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3/7

第3話 ランチタイム

短編冒頭を短編完結へ!

全7話です

「ね、ラインハルトぉー」


 廊下に出た途端、べったりとくっついてきたのは赤いドレスの女の子!!!


「お前、誰だよ!」

「幼馴染のリアちゃんを忘れたなんて言わせないわよぉ」


 右腕に絡んだ彼女は、茶髪のショートヘアだ。

 肩がぐるりとあいて、胸元がアピールされた赤いドレス。

 だが、小ぶりの胸にはあまり似合ってるとは思えない。


 オレは腕を大きく振り払い、キルヒアイスのとなりを歩く。


「キルヒアイス、どうなってんの、これ」

「ラインハルト様の婚約者のリア様じゃないですか」

「……は? 婚約者、何人いんだよ!」

「3名ですが? みなさま、明日のキルヒアイス様の誕生日に、本妻になるか側室になるかで、かなりお立場がかわりますからね。ただ、本来は今日、イザベラ様は側室にも入らないことが決定されるはずでした」


 左腕が急に重くなる。


「待ってよぉ、ラインハルトぉ。イザベラとは婚約破棄したんでしょう?」

「してねーよ! 誰がするか!!!」

「はぁ? あたしと約束したじゃないのよ!」

「いつ!?」

「覚えてないの? ほら、5歳の頃、アッフェの丘で」

「めっちゃ覚えてねーし!!!」


 振りはらって入った部屋は、豪華絢爛な食堂だった。

 キルヒアイスがひいてくれた椅子に素早く腰をおろすが、どうしてかリアがとなりに座りだす。


「今日はお前と過ごす気はないから、家に帰れよ」


 ナフが届き、膝にのせるオレに、リアもどうしてかナフを膝に広げている。


「クリスティーネなんかより、あたしのほうが可愛らしいと思わない?」

「イザベラが一番なんで」

「なんで、あんな冷徹女! いっつも、あたしとクリスティーネ、どっちにしようって言ってたじゃない」


 そういう設定か……。

 確かタイトルって、『悪役令嬢イザベラは溺愛されないのなら追放されてさしあげます』みたいな感じだったよな……。


 うーん、雰囲気からするとー

 イザベラが、リアとクリスティーネをいじめてるのか?


 で、オレに……オレにだって……ふふ。

 このオレにー溺愛されないなら、追放されていいってことだから、


 ………オレが溺愛すれば問題ないってことだよな……」

「何、ぶつぶつ言ってるの?」


 声に出ていたようだ。

 オレは届いた前菜のサラダを頬張りつつ、考える。


 この話は、きっと、オレ含め、リアとクリスティーネがなんかするんだろうな。

 でー、イザベラが追放されて、どうすんだろ。

 何すんだろ。


「……なにすんだろ……」


 ポタージュを飲みながら、オレは思う。

 もしかして、イザベラ、本当はオレに溺愛されたくないんじゃないかって。


「ね、ラインハルトぉ、明日の誕生日会のドレスなんだけどぉ」

「延期」

「は? なに言ってんのよ、ラインハルトぉ」

「延期する。キルヒアイス、誕生日会、延期。来週にして」


 オレの真剣な表情がわかったのか、キルヒアイスはゆっくりと頷いた。


「無理です」

楽しんでいただけたら、“☆”や“いいね”で反応いただけると、嬉しい&勉強になります!


全7話! 残り、4話でーす

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