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擬死態  作者: 面映唯
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【万華鏡のような現実】

「きゅう……」


 玖にとどめを刺した明衣は、昇降口を出て校門の前にいた。中庭を中心に外側に向かって炎が燃え移っている。北、南校舎ともに白煙が上がり、渦を巻くように黒煙を噴き上げていた。


「早く行くぞ」


 校門の前に着けてあるセダンの運転席の窓から、八条が呼んでいる。助手席には水城の姿が見えた。後部座席には間宮真子が乗っていた。


 明衣はもう一度校舎を見上げた。


 本当にこれでよかったのだろうか。


 え、わたしがそれ思っちゃう? さんざん酷いことをしてきてたくさん人を傷つけて、でも今回だけは本当にそれでよかったか、なんて思っちゃうの? 他の傷つけた人たちに失礼じゃない?


 そう明衣が思った理由は、後味が悪かったからだ。当初の計画とは異なったものの、玖を殺すという着地点は同じようなものだったが……。



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