第42部:1京光年以上(約10穣キロメートル以上)
由香里の身体は成長し続けていますが、もはや彼女がどれほど大きくなっても関係がありません。由香里の存在する空間では、どれだけ大きくなったとしても、測る尺度を持ちません。
時間の経過も意味を持たず、おそらく数億年が経過したでしょうが、もはや暦という概念が存在しない彼女にとって、その時間の流れは感じられないものでした。
「時間はもう関係ない…。」
由香里は宇宙を見つけ、そして食べ尽くすことに没頭しました。彼女は新たな宇宙を発見しては彼女の一部として取り込んでいきました。
そして、腹の中の宇宙空間は、もはや由香里が最初にいた元の宇宙空間よりもかなり大きくなっていました。彼女の腹の中には何百という宇宙が詰まっており、それぞれが異なる星座、惑星、銀河を持っていましたが、それらが融合し、一体となり、一つの大きな宇宙を形成しています。。
「私のお腹の中には、何百もの宇宙が…。」
彼女はその壮大な宇宙たちと一体となり、新たな宇宙の誕生と進化を見守りながら、彼女自身も宇宙そのものとしての旅を続けました。
由香里はますます成長し、彼女自身の巨大さについてはもはや関心がなくなりました。時間の概念も過去のもので、数億年という期間はもはや計り知れないものでした。彼女の旅は、星座と星座の間や銀河と銀河の間ではなく、無が広がる空間の中で行われていました。そこには上下左右もなく、彼女は別の宇宙が見つかるまで、その無限の空間の中を移動し続けていました。
「何処に向かっているのかも分からないけれど、進まなければ。」
彼女は孤独な無限の空間の中を漂い、新たな宇宙を見つけることを目指していました。この旅は孤独で、時折寂しさが彼女を襲いましたが、彼女は自身の役割に忠実に従いました。宇宙を探し、取り込み、統合することが彼女の義務であり、彼女はそれに全力を尽くしました。
「この宇宙を一つにすること…それが私の義務。」
彼女は無限の空間の中を進むことに、特別な意味を見出しました。それは宇宙の果てを求める旅ではなく、宇宙を統一させるための旅であり、彼女はその旅に誇りを持ちながら、孤独な宇宙探索を続けました。




