表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/58

■■■■の見た夢

 そうして、春がやってきました。


 見捨てられそうだった誰かを見捨てることはなく、切り捨てるべきものを切り捨てて、みんなは次の季節に辿り着きます。


 ちょっとした石につまづきながら、もう無理だって泣きながら、次でだめだったらやめにしようって弱気になりながら、それでもあの子は立ち止まりません。

 だから、こうやってちゃんと報われたのです。


 困りごとはこれからもあるけれど、今はたくさんの人が笑っていて。

 領主はまだまだぽんこつだけど、なんだかんだみんなに好かれていて。

 きっとこれからも、この場所のいのちは続いていきます。

 雪に埋もれた道を歩く時みたいに、ちょっとずつちょっとずつ先に進んでいくのです。


 雪も氷もとけてなくなって、お花がたくさん咲いていて。

 白い雲に青い空が広がっていて、ちょっとあついけど、悪い気はしなくて。

 小鳥がうれしそうに鳴いて、虫は……あんまりすきじゃないけど、お祝いみたいにたくさん飛んでいて。

 いちどもみたことはないけれど、きっとすごくきれいな景色が広がっていて。


 なのにちょっとずつ、うとうとぼんやりしてきて、なごり惜しくって。

 そんなすてきな風景の中で、わたしは眠りにつきたいのです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ