決戦! クリスマスイヴ! 2
翌日、俊哉と夏樹、香月の三人は早速職員室を訪ねていた。もちろん、用事は一つ。高橋に昨日のアイデアを持ち掛けるためだ。
「『夜通し大喜利大会』?」
香月達の話を聞いた高橋は思いっきり顔を歪めてみせた。だが次の瞬間には、表情をニンマリと変えて、無精ひげの僅かに残る顎元に手をやる。
「面白そうじゃないか。先生も参加しよう」
『やったぁ!』
香月と夏樹は一緒に飛び跳ねて喜んだ。俊哉は拳を握りしめ、「よし!」と声をあげた。だが高橋は高橋で一人の教師としてこう釘をさすのも忘れない。
「ただし、悪ふざけが過ぎるようなら、即中断な」
『分かりました! 先生』
香月達がそう声を揃えると、高橋ジャッジのもとクリスマスにて「夜通し大喜利大会」が行われるのが決まったのだった。
冷え込む冬は淡々と日を重ねていき、香月達の吐く息が白くなった頃。いよいよクリスマスイヴ。夜通し大喜利大会の日がやってきた。健の家に集まった高橋含む総勢十一名はクラッカーを打ち鳴らす。
『メリークリスマス!』
パーティーの序盤は前座だ。飲み食いすることを楽しむ時間が過ぎていく。みなでケーキやチキンを頬張り、パーティーを心底楽しんでいる生徒達。その様子を見つめる高橋は目を細めている。
食事もひと段落した頃、骨付きチキンを一度噛み千切って夏樹がモゴモゴと言葉にする。彼女の頭には猫耳カチューシャが付けられていた。
「さぁ余興は終わりよ。『大喜利大会』とやらに挑もうじゃないの」
俊哉は望むところだと言わんばかり袖をたくしあげて、夏樹の前に立ちはだかる。
「よし、来なさい」
その二人の様相を目にした高橋は、生徒達を優しく見守っていた瞳を勝負モードに切り替えて、ぎらつかせると、腰を上げる。
「よし。ではこれより『夜通し大喜利大会』を執り行う!」
握り拳を作って息を飲む香月達。高橋がジャッジメントを託された人物に相応しく、場を取り仕切ってみせる
「ルールは簡単。五人、五人の二つのブロックに分かれて得点を競い合う」
香月も袖を捲り上げて戦闘態勢を整える。元旦娘には誰も傷つけない競いごとが向いているらしい。高橋はさらに詳しく付け加える。
「得点の多かった各一名が、決勝の一騎打ち『謎かけ一本勝負』に臨む」
「『謎かけ一本勝負』」
香月達は拳を握りしめる。高橋はこう言って締め括る。
「決勝は皆の多数決で勝者を決める。それでは! 『夜通し大喜利対決』!」
高橋の朱鷺の声に合わせて、皆は声を揃えて、大きな声をあげた。
『開始―!!』




