036話
始まるのは、人間と魔族の全面戦争。過去編 人魔大戦争 ~師匠神殺し編~
そして、精霊界から出るために頭を悩ませていた。相棒に
師匠「どうしようか?」
と聞いてみると、相棒が
相棒『そんなことで、時間と頭を使うなよ。ほらここから人間界に戻るぞ。』
と言って、自分の剣で空間を切り裂き、人間界へつなぐ。
師匠「お前こんなことも出来たのか。便利だな。」
相棒『そりゃあ俺は、勇者の宝剣だから。勇者の力を使うことができるからな、できないことの方が少ないぜ。』
師匠「じゃあ帰るか、相棒。」
相棒『そうだな。お前の家も見てみたいしな。』
少しの会話を相棒とかわし、相棒の作った、時空の歪に飛び込む。歪に飲み込まれるときは、すごいだるさを感じるが、今回は相棒が考慮してくれていたのかは、私にはわからない。ただ一つ分かることがあるとすれば、相棒を使いこなすことができれば勇者の力を、自由に使える事と同義だと。使いこなせれば、勇者の力を持ったものと同じようなもの。そんなことを考えていると、元居た人間界へ戻ることができた。
その人間界に戻ると、何やら騒がしいことになっている。そこにいたところを中心に、索敵魔法を使うと、すごい数の反応を感じることができた。
師匠「相棒これは、・・・」
相棒『考えている通りだよ。これは、人間と魔王軍の戦争だ。』
師匠「なぜそんなことが?来る前は、平和だったはずなのに」
相棒『あれ。説明されてないのかな、精霊界の一日と、人間界の一日は全然違うんだよ。時空の歪ができて、精霊界の一日が、人間界での2年くらいになっている。』
師匠「ってことは、何日いたっけ。確か、二日。初代精霊王の話は長かったから、一日くらい。三日。・・・六年くらいってことか。にしても、変わったんだね。」
相棒『そうだな。六年あれば、人は面白いくらいに人が変わる。どんなことが起こったかは知らないけど、何とかしないといけないのは確実だね。』
師匠「そうだな。」
相棒『どうする?』
師匠「全部峰内で、急所を外して、気絶させる。」
相棒『そうか。魔物も、人間もか?』
師匠「そうだ。そのためにも、力を貸してくれ。」
相棒『言われずとも。私は、あなたの相棒だぞ。拒否する事なんてほとんどないぞ。』
師匠「そうか。じゃあ行こうか。」
師匠はそういうと、相棒を握りしめ、さも当たり前のように究極狂人化3を使って、身体に赤と黒の混ざったどす黒いオーラを、一回出し、すべて勇者の宝剣にこめ、倍率はそのまま、更に剣を強化することに成功した。そうして、始めるのは、ただの蹂躙だった。特に強い相手がいるわけでもなく、皆レベル100以下の雑魚ばかりであった。更には、統率が全く取れていない。即興で、両軍戦争の準備をしたことが分かる。こちらは、究極狂人化3に勇者の宝剣もあるし、いざとなれば魔法も使うことができるし、精霊紋も、悪魔紋も使う事だったらできる。何一つとして、負ける要素が見えない。
師匠「この戦。両軍負けで、俺の一人勝ちだな。」
と、一人でブツブツとつぶやく。それに、感化されたのかまたは 、スカウトしに来たのかはわからないが、魔王軍の魔王と、人間の軍の王様がきた。二人とも同時に
魔王、王様「「わが軍の仲間になってほしい。」」
魔王、王様「「なんでかぶるんだよぉー。」」
師匠「どちらの軍にも入る気はありません。」
魔王、王様「「なぜですか」」
魔王、王様「「だから、なんでかぶるんだよぉー。」」
師匠「軍に入ることよりも大切なことがあるからです。」
魔王、王様「「なんですかそれは?」」
魔王「もういい。先にしゃべりたまえ。人間の王よ。」
王様「ありがたい。うちの軍は、成果さえ出せば、誰も文句は言いませんよ。ぜひうちの軍へ」
師匠「何度も言いますが、軍に入っても堅苦しいだけなので。私、堅苦しいの嫌いなんですよね。」
魔王「なぜ軍に入ることよりも大切なことがあるんですか?そしてそれは何ですか?」
師匠「それは・・・・・・・・・」