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その頃天界では 2

メールを見てルミサリネはすぐに行動した


「ラーミラ。私ちょっと創世神さまの所に行ってくるからしばらくここお願いね」


天界は忙しい。 毎日のように問題が起こる下界、今も転生を待つ魂はたくさんあるのだ

ラーミラは秘書神として他の神達がバランスよく作業できるように仕事を振るのが仕事だが、今回のミスは少なからず自分にも責任があったと思っている


「こちらの事は全てやっておきますのでモリタ ユウの件よろしくお願いします」


「わかったわ、じゃあ行ってくる」


そう言ってルミサリネは創世神がいる天界殿最上階に向かった



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆




天界殿最上階

天井も床も無機質なコンクリートのような色の石で出来ている壁の奥で創世神様はいつも作業されている

なんでも真っ白も金ピカも眩しすぎてイヤなんだとか

ドアは木製で深い色合いで世界樹で出来ているらしい


コンコンとノックをする

「ルミサリネです。創世神様に少しお話があってやってまいりました」


ちょっとしてからドアの奥から声が聞こえる


「ん、開いているから入りなさい」


「失礼します」


ガチャッとドアが開き部屋の中に入る

するとすぐ目の前にソファーとテーブルがありソファーには2人座っているのが見えた


すると1人が立ち上がりこちらに向かって手を振っている


「おぉ、ちょうどルミサリネ君の話をしていたところなんだよ。こっちにきて座りなさい」


創世神は優しい顔で私を手招きする


創世神は私が生まれた時からここにいる

見た目はお爺さんだが、鋼のような肉体で無駄な脂肪はなく真っ白な髪を後ろで束ね長いヒゲが特徴的だ


「は、はい」


創世神様の手招きで創世神様の向えに歩く

すると来客の人?がこちらを向いて笑顔を向けてくる


「やあ、久しぶりだねルミサリネ

覚えてるかな。僕はサーマル 地球の神になってから一度も会ってなかったよね。

僕のメールは呼んでくれたかな?ちゃんと送れたか不安でさ、来ちゃった☆」


「……えっサーマル様なのですか」


びっくりした。目の前の男は真っ黒の髪で短くカットしていて、瞳の色もほぼ黒で服装は紺色のスーツのような物を着てシャツも黒で全体真っ黒な感じで神にはとうてい見えないのだ。

昔、神の里で暮らしていた時は綺麗な銀色の髪でで女性かと思われるほどの長髪をなびかせて瞳の色も銀色で中性的な雰囲気の神だったような記憶がある


「はっはっは、びっくりしているみたいだね

先程創世神様もびっくりしていたよ

地球という星は面白くて頻繁に遊びに降りるんだよ

この格好だと地球人みたいでね、全く振り向かれもしないんだ」


「神気はどうするのですか?あれは隠そうと思っても隠せるものでもないでしょう??」


「それも面白いんだよ。地球人は魔素は全く見えないみたいだね、そもそも魔素が全くない星なんだよ

魔素がないということは魔法は全く使えない。そこを地球人は科学によって発展していき種を存続させ続けているみたいなんだ」


「カガク?ですか

魔法がないのであればモンスターや魔物をどのように?

それもカガクとやらで倒すのですか?」


「はっはっは、そう思うよね。でも地球にはモンスターも魔物も出ないみたいなんだ。そもそも魔素がないからモンスターも生まれないのかもね」


「ではどのように生きているのですか?

魔法が使えないのなら生命を維持するのは大変ですし、モンスターが出ないのなら種は絶滅する事はないのか?そもそも種といっても絶滅するほど少なくないのか…」


「ほっほっほ 聞きたい事はたくさいあるじゃろうが、それはまた時間のある時にするといい。ワシも聞きたいしのう。それで何かワシに話があるのではなかったのか?」



「はっ!!そうでした!実はラーミラ様にも聞いて頂きたいのですが…」


「僕もかい?こっちの星の事はあまり力になれないんだけどね」


「モリタ ユウの件で少し…」


「それなら聞こうかな。急な事で困らせただろうし」


「ほっほっほ、例の人族じゃな

何か困った事でもあるのかの?」


「じ、実は」





「そ、それはちょっと可哀想だね」


「そ、そうじゃのぉ」


「すいません!!」


「いや、モリタユーとモリタ ユウを間違えたって事はちょっとアレだけど、君のそのモリタユーに与える罰としては特に思うところはないかな、むしろGJ位に思ってるよ」


「そうじゃな、1人の行動によって生態系が乱されてはかなわんからの」


「しかし、よりによってスライムになってしもうたか」


「な、何かいけませんでしたでしょうか!?」


「いやなスライムという生物は知能がないのじゃ

基本目の前の物を喰らう。魔素を吸収するのみじゃ。

そんな生き物に地球の魂が入ってしもうたらどうなるかワシにもわからん

もしかするとスライムにその自我まで喰われ消滅してしまってるかもしれん

逆に自我を保ち生きる為に考え生きようとしているかもしれん」


「では!」


「じゃが、スライムという生物はアクアベリルという星では一番弱いのじゃ!

場所によってはまだ生きているかもしれんが…

因みに何処に転生させたのじゃ?」


「も、森の中です」


「どこの森なのじゃ?」


「夏至の森です」


「…あそこかー、色んなモンスターも魔物もおるし、生存は絶望的じゃのぉ〜」


「す、すいません!!」


「いや、お主が悪い訳ではないからのぉ

モリタ ユウには悪いが次の転生の時はワシの便宜を図ろうかのぉ」


「そ、創造神様自らですか!!」


「仕方あるまい。部下のミスは上司の責任じゃ

一緒に謝罪して許してもらうしかあるまい」


「す、す、すみません」


「僕も誤りたいから、彼がこちらに来たら知らせてくれるかい

その感じだとすぐ天界に来そうだけどまだ来てないみたいだし」


「は、はい!魂担当の者にも話を通しすぐ報告するように致します!!」


「話は以上かの?終わったのなら戻って報告を待つことにするかの」


「は、はい!報告は以上です。それでは失礼します。」


ガチャ…パタンと扉が閉まってから創造神はふぅとため息をつく

『地球での謎のミスによる死、ルミサリネによるミスによる転生…モリタ ユウか運悪すぎじゃのぉ〜』


「もしまだ生きていたら可哀想じゃし」



「ほいっ!」


と創造神は窓を開け七色に光る小さな球を放り投げた


「んっ?今のはなんですか?創造神様?」


「今のは創造光玉じゃ

もしまだモリタ ユウが生きておってこの玉を見つけたら少しだけじゃがワシの加護をやろうと思っての」


「へぇーすごいじゃないですか!

因みにどんな加護なんですか?」


「なーに【魔法創造】ってちょっとしたスキルとそれを使う為の【MP使用減少(激大)】と大したことないスキルじゃよ

もともとスライムはMPが少ないしの、上手く使う事が出来るとええんじゃがの〜」


「彼生きてるといいですね」


「そうじゃな」


パタンと窓を閉め天界最上階にてそう呟く2人だった



優しい神様達ですね

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