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秋
体に受ける風が少し冷たく、けれどもそれが心地いい。
秋。
銀杏並木を、歩く。
大好きな貴方と手を繋ぎながら、並んで歩く。
銀杏の並木道は黄金色に染まっていて。
何だか、神秘的で。
春の桜色の並木道も美しかったけど。
銀杏並木はまた違った美しさがある。
ひらひらと銀杏の葉が降り落ちる、中。
貴方と銀杏の木を見上げながら歩く。
時々ちらりと貴方に視線を向ける。
すると同時に貴方と目が合い、お互い照れ笑う。
黄金色の並木道を歩く。
大好きな貴方と、肩を並べて歩く。
降り落ちてきた銀杏の葉を掌で取る。
私はそれを口元に持っていくと。
「…好き」
貴方に聞こえないように。
私は貴方に何度目かの告白をする…