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クロードの主人

 

「君さぁ、結局誰なのよ」


 暗い暗い意識の中でルイは男に問い掛けていた。睡眠に入る度に、毎回ルイはある男に質問していた。




「ふぁぁあ、朝かー」


 ルイが目覚める。太陽は丁度、頭を出して登り始めるころだ。


「あれー?」


 頭が柔らかい。ルイはミストに膝枕をされていた。ミストはまだ寝ているようだ。


「……」


 どす黒い感情が湧き出てきたが抑える。僕にはそんな物は必要ないと言い聞かせるように。


「ふぅ」


 ルイは寝ているミストを起こさないように立場を逆転させる。これも、彼なりの気づかいというものだろう。


「それにしても……」


 昨日の奴はなんだったんだと振り返る。俺と互角以上の力を持っていた。さらにはあの態度、王国に忠誠を誓っている訳でもないだろうが王国を護ろうとする行動。それは、ルールを破った者への罰を自分が実行しなければ、そんな風にもとれた。


「うん……」


 ミストが目を覚ました。少し周りを見た後に、この状況を確認すると、素早い動きでルイから距離をとった。


「最低……」


「いやまてそれはおかしい。硬い地面がつらいだろうから、こうしてやったのに」


 両者はしばらくお互いの目を見ていた。その均衡を破ったのはミストだ。


「……今回は許してあげる、ありがと」


「じゃ、許されてもらおうかな?」


 二人は拠点に帰還する。のだが、これが意外と大変な事に気が付かされた。行きは馬車に乗ってきたが、今は? そう、徒歩だ。これには何日掛かるのか、二人は想像もしたくない。さらに最悪なのは食料についてだ。食料は無い、水はミストの持っている水筒のみだ。ここからが本当の闘いなのかもしれない。



「しぬ……」


 ルイは干からびていた。あれからもう一日が経つ。まだ三分の一くらいしか進んでないのだが、あと少し歩けば村があるはずだ。






「ルーファス卿、そろそろですかね?」


 アストレア領にて、領主であるルーファスとRの指揮官であるベルフがお茶を飲んでいた。


「そうですね、まぁ結果はわかっていますが」


 ルーファスはベルフに敬語を使っている。それは、ベルフがルーファスの剣の師匠であるからだ。さらに子供の頃に屋敷から出る事の出来なかったルーファスをこっそりと連れ出して外の世界を見せた人物でもある。そういう経緯から二人っきりの時は敬語を使っていた。


「それにしても、あのルイは化物ですね。俺でも勝てないと思いましたよ」


 ベルフはしっかりと、ルイとルサの戦闘を見学していた。さらにいえばルカが加わった後も。


「ええ、生身の人間がナイフ一本でアーティファクトを倒せる。はっきり言って異常なんですよ」


「さらに言えば人格も変わっているみたいですしね」


 ベルフはあの戦闘のみで人格が違う事に気が付いていた。ルーファスは元より知っていた。それは、報告などを聞いて推測しただけなのだが。


「彼にだけ合わなければ良いのだが……」


 ルーファスは少し心配そうな顔つきで言う。かれとはもちろんクロードの事だ。三騎士についてはルーファスも頭を抱える。Rの面子でも一対一では普通勝てない。その為の二人以上での任務参加。


「そうですねぇ、しかしもしかしたら……」


 クロードはアーティファクト持ちとされている。それもとびきりのランクのをだ。アーティファクトと一括りにいっても強さの違いは必ず生じてくる。





「お前がいたのに暗殺されたとは、どういう事だ」


 クロードはブリュノ子爵領内の拠点にて二人の男がいた。一人はクロード、そしてもう一人は貴族だ。


「それがですね、賊の一人に俺と同じくらい強い奴が居ましてですね、そいつに足止めされたんですよウェルド様」


 貴族の名前はウェルド、アスタホワ侯爵家の長男である。国王派の貴族を率いるアスタホワ侯爵の次期後継者である。

 そのウェルドが驚く事が一つ、この男クロードと同程度の力の持ち主がいるという事。


「まぁブリュノ如き死のうと構わないのだが……それで、賊はどんなアーティファクトを持っていた?」


 クロードと互角ならアーティファクト持ちなのは確定という認識なのだ。たとえクロードがアーティファクトを持っていない状況だとしても。


「いえ、それがアーティファクトを所持してなかったのですよ。私も此処に忘れてしまって」


「ふむ、そうか……用があってこんな所に来ていたが思わぬ収穫があったようだな。敵にお前並みの実力者がいるとは、何か考えなければな」


 アスタホワ侯爵は次男を溺愛している。ウェルドは将来、侯爵の座を奪われかねない。通常爵位というのは長男に継いでいくのが常識だ。だが、ウェルドは侯爵と顔が似ていないというだけで、侯爵はウェルドを遠ざけて次男を大切にした。ウェルドは、このままでは危ないと判断し、何か実績を上げる事にした。その結果が、クロードを抱え込む事。これは英断と呼ばざるおえない。体力さえ無限なら王国兵全てを相手に出来る男だ。


「ここは父上どもとぶつけて様子を見るか」


 既にアスタホワ侯爵とウェルドの間に親子間の愛情はない。


超絶多忙と季節の変わり目の温度変化で完全にやられました。まだだるいですが、ちょっとづつ書きましたので誤字とか多分あります

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