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暴君ネロの2度目の治世  作者: Kaiser
即位・ゲルマニア編
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母親は重荷になる

今日は2度目の戴冠式の日だ。

結果として式は大成功と言っていいだろう。特に演説は転生前よりうまくいった。

だけど俺以外の人間は転生前と同じ様に動くから、目新しさは全然なかった。むしろ懐かしさを感じたくらいだ。


あぁそうだ。1つ面白いエピソードがある。

元老院の1人にアクィリウスと言う男がいる。コイツは1回目の戴冠式で自分のトガ(長い1枚の布でできた上着)を踏んで派手にコケた。案の定今回も同じことをやった。

1回目の時はそのおかげで緊張が和らいだが、今回は緊張なんてまるでしてなかったから笑いを堪えるのが大変だった。

これが転生してから1番面白かった話だということは言うまでもない。


まあとりあえず面倒くさい戴冠式は終わった。あとは政務のほとんどは元老院に任せて、俺は送られてくる書類にサインしたり、あとは皇帝にしかできない政務を本当にやんわりとこなすだけでいい。

しかし!決して暇じゃない。俺には抱えている問題が山のようにある。これを解決しない限り、俺は前世と同じ様に母殺しで弟殺しの妻殺しと呼ばれて軽蔑される。


問題1つ目が母親だ。

俺の母さんアグリッピナはよく言えば向上心の塊。悪く言えば自分の野心のためなら夫も叔父を殺すような人だ。

俺の前の皇帝クラウディウスとは叔父と姪の関係にも関わらず、母さんは無理矢理再婚した。それから連れ子の俺をこれまた無理矢理後継者に仕立て上げた。その後クラウディウス帝を暗殺し、見事自分の息子を皇帝に仕立て上げた。

これだけでもかなり大問題だけど母さんが生み出す問題は他にまだまだある。あまりにも問題を量産して手に余るので最後は殺した。

これ以降俺は母殺しと呼ばれている。


問題2つ目が義弟ブリタンニクスの存在だ。

俺が皇帝になってから数年で母さんとの関係は結構最悪になった。

母さんは俺の権力を使って政治を意のままに動かそうとしてたけど、俺は母さんに干渉されるのが凄く嫌だった。だからかなり反抗してた。

母さんは俺を思い通りに操れなくなったから、もっと操りやすい人物を皇帝にしようと企てた。それがクラウディウス帝の息子。つまり本来の帝位継承者であるブリタンニクス。俺の義弟にあたる子だ。

そうなると現在皇帝の俺は邪魔になってくる。だから母さんは俺を暗殺しようとしたわけだ。

俺は先手を打ってブリタンニクスを暗殺した。俺の帝位を継ぐ人間が消えれば母も思い止まるという考えのもと暗殺したが、ブリタンニクスはいい子だったからできれば殺したくなかった。

いずれにしろこれ以降俺は弟殺しと呼ばれている。


そして問題3つ目が妻のオクタウィアだ。この問題だけ少し個人的な問題だが重要な問題だ。

オクタウィアは先代クラウディウス帝の娘で、先述のブリタンニクスの姉だ。

俺はこのオクタウィアと結婚したのだが、これは母さんが勝手に進めた政略結婚。まぁ上手くいくわけない。だってお互い全然愛してないんだから。

いや、俺は最初ちゃんと愛してた。誠実で物静かで可愛いオクタウィアが好きだった。でもオクタウィアは俺のことを恨んでた。

オクタウィアはシラヌスという男との婚約を俺の母さんに無理矢理破棄されて俺と結婚した。

シラヌスは俺とオクタウィアの結婚式の日に自殺したらしい。そりゃ恨むよな。

結局俺も愛情尽きて離婚した。その後再婚の邪魔だから処刑した。

当然だけどこれによって妻殺しと呼ばれるようになった。


まあとりあえず早急に解決しなきゃいけない問題はこのくらいだろうか。

全部の原因が母さんじゃねえか!こんなのどうすりゃあいいんだ?

オクタウィアはまだ自力でどうにかできる。だけどブリタンニクスについては母さんを止めるしか打つ手がない。でも母さんを止める方法なんて殺害くらいしか思いつかねぇ。そしたらまた同じことの繰り返しだ。


でも今母さんの事を考えてもどうにもならない。とりあえず今自分でできる事をしよう。つまりオクタウィアの部屋に行って、仲を深めよう。

とりあえず今日の戴冠式の話題で10分くらいは話せるだろ。

俺は早速オクタウィアの部屋に向かった。

ネロの脳内会議の回だからセリフがない!?

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