お話を投稿できたらいいなって今は思ってます。最後に読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。一年後も、その先もどうかお元気で。

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