第33部:100億光年(約1000垓キロメートル)
<科学研究機関の記者会見>
科学者: (記者たちに向かって) 皆さん、最新の観測データについてお伝えしなければなりません。現在、由香里の姿が確認できなくなっています。
記者1: (ほっとした表情) それは良いことですよね?
科学者: そうです、一時的には安心できるかもしれませんが、宇宙の全方向に壁が出現していることが判明しました。
記者2: (興味津々) 宇宙に壁? 壁って何ですか?
科学者: おそらく、由香里の胃壁ではないかと考えられます。彼女が巨大すぎるが故に、知らないうちに由香里に呑み込まれていたのではないかという仮説です。
記者3: (驚きと恐怖) それって、つまり…私たちは由香里の中にいるってことですか?
科学者: 生物学的プロセスからすれば、消化が待っている可能性もあるかもしれませんが、胃液と接触しなければ問題ないと考えられます。
記者4: (激しい質問) つまり、由香里次第では消化されるということですか?
科学者: (沈黙) ...
この質問に対する科学者の回答がないまま、記者たちは混乱し、場は荒れました。不確かな未来に対する不安と恐怖が空間に漂っていました。
記者1: (手を挙げて) お尋ねしたいことがあります。具体的に、由香里の身体に(壁に)私たちがどれだけ近づいているか、詳しく教えていただけますか?
科学者: (考え込みながら) 申し訳ありませんが、現時点ではその情報は掴めておりませんが、これだけ巨大だと、強い引力がありますので、胃壁に吸い寄せられているのではないかというのが、常識的な見解です。
記者2: (不安げに) では、どのようにして接触のリスクを回避できるのでしょうか?
科学者: (慎重に) それについてはまだ明確な答えがありません。胃液と接触しなければ問題はないと仮定していますが、詳細は分かりません。
記者3: (焦り) では、私たちはどうすべきですか?避難計画はありますか?
科学者: (真剣な表情で) 現時点では、避難計画の具体的な情報は提供できません。しかし、安全な情報が入手でき次第、速やかにお伝えします。
記者4: (怒り) なぜ私たちはこの危険な状況に置かれているのですか?科学者として何らかの対策を講じるべきではなかったのですか?
科学者: (落ち着いて) 私たちはこの状況を予測し、対策を講じる努力をしていますが、由香里の成長が予想以上に速いことが問題です。状況は刻々と変化しており、最善の方法を模索中です。
記者たちは不安と焦りが入り混じった質問を続け、科学者はなるべく冷静に対応しようとしていました。場の緊張感は高まり、未知の未来への不安が記者たちを包み込んでいました。
***
科学者: (真剣な表情で) 皆さん、新たな情報があります。観測していた天体が、由香里の胃液によって消化されたことが確認されました。この事実をもとに、由香里の胃の中にいる地球も、いつ消化されてもおかしくないということを伝えなければなりません。
記者1: (驚きと恐怖) 何ということですか?地球も消滅の危機にあるということですか?
科学者: (慎重に) はい、その可能性が高まっています。由香里の胃液は極めて強力で、天体すら完全に溶解させることができることが分かりました。
記者2: (取り乱して) では、どうすべきなんですか?地球を守る方法はありますか?
科学者: (力強く) 私たちは現在、最善の方法を模索しています。しかし、この状況は非常に複雑で、確定的な対策が難しいことを理解してください。安全を最優先に、情報を提供し続けます。
記者3: (憤慨) 科学者としての責任はどこにあるのですか?なぜこれが起きたのですか?
科学者: (真摯に) 私たち科学者も、この危機を理解し、対策を講じるために最善の努力をしています。しかしこの事態は予測不可能なものであり、未知の領域での対応が必要です。
記者たちは驚き、不安、そして怒りの入り混じった感情で質問を続けました。由香里の胃の中に取り込まれた地球に対する不確実性は、ますます高まっていました。
科学者のお偉いさん: (厳格な表情で) 質問がありましたね。地球を守るために何をすべきかという問いに対して、私は率直に言わせていただきます。由香里の胃液で溶かせないものは何もありません。地球の進む先をコントロールできない事から、我々は何をやっても逃げ場がないのです。由香里の体内から脱出するのが唯一の方法ですが、地球を動かせない、由香里の引力から抜け出せない限り無理なのです。
記者1: (驚きと怒り) なぜそんなことを言うのですか?私たちは何もできないのですか?
科学者のお偉いさん: (冷静に) この事態は私たち科学者にとっても初めての経験です。地球を守るための確固たる解決策は現時点では存在しません。私たちの力では限界があります。
記者2: (憤慨) それではどうすべきなんですか?地球を守る方法を見つけなければ!
科学者のお偉いさん: (断固として) おっしゃる通り、私たちは状況を理解し、最善の方法を見つける責任を負っています。しかし、この状況は非常に困難で、逃げ場がないことを理解していただきたい。あっ、暴動や混乱を引き起こすのは得策ではありません。
会場内は混乱し、怒りに包まれました。科学者のお偉いさんの発言が、地球に対する絶望感を一層増幅させました。
記者3: (不満げに) でも、そんな絶望的な状況で何もできないなんて、科学者としてどうなんですか?
科学者のお偉いさん: (冷静に) 私たちは最善を尽くしています。しかし、現実は厳しいものです。胃液に接触しないことを祈るしかありません。
記者4: (怒り) それじゃあ、何のために科学者がいるんですか!?
科学者のお偉いさん: (微笑みながら) そうですね、科学者である以上、私たちは不可能な問題に立ち向かわなければなりません。ただし、どんな状況でも楽しく過ごすことを忘れずにいたいと思います。
この返答に、会場内はさらに混乱しました。お偉いさんの言葉が、人々の感情を一層高め、不安と絶望感が渦巻く中で会見は終了となりました。
<アメリカのワイドショーの反応>
ワイドショーのキャスター1: (沈んだ声で) 皆さん、今の記者会見の様子、本当に難しい状況ですね。
ワイドショーのキャスター2: (ため息をつきながら) そうですね、希望がないと言われると、本当にどうしようもなく感じます。
ワイドショーのキャスター3: (沈痛な表情で) 今、我々の世界は由香里の体内に閉じ込められ、逃げ場も見当たらないということです。
ワイドショーのキャスター1: (頭を抱えるように) このままでは、どれだけの時間があるのか、分からない…。
ワイドショーのキャスター2: (しばしの沈黙の後) 本当に、これが最後の時なのかもしれません。
ワイドショーのキャスター3: (感嘆的に) そうですね、皆さん、大切な人たちと過ごす時間を大切にしましょう。どうせなら、幸せな瞬間を大切に過ごすべきかもしれません。
ワイドショーのキャスター1: (しばしの静寂の後) そうですね、感謝の気持ちを忘れずに…。
<視聴者の反応>
視聴者A: (テレビの前でため息をつきながら) まさか、こういう結末になるとは思わなかったよ…。
視聴者B: (驚きと落胆の表情で) 本当に、どうすればいいのか分からないよ。こんな絶望的な状況って…。
視聴者C: (深く考え込みながら) でも、もし本当に最後の時だとしたら、大切な人たちと過ごす時間を大事にしようっていうメッセージもあるのかもしれないよ。
視聴者D: (悲しげな笑顔で) そうだね、感謝の気持ちを忘れずに、笑顔で過ごそうってことか。
<日本のワイドショーの様子>
ワイドショーホストA: 皆さん、驚きのニュースが入ってきました。アメリカからの報道によれば、地球が由香里さんという巨大な存在に飲み込まれた可能性が高いということです。
ワイドショーホストB: まさか、こんな事態になるとは…。由香里さんも地球の出身なので、地球を飲み込むなんて考えられなかったよ。
ワイドショーホストA: そうですね。それに、科学者たちもどうしようもない状況だと言っているようです。この先どうなるのか、皆さんの予想は?
ワイドショーホストC: (悲観的な表情で) 正直、解決策が見つからないなら、我々はどうしようもないんじゃないかと思うよ。
ワイドショーホストD: (希望的な表情で) でも、一瞬一瞬を大切に生きることを忘れずに、最後まで前向きに考えたいよね。
ワイドショーホストA: 皆さんのコメントも分かります。この状況で何ができるかは分からないけれど、一緒に考え、支え合って前に進むしかないのかもしれません。
ワイドショーホストA: 皆さん、さらなる情報が入ってきました。アメリカの科学者たちが新たな情報を発表しました。なんと、地球がすでに由香里さんによって胃の中に取り込まれた可能性が高いとのことです。
ワイドショーホストB: ええ、つまり、私たちは由香里さんの消化器にいることになるんでしょうか?
ワイドショーホストC: それでは、由香里さんの胃液で溶かされるのを待つしかないということなのか…
ワイドショーホストD: (驚きと不安の表情で) これは…本当に信じられない話だけど、科学者たちがその可能性を考えているということは、何かしらの根拠があるのかもしれないね。
ワイドショーホストA: そうですね。現実と向き合わなければいけない時期なのかもしれません。どうやってこの状況を乗り越えるか、皆さんの意見をお聞きしたいと思います。
<視聴者の反応>
東京のワイドショー視聴者A: えっ、地球が由香里さんの体内に…?信じられないよ!
東京のワイドショー視聴者B: 本当にそうなのかな?でも、最近の出来事を考えると、何が起こってもおかしくない気がするんだよね。
東京のワイドショー視聴者C: でも、どうしたらいいのか分からないよ。由香里の中にいるというのは一体どういうことなの?
東京のワイドショー視聴者D: (不安げに) 科学者が何か解決策を示してくれることを祈るしかないかもしれないね。これからの情報に注目しないと。
東京のワイドショー視聴者E: 科学者がさじを投げているんですが……




