第5話: 本当と嘘
翌日―――。
私は叔母さんに電話をかけた。
紗夜の事を知るために。
プルルルルッ……
「はい。小川ですけど……どちら様でしょうか?」
「あ、高木ですけど、美穂さん居ますか?」
「え? 憂ちゃん? 私だけど……どうかしたの?」
電話に出ていたのが叔母さんでよかった。
「まぁ、ちょっと……あの、早速ですけど、私に双子の姉妹っていますか?」
私はドキドキしながら、返事を待った。
「憂ちゃんに双子の姉妹? うーん、そんな事一度も聞いた事もないわねぇー」
私は叔母さんの言葉を聞いたとき、粟立った。
一度も聞いた事がない……?
じゃあ、アレは一体、誰なの!?
本当に血は繋がって無いの?
でも、紗夜はどうして嘘を? でも待って、紗夜の言った事が真実だとしたら?
あぁ……! 頭がこんがらがってきた。
「憂ちゃん? どうしたの? もしもし?」
私は我に返る
「あ、そうですか……じゃあ、これで、失礼します。ありがとうございました」
私は電話を切り、その場に座り込んだ。
叔母さんさえ知らなかった……。
でも、紗夜は私の事を双子だと言った。
どうして―――……
紗夜、貴女はいま、何処にいるの?
なんで、私が憎いの?
双子の姉妹なら、なぜ、私達はバラバラに生きているの?
なんで?
ナンデ――?
どれが本当で、どれが嘘?
本当の真実を知っているのは――――誰?
「あたしよ?」
私は、その言葉に驚いた。まるで私が思っていた事を読まれたみたいに……。
声がした方を向くと――――そこには私が……。
私……?
違う紗夜だ――。
「なんで此処に……? 貴女が居るの?」
声が掠れる。
「クスッ……なんでですって? 答えてあげる。あんたが思っていた事
考えていた事、全てをね?」
そう言い、紗夜は口元を歪め、不気味に妖しく微笑んだ―――。
このときから……ううん、違う。
あの時から
悪夢は、
始 ま っ て い た ん だ―――――。




