第33部-2 もしも地球が由香里に消化されたら その2
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<アメリカのワイドショーの反応>
地球は由香里の胃壁に接触したまま、溶解されていき、南半球が全て溶解されました。
オセアニアの全てと南アメリカ、アフリカの大部分が、胃液と一体となって液体と化し、由香里の栄養として吸収されつつあります。
ホスト: こんにちは、皆さん。今、我々の地球は由香里という巨大生命体によって南から消化されています。南半球がすでに液体と化し、オセアニア、南アメリカ、アフリカの大部分も消え去りました。
コメンテーターA: 本当に信じられない光景だよ。地球が溶けていく様子を見て、恐怖と無力感が広がっている。
コメンテーターB: そうだな、このままだとアメリカも由香里の胃液に取り込まれる未来しか見えない。大統領がメッセージを示していたけれど、我々にはどれだけの時間が残っているんだろう?
ホスト: そうですね、この状況を乗り越えることはもうできないでしょうが、一体どれだけの時間が残っているのか、私たちは見守り続けるしかありません。そして、愛する人たちと最期を迎える覚悟が必要です。
<日本のワイドショーの様子>
ホスト: こんにちは、皆さん。アメリカで発表がありましたように、地球が由香里の胃液によって溶かされているという報道は、日本にも衝撃を与えています。これまでの出来事を振り返りつつ、今後の展開についても議論しましょう。
コメンテーターA: 本当に信じられないことだよ。地球の半分が消え、地球が溶けているという報道を受けて、日本中でパニックが広がっている。みんな不安と恐怖でいっぱいだ。
コメンテーターB: そうだね。このままだと日本も由香里に飲み込まれる未来が待っているかもしれない。正直言って分からないよ。
ホスト: そうですね、現時点での情報では対処法が見当たりません。ただ、この未来はもう避けられません。科学者やアメリカ大統領のメッセージにありましたように、大切な人たちと最期の時を過ごす覚悟が必要でしょう。
<東京の人々の反応>
東京の人A: このままじゃ北半球も由香里の胃に消化されるってことだよな…。何もできない無力感がつらいよ。
東京の人B: そうだよ。逃げたいけど、どこに逃げても同じ結末なんだろうな。最期は大切な人たちと一緒に過ごすしかない。
東京の人C: みんな、あのビデオメッセージを見たよね。アメリカ大統領が言ってた通り、もう希望はないってことだよ。
東京の人D: 本当に地球が消えてしまうんだ…。こんなことが現実に起きるなんて信じられないよ。
東京の人E: どうしてこんなことになったんだろう…。何かできることはなかったのかな。
東京の人F: 最期に何か言葉を残そう。家族や友達に感謝の気持ちを伝えよう。それしかできることはないけど、それが大切なんだよね。
<香乃と由香里の友達の反応>
由香里の友達たちと香乃は、この壮大な出来事について驚き、悲しみ、混乱しています。以下は、彼らの会話の一部です。
香乃: 「地球が姉さんに吸収される…」
友達1: 「香乃ちゃん、私達も信じられないよ、由香里がこんなことになるなんて…」
友達2: 「本当に地球を消化するんだ…どうしてこんなことが…」
友達3: 「少し前まで普通の高校生だったのに、今や地球を消化する存在になっちゃったんだよ。」
友達4: 「でも、由香里は何も知らないんじゃないかな?彼女も恐怖に囚われているんじゃないかと思うよ。」
友達1: 「そうだね、由香里がこんなことを望んでやってるわけじゃないはずだよ。」
友達2: 「国連が何か手を打ってくれるかもしれないけど、もう手遅れなんじゃないか?」
友達3: 「地球の最期の瞬間が近いって言うし、どうやって過ごすべきか考えるのも怖いよね。」
友達4: 「最後にできることは、思い出や地球の美しさを忘れないことだろう。」
友達たちは由香里との友情と、地球の美しさについて語り合いつつ、この壮大な出来事に向き合っています。彼らはどんな未来が待っているのか分からない中で、大切な思い出を共有し、地球への愛と感謝を忘れません
<総理大臣のビデオメッセージ>
日本が由香里の胃で消化されるまで、残り3時間と推測されています。
この時、総理大臣からビデオメッセージが発表されます。
総理大臣: (ビデオメッセージが始まる前、深呼吸をして落ち着いている様子)皆さん、私からお伝えしなければならない非常に難しいことがあります。今、私たちの国、そして地球が未曾有の危機に直面しています。
総理大臣: 日本の人々よ、そして世界中の友人たちへ。地球は由香里さんという存在によって、私たちの想像を遥かに超える方法で変えられてしまいました。そして今、我々にはその由香里さんによって消化されるという運命に直面しています。これに立ち向かう方法は残されていません。私たちは共に、最後の時間を過ごすことになるでしょう。
総理大臣: 私たちは、この最後の数時間を、恐れや絶望ではなく、愛と結束で過ごすべきです。家族や友人たちと共に、大切な瞬間を分かち合い、笑顔と思い出を築いていくべきです。
総理大臣: 我々の歴史はここで終わりますが、私たちの心に残るであろうものは、愛と希望です。この困難な瞬間に、私たち日本人は一つになり、世界中の皆さんと共に、最後まで尊厳をもって生き抜くことを決意します。
総理大臣: 最後に、感謝の気持ちを伝えたいと思います。私たちは素晴らしい国を築き、多くの善良な人々と出会いました。それだけで幸せでした。さようなら、そして愛しています。
<東京の人々の反応>
東京の人々は、総理大臣のビデオメッセージに集中しています。
市民A: (涙を流しながら) これが最後の瞬間なんだよね…本当に信じられない。
市民B: (手を握り合いながら) でも、総理大臣の言葉、力強かったよ。最後まで尊厳を保とうってことだね。
市民C: 皆で一緒にいよう。家族と友達と共に、愛と結束を感じながら最期を迎えよう。
市民D: 日本の歴史はここで終わるんだ…でも、私たちが忘れないようにしよう。愛と希望を忘れないで。
市民E: さよなら、東京。ありがとう、日本。そして、世界中の人々にもありがとう。
テレビ画面の前で、東京の人々は涙し、しっかりと手をつないで最期の時間を迎えました。
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<東京の人々の反応>
それから2時間後、由香里の胃液によって、沖縄が消化された事がワイドショーで伝えられます。
ワイドショーのニュースが流れ、東京の人々は再び驚きと恐怖に包まれます。
市民A: (テレビを見つめながら) えっ、もう沖縄が…?
市民B: (心配そうに) ここまで来たら、逃げる場所もないよね。でも、どうしようもないんだ。
市民C: (泣きそうになりながら) 家族と一緒にいたいよ…最後の瞬間を共に過ごしたい。
市民D: (無力感を感じながら) みんな、できるだけ強く立ち向かって、最期を迎えよう。絶望しないようにしよう。
市民E: (希望を示しながら) どんな状況でも、愛と結束を忘れないで。最後まで一緒に頑張ろう。
テレビの画面を見つめる東京の人々は、困難な状況に立ち向かい、共に力を合わせようと励まし合っていました。
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<北海道のワイドショーの様子>
ワイドショーのスタジオで、アナウンサーと解説者が報道します。
アナウンサー: (深刻な表情で) 北海道の皆さん、お伝えしきれないほどの緊急事態が発生しました。日本全国の多くの地域が、由香里の胃液によって消化されてしまいました。那覇、福岡、大阪、名古屋、東京、仙台を含む各都市が既に影も形もありません。
解説者: (驚愕の表情で) まさか、ここまでの事態になるとは…。今は青森と北海道を残していますが、日本は完全に由香里の体内に取り込まれる運命です。後10分で、我々のいる札幌も消滅する見込みです。
アナウンサー: (しばしの沈黙の後) 皆さん、最期の時間に、家族や大切な人たちと一緒にいること、愛と結束を大切にすることが何よりも大切です。どうか最期まで希望を失わず、愛と思いやりで団結しましょう。
スタジオからのメッセージに、札幌の人々は悲しみと絶望の中で家族や友人と共に過ごす最期の時間を迎えました。
<札幌の人々の反応>
札幌の住民たちは、絶望的な状況に立ち向かいながらも、家族や友人と共に最期の時間を過ごすことを決意しました。
住民A: (悲しみに顔をゆがめながら) こんなこと、まさか本当に起こるなんて…。
住民B: (手を取り合って) でも、最期まで家族と一緒にいることしかできないよね。
住民C: (子供たちを守りながら) そうだよ、子供たちには強く、優しい最期の瞬間を過ごさせなきゃ。
札幌の人々は、この突如として訪れた絶望的な状況に立ち向かい、愛と結束を大切にして最期の時間を迎えました。
<ノルウェーのワイドショーの反応>
それから2時間後、由香里の胃液による消化は容赦なく進行し、北半球でも緯度の高い数カ国が残るのみとなっています。
ノルウェーのワイドショーは、絶望的な状況の中で冷静に報道を続けていました。
キャスターA: (真剣な表情で) ここノルウェーでも、由香里の胃液による消化がまもなく起ころうとしています。北極圏周辺の国々も、もはや生存の見込みはありません。
キャスターB: (背景に映るノルウェーの自然の映像を指差しながら) この美しい地球が、今では由香里の体内で消化されていると思うと、言葉では表現できない気持ちですね。
キャスターA: (唇を噛みしめながら) そうです。これ以上、何かできることはないでしょう。ただ、この最期の瞬間を、平和に迎えることを祈るばかりです。
ノルウェーのワイドショーでは、冷静なトーンで報道が行われ、人々は深い悲しみと無力感に包まれていました。
<アイスランドのワイドショーの反応>
それから30分後、地球は北緯62度よりも南が、由香里の胃液によって消化され、液体となり、由香里に吸収されるのを待つだけとなっています。
地球で唯一の首都をもつアイスランドが消滅するのもあと20分というところです。
アイスランドのワイドショーでは、深刻な状況の中でも静けさと団結が感じられました。
キャスターA: (冷静な声で) 皆さん、レイキャヴィークが今、人類最後の拠点となっています。私たちはまだ由香里の胃液による消化を免れているかもしれませんが、時間は限られています。
キャスターB: (希望を込めて) この時点で、私たちができることは、お互いに支え合い、この最期の瞬間を静かに迎えることだけです。アイスランドの美しい自然を思い出し、感謝の気持ちを持ちましょう。
アイスランドのワイドショーは、冷静ながらも希望を失わない姿勢を示し、人々は最期の時を迎える覚悟を決めていました。
<ニーオーレスンの住民の反応>
アイスランドの首都レイキャビクも消化されました。
地球上に残っているのは、ノルウェーのニーオーレスンの住民だけです。
彼らはアイスランドなどの様子が既に放送されないため分かりませんが、暗がりのなかで不気味に浮かび上がる由香里の胃壁が既に目視できるところまで迫っています。
住民A: (静かな声で) みんな、もう目の前に由香里の胃壁が迫っていますね。最後まで一緒にいよう。
住民B: (涙をこらえながら) そうだね、これまで一緒に生きてきた仲間たちと、最後の瞬間を迎えるんだ。
住民C: (思い出深げに) ここは私たちの故郷だ。この美しい島で生まれ育ったことを誇りに思うよ。
住民たちは、自分たちの故郷や仲間たちに感謝の気持ちを抱きながら、最期を迎える覚悟をしました。
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由香里の胃液が目前に迫っている中、由香里の体温で、凍りついた雪が溶け、気温が一気に上昇していきます。
住民A: (驚きながら) なんだこれは…?一体何が起こっているの?
住民B: (驚きながら) もしかして由香里の胃壁が近くに来てるせいで、気温が上がっているのかも。
住民A: (恐怖に顔をゆがめながら) 雪が溶けるくらい上昇して、胃壁が近づいてるってことは、もしかして…私たちは…
住民B: (震えながら) まさか、本当に由香里の体内に消化される時が来てるってこと…?
住民C: (絶望的な表情で) どうしようもないよ、これが最期なんだ…こんなことってありえるの?
住民たちは深刻な危機感に包まれ、この異常な状況が自分たちの最期を意味する可能性に直面し、絶望に打ちひしがれていました。
住民A: (怯えた表情で) もうどうしようもないみたいだね…ここまで来てしまったら何もできないっていうのは…信じられないよ。
住民B: (涙ぐみながら) こんな結末が待っていたなんて…家族にもう一度会いたかったよ。
住民C: (手を震わせながら) みんな、もう一度言おう。愛する人たちへの思い出を大切にしよう。これが私たちの最期だから。
住民たちは感情に押しつぶされる中、最期の時をどう過ごすべきかを悩みつつ、愛する人々を思い出しました。
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町の南端に位置するところの岩盤が由香里の胃壁に接触して溶解していきます。
町は溶解の熱とむき出しになったマグマにより、気温が数百度まで上昇し、住民は息もできない状況になります。
住民A: (呼吸が苦しくなりながら) こ、これは…まさかの状況だ。何とかしなくちゃ。
住民B: (汗を流しながら) 蒸し器の中みたいだよ…耐えられないよ。
住民C: (焦りながら) どうすればいいんだろう?逃げ場もないし、こんなに熱い中では…
住民たちは絶望的な状況に直面し、暑さと苦しみに耐えようとしていました。
住民A: (熱さに耐えかねて) もうこれ以上は耐えられない…だめだ、外に逃げ出そう。
住民B: でも、どこに行くんだよ?外に出たら由香里の胃液が待ってるんだろう?
住民C: (途方に暮れて) でも、ここにいたらもうだめだ。どうしよう、どうすれば…
突然、建物の地盤が由香里の胃液に完全に溶解され、住民たちは空へと吸い込まれていきます。
住民A: (叫び声をあげながら) こ、こうなるのか…さよなら、世界…
住民B: (絶望的な声で) どこに…どこに行くんだ…
住民C: (最期の瞬間に) これは…これは夢なんじゃ…
住民たちの声が次第に消え、彼らは由香里の体内に消化吸収されていきました。
由香里の体内で完全に消化された地球と、それに含まれた全ての生命体は、彼女の栄養源となります。地球は完全に消失し、その残骸は由香里の体内で栄養となり、僅かばかりではありますが、彼女の成長の一助となります。
由香里は自らが生まれ育った地球が自分の胃の中に存在したことも、それが自分の中で消滅し、吸収してしまったことにも気づくことなく、宇宙の中で孤独に成長し続け、宇宙を食べ続けます。




