森の中 2
気持ちを落ち着けてもう一度考えてみる
まず、手足はないが痛みはない
目は見えるようだ
口はあるが声は出ない
息は吸ったり吐いたりしなくてもいいようだ??
ズリズリズリ
ふむ 匍匐前進のように体を動かせば動くようだし痛くない
ピョーン ピョーン
おぉ!結構ジャンプ出来る
体感だと1メートルくらいのジャンプをしているみたいだ
これで移動は出来るな、よし次は森の中だし水分の確保だな
ズリズリ ピョーンピョーン
森の声のような音を聞きながら小川を探すために歩く?歩いたり飛んだりして移動してみる
しばらく森の中をさまよったが小川を見つけられない
うーん、仕事は都会とは言えないけど街の中で、住んでいた所も住宅街だったから森の事とかがまったくわからない。
登ったらいいのか下ったほうがいいのか
この森は色んな木や葉っぱ、花やキノコが沢山生えている。キノコはヤバい色のキノコもあればキラキラしたキノコもあり食べてみたいと思う衝動に駆られるが、死にたくないので我慢する
途中崖があり周りを見渡すと永遠に森が続いているのではないかと思うくらいこの森が広く大きいのがわかった
〈俺目悪かったよな〜視力0.05以下で、メガネがないとケータイも見れなかったのに、すごい遠くが良く見えてうれしいな〉
なんて考えながら
よし!あっちの方に行ってみるかな
崖を降り山の見える方へ歩く?飛んで進んでみた
もう真っ暗だな〜
森のせいなのか太陽だと思われる物が沈み見えなくなってきたら辺りは真っ暗になった
今日の探索はここまでかな〜
とりあえず自分が入れそうな穴を発見したのでそこに入ってみる
誰もいなさそうなので〈おじゃましまーす〉と心の中で言いながら大きな樹の根の隙間に入り込む
ふぅー
この森は生物いないのかな〜
とか色々考えてみた。
全然お腹が空かないしトイレも行きたいと思わない
喉も乾かない〈喉ないからかな〉
不思議な世界だな〜夢だったりして
ガザガザガサガサ
ビクっ!!何だ!
ガサガサガサガサ
近くの草むらから何かが近寄ってくる!
ゴクリ
喉なんてないかと思ってたけどあったわ
ガサガサ
シャーーー!!
《ヘビだぁー!!》
声に出さない〈出ない〉ようにビックリしてそのヘビを観察してみる
なんかあのヘビおかしいな
なんでヘビの尻尾にも顔あるの???
泣きたくなった
やっぱりわかってたつもりだけど、ここは地球じゃない!!超怖い!あんなのに噛まれたら毒とかヤバい!
シャーーー!!
ギジャーー!!
ひっ!尻尾も鳴いてる
もうどっちが頭かわからないしヘビって顔怖い!
息を潜めて待っているとヘビは目の前を通り過ぎて去っていった
ふぅーーーー
超ビビった 漏らしかもしれん〈ない〉
いなくなったことを確認して木の根から出てみる
この森はヤバいな
バキバキー!!バキバキ
ぎゃー!!今度はなんだー!!
あわててさっきの穴に戻る
ギャッギャ
ギャギャー
今度は何だ?
緑のあれは人?いや額からツノみたいなのが見える
まさかゴブリン!
目の前をゴブリン二匹が歩いている
どうやらさっきのヘビを探しているみたいだ
ヤバイ。ここにいたら見つかる
だけど動いたらバレるしどーしよ
喋る事も出来ないから平和的解決は出来そうもない
白旗あげようか…あ、手ないから旗持てないわ〈泣〉
そうこうしてるうちにゴブリン達はとなりの木の根まで迫ってきている
どーしよ!一か八か体当たりして逃げるか
ギャギャ?
とうとうゴブリンがこの穴を覗いてきた
「うわぁー!!」
〈シャーー!!!〉
「えっ?」
なんと木の根の上にさっきのヘビがいてゴブリンに噛り付いた!
このヘビさんカッケー
そう思って穴から覗いたらお尻のヘビさんに睨まれた
やっぱ怖ー
ゴブリンは一匹は噛まれたがもう一匹はピンピンしている
持っていた木の棒?棍棒をヘビに叩きつけた
ギャギャー!!
ヘビが攻撃を読んだのか棍棒?木の棒が来る前に牙を抜き離脱
シャーー!!
ギャジャーー!!
Uの字でゴブリンを威嚇している
ゴブリンは噛まれた方はちょっとビビっているようにみえるがもう一匹は元気なのでヘビにトドメを刺そうと棍棒を構えた
二匹は同時に動いた
ヘビは牙、ゴブリンは棍棒
決着はやはり棍棒で棍棒に叩かれたヘビはグダッとなっている
先程噛まれたゴブリンがやってきてヘビを棍棒でもう一度叩いている
汚い袋のような物にヘビを詰め込みゴブリン達は去っていった
この世界のありかたを見た気がする
尻尾も頭のヘビ
怖い