サンタさんのプレゼント
「れーい! サンタさんに何もらった?」
小学生になったばかりだと思われる少年が、プレゼントを手ににこにこと笑っている。
「サンタさんなんていないんだよ」
そんな純粋過ぎる少年を横に、少女はあっさりと現実を告げる。
「え……」
ついさっきまでにこにこと笑っていた少年の目に涙がたまる。
「サンタさん、いないの?」
「私は悪い子だったから」
「えー、麗悪い子?」
さすがに、麗と呼ばれる少女も悪いと思ったのか、焦りながら言い訳をする。
「それで、竜は何をもらったの?」
「ん!」
今日1番の笑顔で、少年はプレゼント箱を少女の前に差し出す。
「開けてないじゃない」
「麗と一緒に見ようと思って!」
純粋過ぎるぐらいの笑顔を少年は見せる。
「……ばっかみたい」
「え?」
「なんでもない。さ、開けて」
少女の方も、少年につられてなのか、嬉しそうに笑う。
「「せーの!」」
2人の小さな子どもの声が重なり、一緒に箱を開ける。
「クッキーだよ!」
「ほんとだ」
子どものプレゼントにクッキーとは少し驚くことだが。
それでも、2人の子どもは嬉しそうに笑っている。
そして、箱の中のクッキーは、明らかに1人分ではなさそうな量が入っている。
「麗、一緒に食べよう」
「でも竜のでしょ?」
「だって、1人じゃ食べきれないし。麗と食べたいもん!」
ただ、ただ純粋に少年は笑う。
「うん!」
少女もまた、笑う。
「おいしいね」
「うん。麗と食べてるから!」
家の外で降る雪のように真っ白な笑顔。
心の底から嬉しそうに、楽しんで。
2人の少年と少女は笑う──
正直、めちゃめちゃ恥ずかしい話です。
そしていまだに3人称は難しい……。
http://ncode.syosetu.com/n4433y/
の2人が幼いころ。