part2
「昨日行われた軍事侵攻について政府はこう言っています
[今現在多くの死人が出ている。くだらないことで戦争を起こさないでほしい]
ちなみに現在の死者数は...」
「北国民の虐殺は止まりません...今現在北側も軍事侵攻で正面衝突で戦おうと...」
「ただいま南の首都、アーベルが火に包まれました!ついに北軍が戦い始めました...」
「戦争開始から一か月弱が過ぎようとしています...」
「ただいま大統領が撃たれました!犯人はそこで拘束されている模様で...」
「急いで逃げてください!南軍が攻めてきています!急いで逃げてください!」
「政府はこれから15歳以上は必ず戦場に送ると宣言を...」
「昨晩北国のサッカースタジアムが爆撃され、子供たち124名が...」
「1年が今、経過しようとしています...」
「なんという事でしょう...首都のガナウが見るにも耐えない状況に...」
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「気を付けーっ、礼!」
たくましく、大きな声が兵の訓練施設に響く。
「貴様らの隊長となる、エドワードクリプトンだ。君らはわかるとおり、今現在南国との軍事衝突が起きている。3年以上続いて居るが一向に状況は変わらない。それを変えるのがお前らだ。わかったか?!」
「サーイエッサー!」
「声が小さい!もっと大きく!」
「サー!イエッサー!」
「さっそくだがそれぞれ名前を言っていてもらう!いいか!」
「サー!イエッサー!」
隊長が兵たちの列を通っていく。それぞれギロりと一人一人見つめ、怯える兵も少なからずいた。
「おい。お前。」
「は...はい!」
「名前はなんだ。」
「ぼ...ぼくはリール...リール・マインです...」
「そんな芋虫みてえなちっさい声で兵になれるのか貴様はぁ?!」
「ひぃ!すみませんすみませんんん!」
「名前は?!」
「リール・マインです!うう...」
更にまた一人、探し始めた。
「おい。お前。名前は何だ。」
「はい!我はアーム・クイストです!」
「貴様はどこで生まれた。」
「はい!南のハルェイ市です!母が南民で、父が北民でした!」
「南のくっそたれハーフ!お前の母は死んだ!そう思って戦え!」
「...はい!」
また一人。
「おい。お前。名前は何だ。」
「へいへい!ライト・スイン!スインスインっす!」
「ふざけてるのかぁ?!」
隊長の激しい怒号が鳴った。
「ふざけてるわけないよ。ウェイ!これでも両親を犯されて殺されたぜ?!ウェイウェイ!」
「馬鹿にしてるのか!!」
「のんのん。ご怒りはしわが増えるよ~。」
「...もういい!ファッキン野郎!次!隣だ!」
「!!」
隣にいた兵士は唾をのみ、汗をかき始めた。顔が真っ青だ。
「名前は?!」
「は...はい!ウィリースコットです!」
「声がちいさい!」
「はぁああい!」
隊長はしばらくウィリーを見つめてから思いっきり腹に向かて拳を振った。
ドス!
腹の中に拳が柔らかそうに埋め込み、みぞうちにクリーンヒットした。
「うぉえ!」
「いいか、ただ声が騒がしいだけじゃ耳障りだ。分かるのかこのクソ野郎!」
ドン!
隊長は地面にうずくまったウィリーを蹴り上げた。
腹はなにか吐き出しそうな音を立てる。
「うっ!」
「お前ら俺を舐めてるだろ。特にお前だ。俺に期待させといて裏切る気かお前はぁ!」
「ち...ちが...」
ドン!
もう一回蹴り上げられる。
「うああ...!」
「お前の話はよく聞いてる。あのハルウェイでの雄一の生存者だろ。」
「う...」
「期待したのにな。ただの度胸無しの小僧か。いつまでうずくまってる!さっさとたてぇ!」
苦しそうにウィリーは立ち上がった。
「覚えとくからな。次は裏切るな。わかったか?!」
悔しそうにウィリーは地面を見つめていた。目からは悔し涙がボロボロあふれ出てきていた。
「最悪のスタートとなったが明日から訓練開始だ!ヘタレは容赦しないぞ!分かったか!」
「サー!イエッサー!」
食堂。朝昼夜のメシはすべてここで食べる。栄養にいいものしか出てこない。
ウィリーは一人で食っていた。
「ん...んま...」
「ちょっといい?」
話しかけてきたのはさっき自己紹介していたアーム・クイストだ。
「...なんすか...?」
ウィリーは不安そうに聞いた。
「うちらの班のメンバーと聞いて。それで様子を見たらひとりで食べてるからね。ここ座っていい?」 「別に...」
クイストは座ると呑気にメシを食い始めた。
「こっぴどく叱られてたね。君。蹴られるわは殴られるわ。」
ウィリーは嫌そうな顔をしていった。
「いや慣れたから。もう。」
「慣れた?」
「この三年間、親せきの家に暮らさせてもらってたんですけど...とにかく俺に当たってきてたんだ。」
クイストは不思議そうにウィリーを見ていった。
「それ虐待じゃない?」
「まあ...親戚も焼かれて死にましたし」
「そっか。まあこれからよろしく。ウィリー。」
クイストは手を差し出し、ウィリーもそれに乗り握手をした。
「よろしく。」
ザッ、ザッ、ザッ。
早朝5時。ランニングの時間だ。
「体力つけろぉ!まだ1kmだぞ!」
「イエッサー!」
「1,2,3,4。1,2,3,4。」
ガチャ。
鉄の鈍い音がする。
狙撃練習だ。
「相手南軍は容赦ない、非道な人ではない何かだ。それをこの弾で弾き飛ばすんだ。」
「サーイエッサー!」
「お前らが持つのはこのAK-47かHK433だ。こいつらを巧みに使い、相手をぶち殺せ!」
「サーイエッサー!」
パァンーー。
銃声が響き渡る。どうやら外れたようだ。
「くっそぅ...こうやって...リロードっと...」
パァンーー。
パァンーー。
隣の銃声がよく聞こえる。よく見ると全弾当たってる。
「おいふざけた野郎。お前うでいいじゃないか!」
「ありがとうだよぉん。おんおんー」
ウィリーは口を開けたまま見ていた。
「はぁ...」
食堂。ウィリーは疲れ切った様子でクイストと座っている。
「これを毎日繰り返すんだよな...なんかヤバそうだ...」
「まあ南の奴らを殺すためだと思えば」
「まぁな...」
クイストは少し間をおいて、下を向きながら言った。
「...あのライト・スインってやつ、覚えてるか?あいつ射撃がものすごかったぜ...」
「ああ、あんなふざけてるのにな...」
「羨ましいよ、あんな能力があって...」
夜、静かで冷たい空気が校内を走る。
ウィリーはベットで考えてた。
(羨ましがってたけど...人を殺すんだぞ...?)
頭に手を置いた。
(羨ましがって、それに同感しちゃうんだ...)
枕に頭を沈め、目をつぶりながら思った...
(なんなんだ...これ...)
「かまえー右っ!」
ザッザッ。
足音が勇ましくなる。
「かまえー左!」
ザッザッ。ッザ。
一人、遅れたようだ。
「遅れた奴がいるなぁ!誰だ!名乗り出ろ!」
「...」
その場はシーンと静かになる。
「そうか...嘘をつくのか。」
隊長は兵の列を歩き出した。
「誰だ。誰だ!お前か?!」
「サーノーサー!」
「嘘をつくなぶち殺すぞ!」
「本当です!」
隊長はじっとその兵を見つめる。
兵は汗をかき始めている。
「本当か...?」
「...サーイエッサー...」
「本・当・か・?!」
鬼の顔で兵を見る。
「う...うう...すみません...」
バシ!
激しく痛そうな音が響き渡った。
「覚えてろよ。覚悟してな」
「うう...」
「そして、こいつを見ている班長は誰だ。」
「は...はい」
恐る恐る手をあげる。
「貴様は班長としての自覚があるのか?!このくそったれノロマを絞り上げろ!」
「サーイエッサー!」
1日...2日...3日...1週間...1ヶ月...
月日は流れていった...
「隊長!隊長!上の人から...」
「...わかった。」
食堂にて、隊長は大きな声で言った。
「明日!戦場に出る!人手不足により我々が見られた。」
同期たちは顔を真っ青にした。
死ぬかもしれない。
そういう恐怖が込み上げてきた。
「大丈夫だ!訓練の事を思い出せ!そして南の野郎どもをぶち殺せ!」
ウィリーはベットの上で感情に浸っていた。
目は希望をなくしたかのようにきらめきが消えている。
「明日か...」
突然、下から泣き声が聞こえてきた。
「うう...怖いよぉ...うう...ママァ...助けに来てよぉ...うう...」
(馬鹿!静かにしろ!消灯時間過ぎてるぞ...!)
ウィリーは小声で言ったが反応はない。
「ああ...うう!やだやだ...死ぬんだどうせ...どうせ...」
次第にその泣き声は大きくなっていく。
「死にたくない死にたくない!いやだいやだ生きたい生きたい!」
周囲の同期も、気づき始める。
だが、泣き声は止まない。
「ああああ!やだやだやだやだ!もうやだ!やだ!」
奥から、足音が聞こえてくる。
「うあああああ!うああああ!仏様わたしは教官青春人の成りて似て違法な性的採取を行い...ううう!」
だんだん言っている言葉が狂っている。
周囲は誰も止められない。
「朝見る平和はすぐ壊れ霜の!燃料となってチリとなって雲の住処を探しにゆき!」
ただ、異常な目で見ることしかできなかった。
「カエルの生きざまを横で食い荒らす宇宙となれ!あああああ!」
「なんだ!何事だこんな夜中に騒ぎ立ててる野郎は!」
ドアが思いっきり開くと、立っていたのは隊長だった。
狂っている同期を目にし、激しく怒鳴った。
「殺す!殺す!地中に深く染まった砂漠のアレッポの匂い!そんなものを食うであろうものは殺す!」
「黙れ!お前は正気か?!」
同期はベットから立ち、寝室の真ん中に立ち、敬礼を交わした。
「すべては我のために!」
そして、指を目ん玉に突っ込んだ。
「うわああああ!」
発狂したままうずくまり、手をぐりぐりと動かす。
「やめろ!手を離せ!」
しかし、すぐ静まり返った。
同期はうずくまったまま動かなくなり、頭からは大量の血が流れる。
ウィリーたちは見ることしかできなかった。
隊長も。
夜の学校の中に、静寂が走った...
ザッ。ザッ。ザッ。
小島の山の中を歩く。ひたすら目的地まで歩く。隊長を先頭に置いて。
ウィリーの手にはAK-47。
クイストの手には無線機を。
重い服を着ながら、歩いていた。
「隊長。敵本当にいるんですか?結構歩きましたが。」
「油断するときに、出てくるもんだ。細心の注意を心構えろ。」
クイストが、ウィリーに言った。
「君はいいよな。実銃が撃てて。」
「...実銃の方が怖いよ...」
そういい、グビッと水を飲みほした。
「っちぇ、水がねえ...そこの池で取ってくる。」
「先行ってるぞ...」
その時、急に横からドン!とぶつかってきた人がいた。
「うわ!」
「おお、すんませんません。スインスイン。」
ライトスインだ。
「ああ...あなたスナイパーの...」
「お!知ってくれてるんですね。腕はいい方なんで。えへへ。」
「よ...よろしく。」
「こちらこそ~」
ザッ。ザッ。ザッ。
「おい。出たぞ。ここの海沿いで待つことになる。船が来て次第、すぐに乗り継ぐぞ。」
海沿いは凸凹し、下まで行くのにはかなり時間がかかる。
だが、あっというまについてしまった。
「少し休憩だ。クソしたい奴はあっちでしとけ。だが注意を怠るな。」
「サーイエッサー!」
タバコを吸いながら、クイストがつぶやいた。
「こうやってタバコを吸うのも最後かもしれないな...」
波の音が激しく鳴る。
空はだんだん曇ってきている。
「かもな」
ウィリーも、同意する形でタバコを吸う。
「ねえねえウィリー。私たち将来結婚する~?」
「はぁ...」
ミリーことを思い出し、残念そうに下を向く。
「...やっぱ怖えよ...」
「戦いがか?」
「死にたくないし、殺したくない。無意味なんだもの...」
クイストはウィリーを見つめ、海を見た。
「...だよな...」
「おっ、あれは船か?!」
遠くに、船の影が見える。
ザーッ。ザーッ。
無線の音が鳴り響く。
荒々しく砂嵐の音が聞こえる。
「無線だ!無線係!」
「はい!」
クイストは急いで無線をとった。
「はい!こちらV部隊!」
[緊急だ!音量マックスで皆に聞こえるようにしろ!]
一瞬にして、海沿いに静寂が走った。
[よく聞け。船が見えるか?!]
「見えます。結構近くまで来てますけど。」
[マジか...いいか。一つも聞き逃すな。]
船は黒い煙を出しながら近づいてくる。
[お前らを迎える班からの通信がない]
「え...?」
[何度も連絡を取るがいっこうに出ない。出たとしても南の口調なんだ!]
一人の兵が指をさした。
「お...おいあれ!」
[言ってることが分かったか?!]
隊長が汗をかきながら叫んだ。
「総員!射撃用意!」
[船に乗ってるのは南軍だ!]
ダダダダダダ!
無線が切れた瞬間。物凄い勢いで射撃が始まった。
「ぐ...!」
バタバタ
どんどん同期は倒れていく
砂浜が血に染まっていく。
隊長が叫んだ。
「全員!身を伏せろぉ!」
ダダダダダダ!
無慈悲にも射撃は続く
「くそぅ...!」
「隊長!どうしますか!」
「かまわん...!身を伏せたまま、射撃を始めろ!ぶち殺せ!」
「了解!」
隊長は後ろを振り向き言った。
「ライトスイン!貴様は後ろから射撃しろ!」
「任せとけよっ!」
ウィリーは震えている。
なんせ死ぬかもしれないからだ。
ザッザッ
ウィリーの方に同期が走ってくる。
「はぁ...はぁ...」
「こっちだ!こっちd...」
ダダダダダダ!
ウィリーの目の前は血で飛び散った。
「あ...ああ...」
ウィリーは震えながら、歯を食いしばり、銃を手に取った。
「うう...」
目の前にはさっきまで一緒にいた同期たちが血まみれになり
全身がバラバラになっていた。
「くそぉ!うらぁ!ぎゃあ!」
ドス!
ワンヒット。胴体は血でぬれる。
「ぉぃ!」
遠くから呼ぶ声が聞こえる。
「上!上!」
「うわああああ!」
ボン!
血の雨が降り注ぐ。
「ぉぃ!ぉい!」
「おい!おい!」
ハッとすると目の前にはクイストがいた。
「大丈夫か?!うわ、避けろ!」
ドォン...
「クイスト...怖えよ...」
「そんなこと言ったって仕方がねえ!撃て!」
ダン!ダダダン!
クイストは隠れながら撃ち始める。
複数人の南軍が海へと落ちていく。
「うう...」
「ちくしょう...いてえよぉ...いてえよぉ...」
「くそっ!モルヒネうっとけ!」
隊長は悔しそうな顔をしながら言った。
そしてまた後ろを振り向き言った。
「おい!戦況は?!」
「駄目です!我々が不利すぎます!これじゃ勝ち目何てないですよ!」
「くそ!」
隊長は思いっきり土を殴った。
その時...
「隊長!あぶない!」
ドゴォン!
もの凄い爆発とともに隊長はヘルメットを飛ばしてしまった。
「ぐっ!おい!お前!」
隊長が振り向かせるともう顔が焼け垂れて死んでいた。
「...」
ガチャン
メカメカしい音が鳴り響く
...ライトスインだ。
「弾は...OKだな。」
そういうとスコープを覗き始めた。
「...標準OK」
スコープの先には船で重層射撃を行っている南軍がいる。
パァンーー。
激しく銃は反動して、船には血の床ができた。
[こちらライトスイン。船の奴らは排除していく。その間に攻め込んでくれ。隊長]
「ぐっ...わかっている...うぉ!」
会話の奥でも銃声が聞こえる
ガチャン
メカメカしい音が鳴り響く
「...標準OK」
パァンーー。
「おい!お前!起きろよ!」
南軍戦艦の上にて。
「くそう!スナイパーいるとか聞いてn...」
パァンーー。
「船長!どうすれば...!」
「えい!構わん構わん!撃って撃って撃ちまくれ!」
パァンーー。
「くそ!」
隊長は隠れながら後方を向いた。
ライトは大きくOKサインを出していた。
「総員!撃て!容赦するな!今だ!」
タン!タタタン!
激しい銃声が聞こえる
だが、ウィリーは何も撃っていない。じっと隠れているだけだった。
「おいお前撃てよ!何してんだ馬鹿野郎!」
激しく同期がウィリーの肩を揺さぶる
タン!タタタン!
船からはどんどん南軍が落ちてくる
「だ...だって...」
「だってじゃねえだろ!今は撃つ時なんだよ分かるか?!うわ!」
ドォン!
タン!タタタン!
絶え間なく音と血の匂いがする
「はぁはぁ...いいかウィリーだっけか?!撃て!撃てよ!殺せよ!わかr...」
その瞬間大きな影が海辺を通った。
とてつもない爆音とともに。
「はぁはぁ...」
同期たちは固まって影を見つめる。
「撃て!落としちまえ!」
隊長の激しい声が聞こえる。
「う...うう...!」
同期たちは震えながら銃口を空に向けた。
「うわあああああああ!」
ダダダダダダダン!
「落ちろ!落ちろ!」
しかし戦闘機は容赦なく下を開いた。
[こちらG-H5。投下します]
ドゴォン!
「うわぁ!」
ウィリーは手を顔の前に置き、目をつぶった。
衝撃で倒れそうだ。
「...!」
目を開けると目の前は火の海になっていた。
火の海の中には変わり果てた同期たちの姿があった。
「うう...助けてぇ...助けてぇ...!」
後ろの方から弱弱しく声が聞こえる。
「手!掴んで...!」
ウィリーは手を差し伸べた。
同期は手をようやくつかめた。
「立てやしないよな...引きづるしかないか...ごめん!」
「うう...!痛い!足ぃ!無いよぉ!うわあ!」
ダン!ダダダン!
「撃て!撃ちまくれ!」
「うわああああ!」
ドォン...
ウィリーが引きづっている背景には、まさに地獄絵図が広がっていた。
「腕...あ。あった...」
「目がぁ...目があ!」
「モ...モルヒネを...うう...!」
ウィリーは歯を食いしばりながら引きづっていく。
「大丈夫?!もう少しで物影につくから!」
「だぁ...いじょうぶ...」
[こちらG-H6。応援投下します]
[了解。なるべくトドメを刺せ]
とある同期が指をさす。
「隊長!あれ...!」
「...二機目...」
ドォン!!
「うわああ!」
ウィリーは転んでしまった。
「はぁ...死ぬなよ...」
ズルズル
引きづっていく。胴体を
「はぁ...大丈夫?!...え」
気づいたころにはもう遅かった。
「あ...ああ!」
ウィリーは悔しそうに見つめる。
ぐっと拳を握り、地面をおもいっきり叩いた。
「くそ!うう...」
大きい音ともにまた影が通りかかる。
ウィリーは絶望し切った顔で空を見上げた。
「もうやだ...」
[こちらGH-5。6。応答頼む]
[聞こえるか?!もう一発派手にぶちかませ!]
[了解。現在地からで、なるべく移動した方がよいかと。射撃が激しいです]
[わかってる!いけいけやっちゃえ!]
...反応はない
[おいGH-5?!反応しr...]
ドゴォン!
隣でとてつもない爆発音が響く。
[オマイガー!なんてこっただよちくしょう!]
南軍は目を大きくして汗をかき始める。
「避けろぉ!」
ドゴォン!
空からは燃えた戦闘機が落ちてきた。
後ろからウィリーの肩を叩く人が現れた。
人というか隊だ。
「大丈夫か?」
通信を受けて援助でやってきてくれたのだ。
「総員に告ぐっ!一体はブチ落とせた!あと一体もブチ落とせ!そして残党を殺せっ!」
「イエッサー!」
ものすごい勢いでウィリーの横を通っていく。
「ほらお前も来い!」
「え!ちょっま...」
思いっきり手を引っ張られ、援軍の中へと引きづりこまれていった。
「隊長!援軍が来ました!」
隊長は驚いた顔で後ろを向く。
「上官!」
「大丈夫だ。いけぇーーー!」
ダン!ダダダダダン!
[くそぉ!もう一発...!]
思いっきりレバーに触れるが、手に何か光が反射する。
[あ...]
「狙いはエンジン。ターゲット確認」
ライトスインだ。
パァン!
弾はエンジンの中に入り込む。
エンジンからはガラガラと音が鳴り響く。
[くそぉ!制御不能!GH-6!制御不能!]
「落ちてくるぞ!気をつけろ!」
「おい!お前!」
ウィリーは慌てて上を向いた。
「あ...」
ドゴォン...
タン...タンタタン...
微かに銃声が聞こえる。
パチパチと、炎の音と暑さが体全体を巡っていく。
「はっ!」
ウィリーはものすごい勢いで目を開けた。
目の前にはさっき墜落したであろう戦闘機が煙を立てて砂に突き刺さっている。
「これは...」
そう思っていると後ろの船から声がする。
「いたぞぉ!撃て!」
タタタタンと少しながらも聞こえる。
「あっちだ!あっち!」
ウィリーは唖然としながらもふと口から漏れる。
「...勝ったのか?俺ら」
砂浜からは苦しそうな声がたくさん聞こえてくる。
ウィリーは少し下を向きながらもずっとその光景を見ていた。
「勝ったんだ。勝ったんだ...!」
ガサ。
後ろから音が聞こえた。
ウィリーはびっくりして振り向いた。
「...」
ガサガサ。
今度は二度も。
「誰だ?動物じゃあるまいし...」
ガサガサガサガサ。
勢いよく音は走り始めた。間違いない。人間だ。
「あ...待て!」
音の向こうは森林地帯。草木が多く見渡しが悪い。
ウィリーは草をどかしながら走っていく。
音は必死に逃げる。
その時、ウィリーのズボンから拳銃が落ちてしまった。
「待て!」
ウィリーは気づかず追いかける。
音...いやその人は走りながらポッケに手を突っ込んだ。
「はぁ...はぁ...」
ポッケから出したのは拳銃だった。
後ろめがけて思いっきり発砲した。
パァン!
「うわ!」
幸運にもウィリーには当たらずに済んだ。
「...くそ野郎が...!」
更にもう一発
パァン!
「うわああ!」
人は思わず叫んだ。
「あぶねえ!この野郎...」
ウィリーは更に速度を上げていく。
「うわ!っく!」
人は転びそうになりながらも奥へ奥へと進んでいく。
やっと森を抜けれた。
だが目の前に広がってたのは高度の高い岸だった。
「はぁ...はぁ...」
両者どちらとも相当疲れている。
「お前...パイロットかさっきの...撃墜した...」
ウィリーは指を指しながら言った。
パイロットはウィリーを睨みつけて言い放った。
波がザーザー音を立てる。
「...死ね」
パァン!
とっさにパイロットは拳銃を引きウィリーめがけて発砲した。
「隊長...銃声でしょうか...?」
「南軍の生き残りか...?」
隊長は不思議そうに山の方を見ていた。
「生き残りがいるのは変わりない。行くぞ!」
「ぐ...!」
パイロットとウィリーはうつ伏せ状態となっていた。
ウィリーは手でナイフを抑えている。
ナイフは今にものどに刺さりそうだ。
「はぁ...死ね...」
パイロットは更に力を強める。
「死ねぇえ!」
ナイフがウィリーの手の皮を剝いでいく。
「う...うおおおお!」
ウィリーは痛みをこらえナイフを思いっきり振り払った。
パイロットの手が横に向いた。
チャンスを逃さずウィリーはパイロットに飛びかかった。
「うらぁ!」
パイロットの体にウィリーがもう突進した。
両者地面に激しくぶつかる。
「くそぉ...!」
ガチャ。
パイロットはウィリーの頭に拳銃を突き付けた。
だがつかさずウィリーが手で拳銃を払った。
カラカラと拳銃が転がっていく。
「うわ!」
パイロットは隙をついて一気に飛び上がった。
「おら!」
ドス!
思いっきりパイロットのストレートが刺さる。
「うぇ!」
「おらぁ!」
ドス!
もう一発。
「死んじまえ...北軍なんて移民だ!...勝手に領土を奪った...!」
「うぇ!」
ウィリーはその場にうずくまってしまった。
「俺の親も北軍は殺した!お前らが炎で炙って!」
「そんなの...お前らが始めたんだろ...!」
ドン!
思いっきりウィリーは立ち上がって拳をパイロットの顔面にぶち当てた。
パイロットは強く地面に叩きつけられた。
「はぁ...はぁ...馬鹿め...!」
そういうと手をパイロットは伸ばし地面に落ちていた拳銃を手にした。
「!」
「哀れな人生だったな!」
パァンーー。
「ぐ...え?」
ウィリーは目をつぶっていたが死なない。
目を開けた。
「あ」
見えたのは血まみれのパイロットと近くにいた隊長たちだった。
「危ないなウィリー...」
「クイスト!」
隊長がパイロットを見ながら言った。
「彼がお前の拳銃を見つけた。森に落ちてたらしいな」
「ありがとう...」
パイロットは血まみれになりながらもウィリーの顔を睨んだ。
「き...貴様...おぇ!」
口からだらだらと血が流れる。
「殺してみろ」
隊長の口からとんでもない声が聞こえた。
「...え...」
ウィリーは隊長の方をじっと見つめた。
「お前今回の戦いで一人も殺してないらしいじゃないか」
「あ...えその...」
「殺せ」
ガチャ。
隊長はウィリーの手に拳銃を投げた。
ウィリーは震えて拳銃を見る。
「あ...ああ」
手ががくがく震える。
今にも拳銃が落ちそうだ。
パイロットはじっとウィリーを睨みつけてる。
(どうするんだよ...どうするんだよ...)
ウィリーは汗をかき始める。
緊張で今にも倒れそうだ。
(やるしかないのか...!)
咄嗟に手を差し出した。
手は拳銃を持って、パイロットの方を向いている。
「ぐ...!」
手が震えて引き金が押せない。
ウィリーは様々なことを思い出した。
[緊急速報です...ただいま南ベトナムからの爆撃情報が入りました...]
元はこいつらじゃないか...
「ああ...ああ!あなた!」
「水ぅ...水ぅ...」
「うぁあ!腕!腕!どこだ?!どこだ?!うぁああああ!」
みんな失ったんだ...
母さん...父さん...
「いや、そんな...ああ...あなたぁああ!ああああ!」
「たずけで...いばだ...じにだくな...」
みんなあいつらのせいなんだ
だから殺してもいいんだ。
「きゃあああああ!」
「どけ!やだ!死にたくないんだ!」
「ああ!ママァア!」
殺して良いんだ。
「期待したのにな。ただの度胸無しの小僧か。いつまでうずくまってる!さっさとたてぇ!」
誰が度胸無しだ。今撃つよ...
「う...うう...」
ウィリーは抵抗する。
全身がものすごく震える。
(駄目だ...できない)
「ねえねえウィリー。私たち将来結婚する~?」
「うあああああああああ!」
カチッ。
パァンーー。
重く銃声が島全体に響く。
目の前には今にも倒れていくパイロットの姿。
血まみれの地面。
「...度胸あるじゃないか」
ウィリーは上を見つめる。
青い空はいつの間にか赤色に染まっている。
「ねぇねぇパパ。なんで人を気付つけちゃダメなの?」
「どうしたウィリー。そんなこと聞いてきて。」
「だって、テレビだと戦争だとか、いっぱいあってわかんなくなってきちゃった」
「いいかいウィリー。理由はこれだよ」
「同じ空の下で、生まれたからだよ。みんな。」
ウィリーはただ、じっと上を見つめていた。
part3へ続く...




